lurking place

ニッポンのゆる~い日常

ロシアへの裏金は「必要経費」「日本の弱腰原因」

2011-01-10 09:13:18 | ロシア
ロシアへの裏金は「必要経費」「日本の弱腰原因」 漁業会社元役員が証言


http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/110110/crm1101100124000-n1.htm



 ロシアの排他的経済水域(EEZ)内でスケトウダラ漁をする漁業会社4社がロシア国境警備局側に計約5億円を提供したとされる問題で、札幌、仙台国税局から追徴課税を受けた漁業会社の関係者が産経新聞の取材に「(資金提供は)入漁料のようなものだった。必要経費だ」と述べた。


 漁業関係者は「日本政府が北方領土返還交渉を優位に進めたいあまり、ロシア政府に譲歩し過ぎていることが、資金を払わざるを得ない原因」と、違法の可能性があるとはいえ、問題が複雑な背景を持っていると訴えている。この関係者は、資金をキプロスなど外国口座を経由して送金した事実も認めた。


 取材に応じたのは、国税当局に追徴課税を受けた北海道と東北地方の4社のうち、北海道の企業の元役員の男性。男性によると、「裏金というつもりはなく、ロシア国境警備局側に5億円を、4社の会社幹部同士で話し合って送金した。ロシア当局の嫌がらせをかわすにはほかに方法がない」という。

 水産庁によると、ベーリング海や北方領土周辺のロシアEEZ内で、タラ漁の主力となる「北洋転換底引き船」の許可を得ているのは、追徴課税を受けた稚内海洋(北海道稚内市)、金井漁業(釧路市)、開洋漁業(青森県八戸市)、佐藤漁業(宮城県塩釜市)の4社だけ。


 EEZ内でのスケトウダラなどの漁は、日露両国の政府が「日ソ地先沖合漁業協定」に基づく交渉で条件を決めている。4社は国税局の税務調査に「定められた漁獲量を超えて取ることを黙認してもらうために支払った」と説明しているという。交渉で決まった漁獲量だけでは十分な利益が出ないという。


 男性は「ロシアという国はお金がないと何も進まない。正論が通じる国ではない」と、資金提供をせざるを得ない事情を説明する。

 また、ほかの漁業関係者は根室市や釧路市などでロシア国境警備局の係官(オブザーバー)が乗り込む際、海が荒れて出漁できないときは、飲食で接待したり、家具や車を渡すこともあったと証言する。

 ただ国税当局は5億円の資金提供はこうした係官の接待とは別の大掛かりなものとみている。

 資金提供の契機になった可能性があるのが、平成18年に4社が、所有する船をロシア国境警備局に拿(だ)捕(ほ)された事件だ。一部の船の船長は刑事告訴されるなど、4社は膨大な労を費やした経験を持つ。送金はこの前後から始まっている。

 取材に応じた元役員の男性は、この事件が契機かどうかは明らかにしなかった。しかし、道内の漁業関係者からは「今回ほど多額ではないが、資金提供はソ連時代のころからやっていた。係官が『漁獲量を超過している』などと難癖をつけて拿捕されたら命まで危険にさらされる」という同情の声も聞かれる。


 男性は「公海で漁をしていたのに、『ロシアを刺激しないでくれ』という外務省と水産庁の意向で自主的に操業をやめたことがあった」と指摘。「日本の漁船が退去した後、韓国は巧みにロシアに取り入って漁獲量を急増させている。日本政府が北方領土を人質に取られ、ロシアに言うべきことを言えないから、資金提供せざるを得ない状況が生まれてしまう」と問題の深刻さを訴えている。

2011.1.10 01:23

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これから凛とした教育をしよう

2011-01-10 09:08:39 | 正論より
1月10日付    産経新聞【正論】より


これから凛とした教育をしよう    永世棋聖・米長邦雄氏


http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110110/plc1101100330000-n1.htm



 苦しい時、不利な局面の時にこそ、笑うことが勝利への特効薬である。そういう考え方をすれば不利も有利に変えられる。それが私の人生哲学、勝負哲学である。

 日本はどうなるのだろう。現状は目を覆いたくなることが多い。政治も経済も教育も、問題を数えあげればきりがない。増大する中国の脅威に加え、韓国にはハブ空港、ハブ港など負け続けだ。東南アジアを余裕をもって見ていられるのも今のうちだけではあるまいか。現在も将来も暗澹(あんたん)たる思いを抱かずにはいられない状況だ。これからどうすべきか。将棋の格言や金言を当てはめて考察する。




