二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

日本のエネルギー開発 原子力発電について考えてみた ③

2010年03月12日 | 社会
日本のエネルギー開発や原子力発電を考えると、熱くなってしまいます。

政府は地球温暖化防止には原発は必要不可欠とし、「原発推進」をしています。この点は、同じ与党内の社民党が訴える「原発を切り札にせず、脱原発に向かうべきだ」という意見に、私は大賛成です。

これから、さらに原発を20基以上作ろうとしています。お隣、中国のエネルギー事情も大変なようで、日本よりはるかに多くの原発をつくる予定もあるようです。

人間とはどれだけ強欲なのでしょうか。自分のためだけ、利益だけ、経済回復にため他を犠牲にしてまでも利益を追求する時代はもう難しくなっているのではと思います。もし、それでも人間の欲求のおもむくままに開発を続けたら、地球は悲鳴をあげて自然治癒力を発動するのかもしれません。人間にとっては最悪の事態。

人間は何かを失わなければ、失敗しなければ、本当のところは理解できないのかもしれません。それとも古代文明が滅びたように、私たちも同じ徹を踏み、消滅しなければ、この経済活動、文明活動に歯止めが利かないのかもしれない…とも思うのです。

現政府には「今の経済状態を踏まえると、原発の力を借りざるを得ないのが現状。だが、将来的には脱原発を推進し、自然エネルギーをはじめ他のエネルギー開発に力を入れていきたい」というような内容の会見をして欲しかったと思います。

繰り返しますが、日本は地震地帯です。今後、東海を中心にした大地震なども予測されています。記憶にある方もあるかもしれませんが、ロシアのチェルノブイリ原発が事故で爆発を起こした事件がありました。

チェルノブイリ原発から周囲30kmは永遠に居住区として禁止されています。永遠にです。

万が一、これが日本で起きたらどうなるでしょうか
先祖から受け継いで来た、山紫水明、美しい山や川、海や森、多くの大自然が一瞬にして生物の地獄となってしまうのです。そのような権利が人間にあるのかな?とも感じます。

もう一度、自分の生活からエネルギーについて考える時に来ているのだと思います。
経済は一度消失しても何とかなりますが、地球や人間がダメになれば、そこからは何も生まれません。

そんなことを、最近の政府や官僚のエネルギー行政、経済界(原子力開発を巡る大企業の)の利益優先主義を見ていて思うのでした。

『言志四録』に曰く
≪一つの物事が道理に適っているかどうかを見て、全体の良し悪しを問わない。また、一時的な利害にこだわって、長い先の利益を考えない。政治が執るものがこうならば、国は危険な状態になる≫

長々と読んでいただき、ありがとうございます。 

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本のエネルギー開発 原子力発電について考えてみた ②

2010年03月12日 | 社会
原子力発電について考えています。

①でも話したように、原子力発電には放射性廃棄物がつきものです。現在、この処理を現時点お科学水準で行うには非常に難しい問題だとされています。現に六ヶ所村の再処理施設、廃棄施設では事故が続発していいます。その廃棄物はドラム缶のような詰め物に入れられたり、ガラス固定され、それらは地中深く埋められることになっています。

さて、日本という土地は四つのプレートが入り組んでいる、いわゆる世界で一番地震が多発する国です。そして日本の各地には多くの活断層が存在します。阪神・淡路大震災の時に動いた活断層もそれ以前には発見されていない部分があり、発見されていない活断層も含めると、日本には地震の起きないところがありません。
また、日本は世界でも類をみないほど「水」がキレイな国であり、水道ひねったら、おいしい「飲める水」が出てくるところなんて、世界でもそう多くはありません。ということは、森林が根ざし、地下水脈がヒトの毛細血管のように張り巡らされているということです。そこから数百年かけて伏流水として地表へ涌き出てくるわけです。ありがたい自然の恵みですね。

何が言いたいかというと、そんな条件のところへ核廃棄物を埋めるということです。埋める場所について、細かく調査して検討されているとは思いますが、こう考えても何か怖いものがあります。「私の近くに埋めるわけではないから関係ない」と思う人があるかもしれませんが、地球が汚染されるわけですし、日本という狭いと土地で行われるわけですから、その影響はまわりまわって自分に返ってくるのです。人事ではないのです。

最近、中国四川省での大地震、ハイチでの地震、チリの大地震、先日はトルコでも地震があり、日本でも沖縄に100年ぶりくらいの大きい地震がありました。鹿児島の桜島では今年ハイスピードで噴火が確認されています。これら自然現象は何を示しているのでしょうか
新潟県沖で起きた地震の際、柏崎原発が火災を起こしました。この地震での揺れが想定外だったとのことでした。原発は地震対策はしてあると思います。しかし、想定外の地震は今後、予測することもできません。ただでさえ事故が多い原発です。私は石川県に住んでいますが、石川県にも志賀原発があります。事故が多いです。そこへ想定外の大地震が来たらどうなるでしょう?自然の営みは人間の科学力や知能をもってしても計れ知れないところが多いのです。ほとんどといってもいいかもしれません。

私は地震により亡くなられた方や、残された遺族の方の中には地震が憎くてたまらない人がいると思います。しかし、地震は止めることができません。台風も止めることができません。人間は自然とともに共存していくしか道はないと思います。
ですから、プレート活動や火山活動などの大自然の営みが、何か人間の行いや思考に対してメッセージを送っているのではないかと思ってしまうのです。

福井県に美浜原発というのがあります。この1号機クラスの原子炉が事故を起こし爆発した場合、風向きにもよりますが、周囲8kmにいる生き物は即死すると言われています。

核廃棄物だけでなく、原子炉自体が、このようなリスクを抱えて存在しています。

私も電気を使いますし、文明社会を享受してますから、原子力発電から得た電気を利用しているわけです。もし原子力発電を止めて、経済が混乱するにしても、不便が生じるにしても、それは受け入れなければならないと感じています。そういう覚悟もあります。

私たちは文明社会が最も優れていると思っていますが、アマゾンの奥地やアジアの未開の地に住む人々は、何が素晴らしい生活だと思うのでしょうか 果たして私たちが築いてきて文明社会が最高の生活なのでしょうか。と、ふと考えることがあるのです。

経済がなくなっても、食物を育む、大地と水、そして太陽、生物を育むキレイな川や湖、海があれば、人間は生活していくことができます。
原子力発電は水や空気に放射能を放出しています。原発側は微量であり、人体には影響がないと言います。しかし、それは自然が放出する量をはるかに超えています。目に見えないからさらに怖いのです。確かに自然にも放射能が放出されています。岩盤浴の発祥の地、秋田県の玉川温泉などにしても、それを利用しているわけです。微量な放射性物質により身体の細胞が刺激され病気が治癒に向かう(ホルミシス効果)ということが実際にあります。これは、あくまでも本当に微量な、自然界における放射性物質ですけどね。

土地や水や空気が汚染されると言うことは、それを口から吸い、それを口から摂取する人間も汚染されるということです。医療者がいくら頑張ろうが、鍼灸治療をしようが、根本的なものが汚染されているので、病気はなくならず、さらに悪化していく、というシナリオも考えられなくはないと思うのです。

人間は地球の資源を利用させて頂いているだけで、けっして人間のものでもないし、人間が自然の創り出すものを創れるのかというと、ほぼ不可能です。それは、人間も自然の一部であり、自然循環の中の構成要素の一つなんですからね。新しい発見、新しい発明は、皆、地球の恩恵を受けているのです。

その地球を汚染するエネルギーシステム、将来大きな危険が起こる可能性があるエネルギーシステムが未来永劫、必要不可欠なのでしょうか 甚だ疑問です。

現在の経済活動を維持するために、危険なエネルギープラントの使用を続け、それから生まれるさらに危険な核廃棄物が蓄積します。甚大な危険に晒され、それと隣り合わせで共存し、そして、最終的にこれらの問題を処理しなければならないのは、子や孫の世代なのです。このような遺産を残しておいていいのでしょうか、と思うのです。

長くなりました。熱くなりました。③に移ります。

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本のエネルギー開発 原子力発電について考えてみた ①

2010年03月12日 | 社会
ヒトは、朝、眠りから目覚め、昼は活動し、夜になり再び眠りにつきます。活動する時も、眠りにつき夢の世界にいる時も、ヒトの身体は動き続けています。

ヒトが活動するためにはエネルギーが必要です。質量のない、目に見えないエネルギーです。これは身体の細胞一つ一つの中にあるミトコンドリアという発電所で作られます。この発電所が機能的に働き、活発であるとヒトはエネルギーに満ち溢れ、健康な状態が保たれ、活発に活動できるわけです。そして、夜、寝ている時は新陳代謝を行うため、さらに活躍するわけです。

ミトコンドリアの活性が低下したり、機能を消失したり、あるいは、ミトコンドリアに必要以上の負担がかかると、活性酸素というものが放出されます。これは適度であれば、細胞の自然死のシグナルとなったり、身体に害を及ぼすものを破壊する働きがあります。
これが増えすぎると、自身の細胞を傷つけ、それが重なり広がっていくと、いわゆる病氣という状態になります。

ヒトのエネルギーの仕組みを簡単にお話しましたが、人間の生活も同様なのだと思います。

人間が生活(文明社会)を営んでいくには、様々な設備と環境が必要となります。現在のところ、電気、ガス、水道は必要不可欠となっています。電気というのは目に見えません。電気をみたことのある人はいますかそれは、おいといて

電気なくしては文明社会を築き、維持していくことはできません。その日本のエネルギー量の3分の1を担っているのが原子力発電です。

原子力発電に関しては、細かいことを過去のブログにて書きました。これは大きなリスクを伴う発電であるということを理解しなければいけません。原子力発電の原料はウランです。これも地下資源ですね。無尽蔵ではありません。これを濃縮して使用するわけですが、その濃縮過程で出た劣化ウランはミサイルの先端について武器となり、爆発と同時に酸化ウランという猛毒物質となり、人間を内部被爆させ、遺伝子異常を起こし、また、周囲の土地や水を汚染します。イラクやアフガンでは大量に劣化ウラン弾が使用されました。そのために、先天的奇形をもって生まれてくる子供たちがたくさんいるのです。

日本は今後さらに原子力発電所を増設し「原発推進」に向けて動き出そうとしています。これは鳩山総理がCOP15において、地球温暖化に関する温室効果ガスの25%削減を2020年までに行うことを表明したことにあるでしょう。しかし、この会議のデータはIPCCのものを基盤にしているのですが、この地球温暖化に関するデータが、温暖化事業を推進するのに都合よく改ざんされていることが発覚するという問題が出てきました(クライメイト・ゲート事件)が、日本ではほとんど報道されず、そして、いつの間にか話も消えてしまった感があります。

環境破壊は進んでいますが、地球温暖化は本当なのか?ということも、それぞれ一人一人が考えていかなければいけないと思いますね。地球温暖化=ビジネス=原子力発電、では何か嫌な感じが私はするのです。「本当に今後、原発が必要なのでしょうか」今あるものは仕方ないとして、脱原発に向かうべきだと思います。

先ほど話した劣化ウランはどう処理するのでしょうか?エネルギーを得た後には、今度、廃棄物が出るわけです。放射能汚染のレベル度合いで高レベルから低レベルまで。この処理を一手に青森県の六ヶ所村の処理施設で行おうとしているわけですが、将来の安全性、あるいは、事故が多発しておりまだ稼動段階ではありません。いわゆる保証のない実験を行おうとしていると言っても過言ではないと思うのです。

これら放射性廃棄物は、原発を行えば行うほど出てきます。そして、その管理は数百年単位のものです。「処理・管理のリスクは後の世代にお願いします」、というのが現段階での原発の現状でしょう。
さらに高エネルギー放射性廃棄物からプルトニウムを取り出し、それをウランと混合して、効率的に大きいエネルギーを得ようとプルサーマル計画なるものが開始されました。これも危険極まりないものです。この大きいエネルギー(莫大な熱量、放射線)に耐えうる原子炉を作って行うならまだしも、既存の原子炉を使い発電(実験)を行うわけです。確かに高速増殖炉「もんじゅ」での失敗により、多くの研究がなされてきたと思いますが、極めて危険であると思うのです。

また、日本の原子力発電所は、そろそろ老朽化による限界が来ています。現在は、まだ使えそうなので、10年ほど継続して使おうという話になってきています。これも極めて危険だと思います。事故も多発するでしょう。実は原子力発電所は建造するよりも解体するのに数倍の予算がかかるのです。エネルギーを得る効率も悪く、毒物も多く発生させる、本当に危険で無駄が多いものなのです。

評論家や専門家の中には、「自然エネルギーでは経済が持たない」「原発が必要だ」「自然エネルギーに替わりはできない」という人が多くみられます。そうでしょうか?国が現在推進しているエネルギー開発の70%弱は原子力発電のものです。これでは自然エネルギーも発展しないというものです。

確かに経済は大切です。が、地球あっての、人があっての経済です。経済ありきではありません。

長くなりましたので、②へ移動

二葉鍼灸療院 田中良和
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