四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)

2023年11月15日 06時04分35秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲く 酔芙蓉 薄紅に染まる」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年10月23日から11月2日まで軽井沢の紅葉を撮影しました。
  名所ごとに紅葉を題材に詠みました。
 註)ハルニレテラス遊歩道の紅葉
☆渓流の音に誘い赤紅葉 揉み出すもみじ木々が色づく
 註)千ケ滝温泉紅葉
☆秋深く燃える紅葉千ケ滝 古都の趣味わい深く
 註)軽井沢レイクガーデン
☆紅葉を愛でて楽しむ美しさ 秋の風情は薔薇にも映えて
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「ハルニレテラス遊歩道」「千ケ滝温泉」「軽井沢レイクガーデン」と、
 今まさに「燃える秋」を象徴的に示してくれる「ザ・軽井沢」を三首の歌で詠んで
 頂きました。作者のブログも拝見させて頂きましたが、こちらでは中々眺める
 ことのできない鮮やかな紅葉に圧倒されました。その鮮やかに燃える紅葉の様が
 三首の歌、それぞれに作者のワクワク感、感動と共に表現されています。
 感動は歌心の核心とも思いますので、これらの景観に真向かうことにより作者の
 感性が益々磨かれることと思います。
 二首目の歌の「燃える」は、紅葉の鮮やかな色彩と燃え盛るような勢いを表現し、
 さらに地名「千ケ滝」が、この歌の具体的な舞台を特定し、リアリティを与えて
 良い歌と思います。ただ、「古都の趣味わい深く」の下の句が上の句との関連で
 少し唐突感が感じられます。このような詠み方ではいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★鮮やかに燃える紅葉の千ケ滝 古都のおもむき残す民家も

【詞書】日頃は思ってもいないが、いざ病気にかかると健康第一だと思う自分の
  身勝手な気持ちを詠まさせていただきました。
☆突然の眩暈を起こし思うのは 日頃と違い「一に健康」
【詞書】昨日よりも、体調が良くなっている様ですので、もう一首詠ませて頂き
  たいと思います。
☆真夜中に電気あんかの線入れる 凍える寒さ今日は立冬
                          西BOOさん
【解説】
 突然の眩暈の発症はご心配でもありますよね。お見舞い申し上げます。少し回復
 されてきたとのことでホッとしております。
 一首目の歌は、病となったとき、皆さん一様に思われる感慨を詠んで、納得感の
 ある歌と思います。「日頃と違い」に実感が籠っています。
 追加された二首目の歌は、病をおして詠んで頂きました。あれほどの炎暑の夏も
 過ぎ、立冬ともなれば暦通りの「凍える寒さ」となる、その実感がリアルに
 詠まれて共感を誘います。
 作者の歌いぶりは、さりげなく詠みながらもポイントをしっかり押さえ、しかも
 詩情も滲む手堅い歌と感じます。

【詞書】幼なじみが亡くなった事を人づてに知りました。三首出詠します。
☆朋友の訃報届きて 見上ぐれば 冬天澄みて 青極めけり
☆中学の渡り廊下に 飽きもせず 恋の話を語りし友よ
☆残照の下校の道に 椿咲き 恋の話の引きも切らずに
                          みっちっちさん
【解説】
 三首とも、「幼なじみの朋友」への、心の籠った挽歌と考えます。
 「朋有り遠方より来る、また楽しからずや」という孔子の言葉を引用するまでも
 なく、相互に信頼しあい、心置きなくつき合える友だちはいくつになっても大切な
 存在ですね。そんな方の訃報に接しての心情を、拝察しております。
 一首目の歌について、少し、内容に触れますと、冒頭の「朋友の訃報届きて」と
 いう句が、友人の訃報を聞いたという状況を簡潔に表現し「見上ぐれば」という
 句が、友人のあまりに早い死を受け入れることができず、天を仰いで悲しみを
 噛みしめている様子が詠われています。「冬天澄みて」でも、冬の澄み切った
 空の様子を表現し、その澄んだ空が、友人の死を受け入れられない心情を象徴して
 いるようにも感じられます。
 さらに、「青極めけり」という結句は、青く染まる冬の澄み切った空の色を表現
 しつつ、友人の死を悲しみながらも受け入れ、その死を悼むという心情への変化を
 表しています。この歌は、友人の訃報接したときの悲しみと喪失感を、冬の澄み
 切った空の様子に仮託して、情感豊かに表現した挽歌と考えます。

【詞書】妹の娘(姪)は発病から回復することなく3人の子どもを置いて旅立ち
  ました。50代の若さでした。自分より若い人が先に逝くのは理不尽と、かえす
  がえすも残念でした。今年も姪の大好きだったコスモスが満開でした。
☆娘(こ)を亡くした妹の嘆きを如何にせむ 嗚咽の電話聞き取り難し
☆秋雨の弔問ましてや姪ならば涙に迷う山科の道
☆妹は足取り危うく帰りゆく風になびけるコスモスの道
                          夕庵さん
【解説】
 詞書にもありますように、「自分より若い人が先に逝くのは理不尽」であり、
 まして妹さんの娘さんであれば、その理不尽さは悲しみを通り越して怒りさえ
 湧く想いであることは察するに余りあります。
 挽歌を詠むには未だ生々しく、想いを整理できないことはお察しいたしますが、
 いずれの歌も、惑いなく詠いきっていることに作者の芯の強さを感じました。
 二首目の歌についてですが、姪御さんの葬儀に参列したときの悲しみと喪失感が
 情趣深く表現されています。
 秋雨の降る中での弔問という状況を簡潔に表し「ましてや姪ならば」という句が、
 姪御さんの死に対する悲しみと喪失感を、さらに強調しています。
 また、「涙に迷う山科の道」という句が悲しみに打ちひしがれ、道に迷ってしまう
 ような、喪失感の深さを表していると考えます。悲しみと喪失感を、秋雨の情景を
 借りて、繊細かつ趣き深く表現した優れた歌と考えます。

     「咲く継ぐ コスモス」

【詞書】昨日は次男の子供二人の七五三のお祝いのため、神戸に出向いており
  ました。この次男は、上の二人よりも10年ほど後で生まれましたので育てる
  のも大変でした。が、こうして結婚をして孫もふたり見せてもらうことが
  できて苦労が報われた気持ちです。その上、結婚後八年目にして家まで手に
  入れた次男は立派な親孝行をしてくれました。自慢話めきますが、最近は
  死ぬほど嫌なこともありましたから、あえてそれらを歌にして詠いました。
☆ひ孫とも思へる孫の七五三おそく生まれた次男の子らは
☆いやなことありても孫の顔見れば悲しみも消え生きむと思ふ
☆子の買ひし家は広くて交通の便がよろしく喜ぶわれら
                          suisenさん
【解説】
 お孫さんの七五三のお祝いに出向いた際の作者の喜びと、誇らしさが率直に
 詠まれた三首の歌は、いずれも微笑ましい良い歌と感じます。
 我が子と、さらにお孫さんの成長は何よりもうれしい事と思いますし、それを
 素直に表現できる状況は喜ばしいものと考えます。
 二首目の歌は、お孫さんをもつ多くの方の共通の想いと思います。子供たちの、
 また孫たちの生命力にあふれた笑顔は、諸々の悩みや、悲しみも瞬時に消し
 去る魔法の力を秘めていると感じます。それが例えひと時のものであっても、
 それに力を得て「もうひと踏ん張り」の決意を促す、十分な活力となると
 感じます。そんな想いを湛えた味わいのある歌と考えます。

【詞書】いつも行く公園の散歩道にポツンと一脚だけの椅子があり、苔むした
  この椅子に誰か座るだろうか?などと思いながら通り過ぎる私です。
✩誰を待つ、 ポツンとひとつ
  椅子一つ
    木洩れ陽ひかる 枯葉舞う道
✩公園の 木洩れ陽そそぐ
   川沿いに
     蒼苔かぶる 椅子一つあり
                          クロママさん
【解説】
 二首の歌は、何れも甘楽公園への散歩道を詠まれたものと拝察致しますが、
 紅葉の下で楽しく散歩する、クロちゃんとの日常が思い浮かぶ、ほのぼの
 とした良い歌と思います。
 二首目は、写生がリアルで情景が鮮明に浮かぶ、すっきりとした歌と考えます。
 一首目の「ポツンとひとつ椅子一つ」は韻を踏んでリズミカルではありますが、
 「ひとつ」の繰り返しが少し気になります。
 このように詠みなおしてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★誰れ待つや 苔むす椅子に 枯れ葉舞い
        いざなうように 揺れる木漏れ日

【詞書】開かずの踏切
☆君に言う言葉も忘れちまった
    開かずの踏切を待つ間に
【詞書】夏のおもいで
☆ポシェットに仕舞いこんだ潮騒
   時々取り出す
      あの日のおもいで
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一度に4首考えていて、結局1首も出来ず、以前作った短歌を投稿します。
 以前は、思い付いたまま、三十一文字になりましたが、今は考え過ぎなのかも
 知れません。
 ただ、踏切を待っていただけ、三浦海岸の浜で貝殻を拾っただけでしたが。
【解説】
 かつて、バブル期の三浦海岸は浜辺一杯に広がる海の家と、海水浴客に埋まって
 いましたが、今は真夏でも、比較的静かな海を楽しむことができます。貝殻も
 桜貝を始め比較的豊富で採集には適した海岸でもありますね。
 二首目の歌は、そんな三浦海岸での思い出を詠った歌でしょうが「ポシェットに
 仕舞いこんだ潮騒」の表現が秀逸と考えます。
 また、この歌は、海という自然の要素とポシェットという人工の物を対比させて、
 思い出と現実の間の距離感をさりげなく表現していますね。さらに、潮騒という
 音をポシェットに入れるというロマンチックな発想を促す、心憎い表現と感じ
 ました。「あの日のおもいで」というのは、具体的に何をしたのかは明かされて
 いませんが、恋人あるいは友人との楽しい時間だったのかも知れません。物語
 の広がりを感じさせる味わいのある歌と考えます。

     「横須賀走水海岸からの 白銀の富士山 2023年11月14日撮影」

【詞書】東日本の11月の記録的な暑さが…とか言ってたら、立冬前の7日には都心で
  27.5℃を記録したとか。最高気温を100年ぶりに更新したとか…。立冬の8日は
  富士山の山頂に雪が無い!思わずテレビを二度見しました。10月30日頃は
  山頂が冠雪してたのに…。何でも、6~7日にかけては山頂に雪ではなく雨が
  降ったそうな。こういう目に見える気象の異変を見逃さずにいないと
  いけませんね。国同士にらみ合っていたり、争ったりしてる場合じゃないと
  思うんですが…。
☆温暖化 衝撃映像 立冬の 富士の高嶺に雪は溶けたり
                          ちがやねこさん
【解説】
 今回の歌、「温暖化」問題は、まさに喫緊の課題である旨を、リアルに詠んで
 頂きました。「こういう目に見える気象の異変を見逃さずにいないと…」は
 おっしゃる通りですね。「○○は細部に宿る」ではありませんが、一つ一つの
 具体的な事象の裏にある、真実を見極める眼差しと、感性を私たちも鍛えて
 いきたいと思います。さらに、「国同士にらみ合っていたり、争ったりしてる
 場合じゃない」のも事実ですね。
 詠まれたように「立冬の 富士の高嶺に雪」がない映像は、「衝撃映像」 です。
 私たちも、これらの事象に敏感にならないといけないと考えます。警句を含んだ
 良い社会詠と考えます。

☆埋火のほむらに似たる帰り花 惑える季(とき)の ほころびに咲く
                         ポエット・M
【解説】
 先週に続いて「帰り花」について詠ってみました。
 晩秋の森の中で北風を受けながら、季節に惑いながらもなお、咲き継ぐ山桜の
 「帰り花」を詠ってみました。埋もれ火が微かにほむらを上げるように、儚さを
 まとう花でありながら、凛と咲く芯の強さに惹かれます。
 「帰り花」は視点を変えてみますと、季節に惑って咲くと言うより、いち早く
 訪れる季節の予兆を感じ、「先駆けて」咲く花とも言えます。
 どんな時代にも、その時代の潮流を洞察し、やがて来る時代を先読みし、いち早く
 その流れに身を投ずる、龍馬のような先駆者が存在します。少し大げさですが、
 「季(とき)のほころびに咲く」と詠い、そんな姿を「帰り花」に重ねてみました。


     「帰り花 山桜」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(16)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
4.「短歌の章」 秋拾遺(8)

   宍道湖をめぐる山なみ雲深く
           わが行く旅に秋の雨降る
            
   あしたより時雨煙らふ宍道湖に
           しじみ取る舟掉さして出づ

   人の世の いさかひなどは遥けくて
           水は静かに雲を映せり


     「未だ咲く 西洋アサガオ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (17)
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)

2023年11月15日 06時02分47秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「薔薇 アイスバーグ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆突然の眩暈を起し思うのは 日頃と違い「一に健康」
                         西BOOさん
★迫力の風と波との渦潮をゆれながら見た遠い秋の日
                         夕庵さん
★温暖化 「台風来るぞ」思えども 少ない事も異常気象か
                         西BOO
★温暖化のツケで地球が軋みだし 人が狂えば熊も狂いぬ
                         夕庵さん
★熊の保護 生活圏に降りて来て 人の命を保護する時ぞ
                         西BOO
★テディベア 親子のベストが似合ってる 今日はちょっぴり淋しそうなり
                         夕庵さん

☆真夜中に電気あんかの線入れる 凍える寒さ今日は立冬
                         西BOOさん
★いずくより聞こえる音の不気味さや 家も呼吸(いき)する真夜中のこと
                         夕庵さん

☆朋友の訃報届きて 見上ぐれば 冬天澄みて 青 極めけり
                         みっちっちさん
★今日の日を悔いなく過ごすと務めよう 人の命のわからぬならば
                         夕庵さん
★今日の日の悔ひも涙も流さむと ざぶりざぶりと髪を洗はむ
                         みっちっちさん
★増えてきた白髪も愛しこれからは このままでいい あるがままいく
                         夕庵さん
★ピアスなく化粧もなくて 我が日々は 笑顔取り柄のスポーツウーマン
                         みっちっちさん
★いつも会う笑顔素敵なあの人は三人の子のシングルマザー
                         夕庵さん

☆残照の下校の道に 椿咲き 恋の話の引きも切らずに
                         みっちっちさん
★あと一歩踏み出せぬまま過去形の 恋の話は切なかりしよ
                         夕庵さん
★言い出せぬ恋よ 下校の靴置き場 君を探せし切なき日々よ
                         みっちっちさん
★一足の 眠れるごとき重き靴 心模様を映す下駄箱
                         夕庵さん
★純粋に恋に恋した若き日のテニスコートは今も健在
                         夕庵さん
★若き日のテニスコーチへの憧れは 自己に厳しきことへの憧れ
                         みっちっちさん
★なかなかに厳しきこと自問する 昨日の言葉に自信を持ちて
                         夕庵さん
★スポーツの向上なるは なかなかに 一歩一歩の はるかなること
                         みっちっちさん
★何事も努力あっての前進と墨擦りはじむ朝のひととき
                         夕庵さん
★卓球のラケット見れば傷多く そつと拭きたる朝のひととき
                         みっちっちさん
★晩秋の冷えゆく夜は古傷も疼くことあり 腰に手をあて
                         夕庵さん

✰一足の眠れるごとき重き靴 心模様を映す下駄箱
                         夕庵さん
★見上ぐれば こころ模様を映すやに 彼(か)のかなたへと彩雲走る
                         みっちっちさん
★彩雲を病窓に見た君にこそ 全快の日はきっと近いと
                         夕庵さん
★高台のこども病院 無菌室 窓辺の虹に喜ぶ子らよ
                         みっちっちさん
★窓ガラス キュッキュッと磨き遠くまで見渡す稲田に風ふき渡る
                         夕庵さん

     「木守りの柿」

☆美しき背信なるや帰り花 日差しに火照る 我がこころさえ
                         みっちっちさん
★許されぬ背信なれどこの恋に 生きてもみたし今生の夢
                         夕庵さん
★この恋は許されぬもの 花ならば 狂咲きとて もてはやさるる
                         みっちっちさん
★人間の理性を信じ生きる術 ひとつの恋の成就こそよし
                         夕庵さん
★月光の下に誓ひし愛 永久に 続けよ 月の欠けてゆきても
                         みっちっちさん
★月明かり かざすグラスの乾杯に今年も会えた それだけでいい
                         夕庵さん

✰秋雨の弔問 ましてや姪ならば涙に迷う山科の道
                         夕庵さん
★大切な方亡くされた悲しみよ かなたの空へ虹を届けむ
                         みっちっちさん
★架けくれし虹を渡って涙川 今し越えゆく姪にしあれば
                         夕庵さん
★戻り橋に戸惑ひつつも虹渡る その白き顔 今し忘れず
                         みっちっちさん
★堀川の戻り橋に佇みて 待つ人 行く人 ドラマを生まむ
                         夕庵さん

☆裸木の河津桜の帰り花 楚々たる花は風に真向かう
                         ポエット・M
★美しき背信なるや 帰り花 日差しに火照る 我がこころさへ
                         みっちっちさん
★帰り花 惑いて咲くも己が命 火照り遥かに闇に散りゆく
                         ポエット・M
★かりそめの命なるやも 帰り花 咲き増ゆることかなはずもなほ
                         みっちっちさん
★かりそめの命なれども 帰り花 実り求めずなおも咲きつぐ
                         ポエット・M

☆裸木の河津桜の帰り花 楚々たる花は風に真向かう
                         ポエット・M
★愛犬は潮風うけて砂浜に 毛並み逆立て凜と立ちおり
                         夕庵さん
★潮風に毛並み逆立て愛犬は なに真向かうや 虚空見つめて
                         ポエット・M
★潮風に鍛えた漁師は腕組みし天候いかにと虚空を睨む
                         夕庵さん

☆帰り花 惑いて咲くも己が命 火照り遙かに闇に散りゆく
                         ポエット・M
★闇深く散りし恋ゆえ誇らしき しみじみ語る傷秋の夜に
                         夕庵さん
★実らずに散りし恋ゆえ今もなお 秋愁に淡くよみがえりくる
                         ポエット・M
★晩秋の風が身にしむ夜の更けに 人恋しくてアルバムを繰る
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「陽だまりに未だ咲く 芙蓉」

【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
 皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
 その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
 場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
 その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
 残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
 そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・

★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
 いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
 頂きありがとうございます。
 短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
 よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
 喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
 その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
 歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
 fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
 そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
 方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
 これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
 お寄せ頂ければ嬉しい限りです。

【運営にあたって】
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                     了

コメント (38)
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