四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111)

2023年11月29日 05時17分29秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 湘南ファンタジー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年11月13日から17日までの「世界文化紀行」短歌より3首選択しました。
註)歌川広重「江戸百景 する駕てふ(駿河町)」より
☆賑わいは富士がそびえる駿河町 越後屋商い現銀掛け値なし
註)チューリップファイナルコンサート「エジプトの風」より
☆織りなすは光と影の物語 熱い風の中スフィンクス笑う
註)日本の祭り「甲府えびす講祭り」より
☆えびす講赤飯炊いて内祝い 華々しくも花火打ち上げ
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回も、「世界文化紀行」短歌より3首を選定して頂きました。
 「歌川広重・江戸百景」「チューリップファイナルコンサート」「甲府えびす講」
 と、異なったテーマですが、テーマごとのポイントをしっかり把握され手堅く、
 分かりやすい「紀行短歌」となっていると考えます。
 特に、一首目の歌に触れてみたいと思います。
 「越後屋」は、呉服店として「現金掛け値なし」の商法で当時の商慣習を覆す、
 革新的経営を貫きました。掛け値なしというのは手数料はとらず、値引きなどを
 しないで、正直に商いをすることを意味しました。
 この歌は、歌川広重の絵から連想し、駿河町の賑わいや富士山の美しさを背景に、
 越後屋の信用と誇りという商いの姿勢を端的詠い、味わいのある歌と考えます。
 当時、長く続く商習慣を改めることは、多くの困難もあったことと思いますが、 
 越後屋の改革の裏には、その身代をかけた「意気」があったのではないかと
 類推して詠ってみました。
 これは史実ではなく、歌詠みの一人としての私の想像です。ご批判もあろうかと
 思いますが、歴史の一齣へ想像で分け入る面白さに挑戦して詠って見ました。
【ご参考】
 ★富士を背に賑わい続く駿河町 意気の越後屋 正直商い

【詞書】相当、状態が良くなってきたのですが、まだ上を向く写真が撮れないので、
  紅葉が治癒を待って散らないでいてくれればという希望の気持ちを込めて
  詠ませて頂きました。
☆上を向く写真が撮れず紅葉の葉が治癒を待ち散らざりしかも
【詞書】植えてもいないサザンカが庭に咲き、年の瀬の庭の締めになりそうだと
  思い詠ませて頂きました。
☆あら不思議植えてもしないサザンカが 年の瀬の庭白花(はくか)で締むる
                          西BOOさん
【解説】
 一首目は、写真家としての切実な願いですね。一日も早い御回復をお祈り致します。
 二首目は、白いサザンカが咲き始め庭の点景として、その存在感を増していますが、
 その様子を「白花(はくか)で締むる」と表現し、歌の印象を深めています。
 なお、この歌の良さは、「あら不思議」という句で始まることで、私たちの興味を
 引きつけるところだと思います。また、「植えてもいない」という句で、サザンカ
 が自分の庭に偶然咲いたことを強調していますが、鳥さんたちの粋な贈物かも知れ
 ませんね。
 サザンカは「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」などの花言葉を持ちますが、寒い冬に
 美しい花を咲かせるサザンカの姿に、自然の力や生命力を感じるということも暗に
 伝える良い歌と感じます。

【詞書】寒い冬が来ても、動物たちは生きていきます。
☆まほろばの山冬めきて けものらは命抱(いだ)きて丸く眠れり
☆珈琲を啜る窓辺にふくふくと 転がるやうに寒雀二羽
☆暁光の狭庭に集ふ色鳥よ 我が家の米に恙(つつが)なくあれ
                          みっちっちさん
【解説】
 夏の炎暑による「どんぐり」の不作も地球温暖化のひとつの現象でしょうが、
 けものたちにとっては死活問題ですね。このため、熊たちの人里への出現が問題と
 なっていますが、彼らも子育てもあり必死になっていることが分かります。
 詞書のように、寒い冬が来ても「動物たちは生きていきます」ね。そんな想いを
 込めた三首の歌は、何れも動物たちの命に寄り添う優しさを秘めた歌と鑑賞させて
 頂きました。
 一首目の歌は、冬の寒さに耐えるけものたちの姿が優しく表現されています。
 なお、「まほろば」とは、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の
 古語で日本の国土や奈良県などを指すことがありますね。
 この歌では、「まほろばの山」という句で、美しい自然につつまれて、けものたち
 が体温を保つために身を寄せ合ったり、丸まったりして眠っている様子が表現
 されています。
 さらに、「命抱きて」という言葉には、けものたちの生命力や生きる意志を感じ
 させる力強さがあり、そこに想いを寄せる作者の温かな眼差しが、感じられます。
 冬の寒さと、けものたちの温かさという対比を表現し、歌を印象深いものに
 しています。

【詞書】バスツアーで琵琶湖南の善水寺、鶏足寺、マキノのメセコイアの並木道を
  めぐり、今年の秋を満喫してきました。
☆時雨うけ楓は艶めく葉を散らし 古寺の階(きざはし)朱く染めゆく 
☆黄葉のメタセコイアの並木道 音立てて鳴る湖風強し           
☆トンネルのメタセコイアを仰ぎ見る ゆれる狭間に冬の陽ひかる
                          夕庵さん
【解説】
 バスツアーで琵琶湖南の善水寺、マキノのメセコイアの並木道をめぐり、秋を
 満喫してこられたとのこと。三首の歌は満喫した「秋」が、詩情豊かに詠まれて
 いて、その場に誘われる思いです。
 一首目の歌は、時雨と楓の葉の美しさ、そして古寺の趣を巧みに表現しています。
 「楓は」ではなく「時雨うけ楓は」と表現することで、時雨が楓の葉の艶めきを
 より引き立てています。「古寺の階」は、楓の葉の散りゆく場所を特定しており、
 歌に物語性を持たせています。さらに、「朱く染めゆく」は、楓の葉が散り落ちて
 古刹の階を染めていく様子を、静謐かつ幻想的に表現し、時間の経過と変化も
 感じさせています。
 全体的に、言葉選びや表現が巧みで、情景が鮮やかに浮かび上がってきますし、
 時雨と楓の葉の美しさ、そして古寺の趣を、簡潔ながらも印象深く表現している
 点も秀逸です。
 二首目、三首目に関連し、ブログを拝見させて頂きました。マキノピックランドの、
 全長約2.4kmにわたる500本のメタセコイアのトンネルは圧巻ですね。圧倒され
 ながらも「湖風強し」「冬の陽ひかる」の情景を詠みきる、詩人としての目の
 確かさを感じました。

     「染まり始めた モミジ」

【詞書】先週短歌結社の校正のために京都に出向きました折に詠みました3首です。
  校正の始まる前に嵐山の紅葉を見に行きましたが、どういうわけか今年の
  紅葉は色が鮮やかではありませんでした。校正が終わってから京都御苑の紅葉
  も見に行きましたが、やはり例年のようではありませんでした。これは今年の
  異常な暑さが影響したのかと思わせていただきました。その日の校正は評論文を
  させていただいたのでしたが、なかなか面白いと思いながら読ませて頂いて
  いると偶然隣席がその評論を書いた青年でした。
☆嵐山、京都御苑と行きしかどいづれの紅葉の色もくすみて
☆この夏の異常高温もみぢにも及びてをらむ色くすめるは
☆有望な青年歌人と知らぬままその評論の校正をしつ
                          suisenさん
【解説】
 短歌結社の校正のために京都に出向かれたとのこと。このように日々献身的に
 活動される方のご尽力で、結社の短歌誌の発行も滞りなく行われていくものと
 思います。
 一首目、二首目の歌は、今年の京都の紅葉を美しいと愛でるのみでなく異常気象
 との関りも含めて詠んで頂きました。
 特に、二首目に触れてみたいと思います。この歌は、気候変動による夏の暑さが、
 秋の紅葉にも影響を与えているという現実を、哀愁と少しアイロニーを込めて
 表現しています。もみぢは、秋の京都の季節感を象徴するものですが、その色が
 「くすめる」と詠い、鮮やかさを失いくすんで見えることを、心を痛めつつ冷静に
 表現しています。このように、この歌は自然の美しさや豊かさが、このままでは
 失われてしまうのではとの、気候変動に対する警鐘を静かに鳴らしているとも
 言えます。
 三首目で詠われた青年歌人は、結社にとっても、短歌界にとっても希望の灯ですね。
 大いに期待して参りましょう。

【詞書】YouTube短歌 歌姫
☆歌姫は早すぎた
 ばどぢずでじどだ
 ぱりっぱ ぱりっぱ
 ブギとブルース
                          自閑さん 
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 たまたま、NHKの朝ドラの笠置シズ子の歌う「ラッパと娘」を見て驚愕しました。
 この回は、若い人にも受け、バズっているとか。昭和14年の歌との事。
 一方ライバルの淡谷のり子は、昭和11年「おしゃれ娘」を歌っています。
 共に戦中は、敵性歌曲として弾圧されているそうです。
 服部良一は、両歌姫に歌を提供しています。
 笠置シズ子は、戦後の東京ブギ、淡谷のり子は、わかれのブルースで有名だが、
 戦前にこんな最先端の歌を歌っていた事に驚きました。21世紀の今風。
【書き忘れ】自閑さんご自身の追記です。
 主演の趣里さんはどんな人かと調べたら、水谷豊さんと伊藤蘭さんのお子さん
 だとか。蛙の子は蛙ですね。以下URLに、三人の歌姫のYouTubeを貼り付けて
 おりますので、お聴き戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/6d4035006a5b325a1d18e443e688a201/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
【解説】
 短歌説明にありましたように、NHKの朝ドラの笠置シズ子の歌う「ラッパと娘」
 の曲は、若い方々はもとより、私たちが今聞いても、十分に新鮮な曲ですね。
 当時でも、トランペットの哀調あふれる音色に、笠置シズ子の絶叫にも似た歌声が
 絡み、戦前のジャズとは思えない斬新さですね。
 また、この曲は、戦争に突き進む沈みがちとなる当時の日本の世相に活気と希望を
 与え、笠置シズ子の歌声とともに多くの人々の心をとらえたものと考えます。
 詠われている「ばどぢず でじどだ」は、ホットなスキャット、シャウトする
 歌声で観客は魅了されたものと考えます。
 しかし、昭和10年代と言う時代背景を考えますと、詠まれていますように
 「早すぎた」感は否めません。しかし、当時の人々の鬱屈した心に響く素敵な
 曲で
あったと思っています。良い歌、曲は時代を超えて人々の感動を誘い共感を
 呼ぶものと、この歌から教えられ
ました。
 これからも、このような挑戦的な歌を詠まれることを、希望したいと
思います。

【詞書】暖かい冬のようです。各地、モミジが本当に綺麗な季節、いつものクロとの
  散歩でも真っ赤なモミジを見つけました。そして、先日行った軽井沢・雲場池が
  なんて『キレイ!!』
☆赤々と 燃えるモミジに
    抱き上げて
  クロと見上げる 夕映えの空
☆雲場池 燃え立つモミジ
    逆さ絵に 水鳥泳ぐ
  夕映えの波
                          クロママさん
【解説】
 軽井沢は雲場池、タリアセン(塩沢湖)等を始め紅葉の名所のオンパレード
 ですね。中でも、雲場池は紅葉が池面に映り絵になる
風景が随所に見られますね。

 そんな風景を詠んだ二首の歌は、愛犬のクロちゃんとの微笑ましい姿も表現され
 明るく、爽やかな歌になっています。

 一首目の歌を、「もみじ」を主格にして詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】

 ★抱き上げて クロと見上げる 夕空に
        くれない燃える もみじ葉のなみ

     「ピラカンサの実」

【詞書】11月23日に、前代未聞、史上初の試み、神戸三宮と大阪御堂筋で
  阪神タイガースとオリックス・バファローズが“同時”パレードを行いました。
  私はテレビで中継を見ていましたが、もの凄い人出で、人人人の波なのを見て
  「うひゃあ~」と言うばかりでした。…正確には「良かったなあ~」と「凄いなあ~」と
  「うひゃあ~」でしたが…。オリックスさんは日本一の時にパレードやってたりする
  からまあ、経験ある選手も居てはったようですが、タイガースは’85年の時でも
  パレードは無かったそうなので(私はうっかり“あった”と勘違いしてましたが…。
  あの時難波の書店でバイトしてたんですが、御堂筋を大勢のファンが行列しては
  いたと思います。…聞こえてましたし…)’85年のV戦士の平田コーチも初めて
  やったんでしょうね、めっちゃはしゃいではったのが何か微笑ましかったです。
  バファローズの皆さんも「二都スイッチ」のパレードは初で、お疲れだったかも
  知れませんが楽しそうで、こちらも嬉しくなりました。何にせよ良い天気で何より
  でした。できれば又見たいなあ…。
  そしてサッカーでもヴィッセル神戸の優勝!今年は兵庫県に縁のあるチームが
  強いですね!
☆ご覧アレ!堂々パレード虎戦士
      猛牛戦士も笑顔で手を振る
☆トラファンとバファローズファンの大移動 
      神戸・大阪 二都物語
【詞書】11月上旬にISS(国際宇宙ステーション)のクルーさんが船外活動中に
  うっかりツールバッグを「落として」(手を離れて)しまったとか。一時は紛失と
  いうか行方不明になったらしいんですが、のちにISSの“前”を飛んでいることが
  判明。将来的には(地球の引力に引かれると思うんですが)地球に落ちて燃え
  尽きるとか。何でも“6等星に相当する明るさ”でISSの前方にあるのが、
  地上からでも(双眼鏡を使えば)見えるそうです。12月2日から(だったはずですが)
  また日本でISSが観測できるそうなので、“道具袋”を見るのをトライしてみようか
  と思ってます。(😁)まあ、スペースデブリにならずに済みそうで良かったです。
  「プラネテス」というアニメではないですが、早いとこ国連とかがスペースデブリ
  処理の施設を作るとか考えたほうがいいと思いますけどね…。
☆ISSのクルーがうっかり「落とした」る
       バッグも地球軌道を回る
                          ちがやねこさん
【解説】
 今回は、虎戦士、猛牛戦士の「二都スイッチ」のパレードと、ISSのこぼれ話を
 ワクワク感と共に、レポート的にしっかりと詠んで頂きました。
 一首目、言うまでもなくこの歌は、阪神タイガースとオリックス・バファローズの
 優勝パレードを詠んだものであり、2つのチームの選手が堂々とパレードする様子と、
 笑顔で手を振る選手の様子が、そのまま素直に表現され、共感を誘います。
 2つのチームの優勝を喜び、祝福する作者の思いがストレートに伝わり、リズム感も
 あり、良い歌と思います。「ご覧アレ!」の一句の表現が利いていますね。
 二首目は、ファンの大移動も含めて「二都物語」の表現は秀逸と思います。
 三首目は、ISSのクルーさんの不注意とは言え、「小さな衛星」が生まれた
 微笑ましい話ですね。大気圏突入の際燃え尽きることは分かっても、要注意の
 存在ですね。ISSを眺める際に、新たな視点も提供して頂き、興味深い歌と
 なっています。