 ◆飛車の捨て所肝要なり


 昨今の日本ほど交渉下手な国は世界に類を見ないだろう。NHKで「坂の上の雲」を放映していたが、明治の日本人の若々しさや国家観は、これでも同じ民族なのかと驚嘆する所が多々ある。その前の大河ドラマ「龍馬伝」でも、江戸から明治への移行期の若者たちの姿を見た人々は多いだろう。

 2つのドラマの主人公たちは皆20代、30代前半の若者だったことを今一度、思い起こしてほしいものだ。龍馬は33歳で暗殺された。龍馬は将棋の駒でいえば大駒の飛車か角に相当する人物だったが、きれいに散った。しかし、新しい日本の中で今尚生きている。

 隣国との関係をみよう。昨年は日韓併合百年であった。日本は、わずか百年ではなく、百済滅亡1350年を持ち出すべきだった。660年に百済は滅亡した。日本は船団を率いて支援、朝鮮半島に残っている同志とともに戦った。663年の白村江の戦いがそれである。残念ながら惨敗した。旧暦の8月27、28日のことである。

 この史実を日本中の若者に教えて、朝鮮半島の人々にも伝えるべきだ。敗れた日本軍は百済の難民を船に乗せて逃げ帰った。同行した人々が日本文化のために果たした役割は大きい。この故事にならい外国人参政権は帰化してこそ、すべてがハッピーになるのだということも教え諭すべきである。




 ◆遠見の角に好手あり


 今年は中国との関係でも重要な年、辛亥革命(1911年)百周年である。中国で誰が一番偉いかといえば孫文である。毛沢東もトウ小平も全く頭が上がらない。近代中国は孫文の手によって建国された。それが辛亥革命である。私はまだ見たことはないが、南京には孫文の陵墓、中山陵があり、「孫文先生は日本の友人、知己の助力を以てこの大事を成し遂げ云々(うんぬん)」と説明されているとも聞く。

 「南京大虐殺」などというでっち上げにも困ったものだが、南京への孫文ツアーを日中同時に1年間やってはどうか。近代中国は日本の助けがあったからこそ成立したのだ。日本は日本の良さを隠すことなく表へ出すべきである。孫文には功と罪の二面あるという説を唱える人もいるが、現在の中国は孫文の功と、それを強力に支援した日本の協力によって成り立った事実だけは間違いなかろう。




 ◆「金底の歩」岩よりも固し


 戦後の教育に問題があるのは確かだ。日本史は昭和10年代の日本を悪の権化ともいうべき国とした辺りで終わる。日本を悪い国などと思っている国は世界で3つしかない。いや、もうひとつある。悲しいことにそれは日本である。

 ところが、神風が吹いた。尖閣諸島沖で海保巡視船に中国の漁船が衝突してきた事件だ。明らかに中国側の蛮行である。この対応を誤って、菅直人、仙谷由人コンビの政府と民主党の支持率は急降下した。中国への土下座外交とも受け取れる態度に、90%近くの国民がノーを突きつけたのだ。日本人はこんなに愛国心の強い国民だったのか、と認識を新たにした。

 教育は、国にとっては最も肝要であり、しっかりとさせなければならない。江戸時代は藩校はもとより、寺子屋でさえ今の学校より凛(りん)としていた感がある。日本が世界の人々に愛されるのはなぜかを子供たちに教えるべきである。だが、本来、そうした教育を行うべき学校がそれをできない不幸な国に、日本はなってしまった。個々の具体例を挙げて先人の偉業、功績を堂々と教えることができずして、学校といえるだろうか。

 国際化は時代の流れである。小学校から英語教育をという意見もある。それも良かろう。だが、その前にまず身につけさせなければならないのが、自国の文化、歴史に誇りを持つことだろう。

 総合学習には4つの柱があり、その中のひとつが「国際理解」である。将棋を授業に取り入れている学校も出てきたが、それは国際理解の一環である。ピンと来ない読者も多いと思うが、国際化のイの一番は「アイデンティティー」にあるからだ。自分は何者か。これをきちんと相手に伝えることが最も大切なことである。

 今こそ美しい教育をすべき時である。自国の正しい歴史、誇れる史実を堂々と、そして正確に子供たちに教えることである。凛とした教育を始めよう。(よねなが くにお)









  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする