二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

『慢性関節リウマチは治る ~リウマチ治療の新常識~』

2008年03月28日 | 鍼灸
3月23日(日)、(社)日本鍼灸師会青年部北陸ブロック学術講習会に参加してきました。

◎日 時:平成20年3月23日 13時30分~16時30分
◎場 所:富山県鍼灸マッサージ師会館 3F
◎演 題:『慢性関節リウマチは治る リウマチ治療の新常識』
◎講 師:松野博明 先生  松野リウマチ整形外科院長
      日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医


午前中は金沢で金沢市鍼灸マッサージ師会の理事会があり、車で行こうと思っていましたが、会議がながびいたため、急遽、特急で富山まで行くことにしました。救いだったのは天気が良かったことです。30分遅れで到着しましたが、最後には質問もでき、リウマチ治療の考え方や最新治療も勉強でき、有意義な時間を過ごさせて頂きました。

リウマチとは、免疫の異常により主に関節の滑膜に炎症を起こす病気のことです。白血球が活性化され炎症を起こす物質を放出することにより、関節の腫脹や痛み、朝の関節のこわばりなどの症状を発症し、進行すれば軟骨や骨を破壊し、変形を来たし日常生活が困難となる場合があるたいへんな疾患です。

免疫異常であることは分っていますが、どうして発症するのか原因不明の疾患でもありますので難病指定されています。

講習会では、どのような免疫異常が起きているのか、そのメカニズムについての説明、リウマチに関しての研究が進み、以前とは比べものにならないほど治療選択の幅が広がり、技術も進歩しているお話がありました(薬物治療、手術(人工関節・滑膜切除術)など)。また触診でのリウマチ診断のポイントなども教えて頂きました。

印象に残ったお話をいくつか書きたいと思います。

◎最近のリウマチに対する薬物治療の流れとしては、リウマチと診断された時点で早期に強い薬物を投与して、症状を抑え重症化するのを防ぐ方法をとるそうです。以前は、薬物としての効果は強くないが、出来る限り副作用の少ない薬物の投与から始め、徐々に強くしていくという方法だったということでした。

◎リウマチ診断の血液検査の指標として、昨年7月より認められたCCP抗体というものがあり、CRPやRFと比べリリウマチ患者の陽性率が高く、この抗体が検出されれば約9割の確率でリウマチであるということです。

◎リウマトレクス・メトトレキアート(MTX)などの抗リウマチ治療薬と生物製剤であるレミケード・エンブレイルを上手く投与すると、症状が改善されるだけでなく、Ⅹ線像などの骨破壊も改善される報告もあるということでした。

◎リウマチも遺伝子異常が関与しており、遺伝子治療の研究も進んではきているが、人体に応用できるには20年以上かかるだろう。

◎炎症を抑制するために使用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は使用方法を誤ると、消化管障害などの重度の副作用を発症します。米国ではこの薬の服用により1万人以上が亡くなっているという報告もありました。

◎LCAP療法という新しいリウマチの治療方法があります。簡単に言うとリウマチ版の透析だそうです。血液から炎症の原因となる活性化した白血球を特殊な除去フィルターで取り除き、また体に血液を戻すというシステムです。薬物治療とは違うので、従来の治療と併用できるのが長所。薬物では効果のない患者に効果があったという報告もありました。先生の病院でも行っているそうですが、保険が効かないので5回治療すると80万円ほどかかるそうです(高額療養費が適応されても8万円ほどかかる)。

リウマチに関し多くを勉強させて頂きました。現在、西洋医学で行われている主流の治療の知識を得ることは、鍼灸院へ来院する患者さんのためには重要なことであると思います。病院では、どのような治療をされていたのか、どんな薬を服用しているのか、症状はどのようなものか、その症状は薬による副作用ではないか、など患者さんを問診する上で大切になってきますし、治療方針を決めるうえでも大切です。

今回、勉強させて頂いた感想は、活性化したものを除去したり、炎症作用を抑えつけたりする治療が本当に身体に良い治療なのかと思いました。症状が強い人、痛みや変形で生活困難な人にとっては一次的に不可欠であり重要な治療であることは確かですが、根本的に症状が寛解し、体全体の状態が良くなってくるのか疑問が出てきました。

MTX(リウマトレクス・メトトレキアート)などは、元々は白血病・悪性リンパ腫・肉腫に使用されていた抗がん剤で、リウマチにはがん治療に比べ少量が投与されるそうです。確かに炎症症状や骨破壊に対して効果があるかもしれませんが、私たちは、このような情報もしっかり把握し患者さんを診ていかなければいけないと思いました。

◎有名な画家、ルノアールやルーベンスもひどいリウマチだったようです。ルノアールは自分の作品の所々に変形した手を描いていることがあるという話もされていました。

日本全国で70万人と言われているのがリウマチ患者数で、毎年、1万5千人が新たに発病しています。当院にもリウマチの患者さんが来院されていますが、皆さん鍼灸治療に対して好感触を持っておられ、症状も進行しておらず、治療後は痛みも軽くなることが多いように思われます。ちなみに、西洋医学的治療も併用されている方がほとんどです。

少しでも、患者さんの苦痛を取り除くことができるように、患者さんのリウマチ進行度をしっかり把握し、何が適切な処置かを判断できるように、まだまだ勉強、勉強です。今回もいい勉強をさせて頂きました。
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少年野球(夕日寺クラブ)の練習試合

2008年03月28日 | 少年野球
3月20日(木・祝 春分の日:夕日寺小学校グランド)、夕日寺クラブの練習試合を見に行き、子供たちがどんな動きをしているのか見てきました。投球フォームや打撃フォームに無理なところがないか、元気にプレーしているかを重点的にみて来ました。

相手は、向粟崎イーグルスと上荒谷ヤンキースでした。

3月後半と言ってもまだ肌寒く、家を出るとき少し寒いと思い真冬の格好で出かけたのが正解でした。風は寒気の影響か冷たく、雨が降りそうな天気でした。しかし、子供たちは元気いっぱい、元気ハツラツで大声を出して野球を楽しんでいました。

いつも少年野球の子供たちを見るたびに、どこまでフォームを修正していいものか悩みます。しかし、成長期の子供たちにでも正しい体の動かし方、肘や肩に無理がかからないような投げ方、一人一人の体力や性格に応じた指導の仕方があるのだと思います。

私は学生時代、あまり選手としては上手な方ではありませんでしたので、自分が行ってきた野球の感覚と、医学的、あるいは物理的な知識から得たものをミックスさせて、体の動かし方や打撃、投球の意識の仕方などを教えてあげるようにしています。

経験からだけでなく、医学的、物理的に、運動する身体を捉えていくことは大切なことであると思います。そこには成長ということを考えた捉え方も重要であり、まだまだ勉強することばかりです。星稜高校の選手たちにも言えますが、出かけていくことで子供たちに刺激をもらい、さらに勉強しなければ!と反省、そして向上心を高めて頂けることに、いつも感謝しています。

このグランドの隣は、今年、新しく素晴らしいグランドに変身した星稜中学校野球部のグランドもあります。練習試合をやってましたのでチラッと観ましたら、なかなかいい選手がいるので、これからの成長が楽しみだな~と思いました。



頑張れ 未来のプロ野球、大リーガーを目指して

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