二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

伊那食品工業の経営に感動 ①

2008年11月15日 | 経営って何?!
鍼灸治療院は経営について学ばなくてもよいのか、最近、常に考えます。自営業だし、院長なのだから考えるのは当たり前ですが、経営を学ぶとはどういうことなのか?自分なりに考えていきたいと思っています。

長野県に、昭和33年に創業された伊那食品工業という会社があります。寒天メーカーという斜陽産業でありながら、創業以来48年間、連続で増収増益という記録を打ち立てた会社です。国内のマーケットの80%、世界で15%のシェアを誇る、いわば寒天メーカーの世界のトップまで上り詰めたといえる会社です。

増収は売上高のことですから、難しいですが可能です。しかし増益は、利益額そのものも伸びている、それも50年近く連続してというのは驚異的なことだそうです。

≪しかし、今は会長になられた前社長の塚越寛さんは、「48年間増収増益を続けている優良企業」という伊那食品工業の紹介のされ方は好きではないと言います。増収増益を目標に掲げて経営しているわけではなく、たまたまの結果にすぎないからだそうです。

それよりも、48年間、社員を雇い社員の給料とボーナスを上げ続けてきたことを誇りにしたいというのです。

このことは、伊那食品工業の経営の正しさの証であり、いかに時代を見、時代を創ってきたか、社員満足度と顧客満足度の高い会社かということの証と言えるでしょう。

しかもこの会社が扱っているのは、ハイテクでもナノテクでもなく、「寒天」です。新しいものばかり追いがちな、今どきの多くの企業も参考にすべき会社だと思います。≫



正しい経営理念を持ち、実践することが会社として大切だということでしょう。正しいとは、社員やお客さんが満足できる、そこに心を配ることが経営者にとって大切なことであり、正しい経営なんだと思います。そこには真我はあるが自我はなく、会長さんの言葉一つとってもすごく謙虚で、思いやりがあります。

そんな経営を私もしていきたいです。

≪寒天の市場は、決して成長マーケットとはいえません。工業統計で寒天について調べればすぐわかりますが、全体としては右肩下がりです。しかしこの会社は、そんな寒天をベースにしながら売上げが伸びているのです。つまり、寒天の生産量とは違う伸びを示しているのです。

同社は、寒天を使いながらも原材料の比率を少なくしています。原材料への投入額が少なくなれば、当然、売上高そのものは下がるはずです。しかし同社は、斜陽産業である寒天に時代にあった新しい付加価値をどんどんつけながら、数字を伸ばしているのです。

「伝統産業は時代が変わってしまったらダメだ」というのではなく、それを守りながら、さらに新しい価値をつけて商品価値を高めていくということを行っているのが伊那食品工業です。こうした経営のやり方は、多くの中小企業の経営者に、夢と希望を与えるのではないでしょうか。≫

『日本で一番大切にしたい会社』 坂本光司 著(同上)


私たちの治療にしても完璧ということは考えられません。時代も流れていきます。医学は日々進歩し、遺伝子など先端医学などでは新しい発見がどんどん生まれています。遺伝子などの小さいものから、銀河系や宇宙など大きいものまで様々な情報が自分のアンテナさえ感度良好であればキャッチできる世の中です。

その点、私の師匠の東洋医学研究所所長、黒野先生は時代の先を読み、臨床に研究に実践され成果を出してきました。また先端医学の情報も敏感にキャッチされ大切さを訴えています。東洋医学に繋がるところがあるということでしょう。また、東洋医学本来の考え方、様々な情報から全体を捉え、身体、心、あるいはその中に流れる見えいない大切なものも意識され診療されています。

そんなことが経営にも繋がっていくのかもしれません。新しい情報などを常に取り入れ、それを基本(伝統や哲学、思考、技術、人間性など)の元に発展させ、世の中の人々のために生かされていくのかもしれません。

世の中の事象は、経営はじめすべてが繋がりを持っているのではないでしょうか。

二葉鍼灸療院 田中良和
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