☆舞い散るも もみじは既に色うせて 炎暑のなごり無惨にとどめ
                         ポエット・M
【解説】
 秋の遅いと言われる湘南地方ですが、ようやく紅葉に染まる季節となりました。
 このモミジ等はいつもの季節であれば、欅の黄葉とのグラデーションをなし見事な
 景観を見せてくれます。しかし、今年は夏の炎暑の影響でしょうか、くれないに
 染まらず既に枯れ葉となり、くすんだ色のままに散っていきます。
 一見、美しい風景を想像させる「舞い散るも もみじ」という表現ですが、
 次の句で「既に色うせて」ということで、その美しさはすでに失われていることを
 詠ってみました。
 そして、結句で「炎暑のなごり無惨にとどめ」と詠い、夏の炎暑の影響で紅に
 染まることなく、枯れて落ちていく「もみじ」の無惨を表現してみました。
 また、この歌は、一句目の「舞い散る」の動きと、二句目の「既に色うせて」の
 静けさとの、「動と静」の対比を強調してみましたが、狙いすぎでしょうか。


     「ホトトギスの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(18)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
5.「短歌の章」 友の葬り(1)

   時の間を耀き去りし人ありて
           秋落莫と陽はかたぶきぬ
            
   昭和史を生き残り来し我らなれば
           おのもおのもに証言のあり

   年ふればまさしく一期一会なり
           たまきはる命惜しめと告げぬ


     「風に揺れるススキ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111)ネット歌会

2023年11月29日 04時51分10秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 ジャルダン・ドウ・フランス」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆上を向く写真が撮れず紅葉の葉が治癒を待ち散らざりしかも
                         西BOOさん
★ほどほどのしあわせがよい 上見てもシャネルのバッグは不釣り合いなり
                         夕庵さん
★カメラ画素 上には上でキリが無し 低画素もまた味わい深し
                         西BOOさん
★低画素の写真アップの恥ずかしさ 下手の横好きデジカメなれば
                         夕庵さん
★本当はフィルム写真好きなのに 単価値上がりもう手が出せぬ
                         西BOOさん
★毎日の値上げの連鎖に閉口し 生きてゆくのもほとほと辛し
                         夕庵さん
★インフレで年金受給者困るのに なぜ看板が「デフレ脱却」
                         西BOOさん
★行列は何かと思えば風のなか ATMに並ぶ高齢者なり
                         夕庵さん

☆まほろばの山冬めきてけものらは命抱きて丸く眠れり
                         みっちっちさん
★猟犬は熊を追い立て吠えながら山へと返す仕事をこなす
                         夕庵さん
★街角の風にさざんか香り ふと 盲導犬を停めたる主よ
                         みっちっちさん
★長い髪ゆらして街を行く人よ 男か女か もはや思わず
                         夕庵さん
★さざんかの香の移りしや 黒髪を かき上ぐる 背に もの思ひたり
                         みっちっちさん
★咲き出した白い山茶花ほのほのと 薄紅の縁にじませており
                         夕庵さん
★ひたむきに寒さに耐へて山茶花は 我が市の花として咲き誇れり
                         みっちっちさん
★コスモスは可憐に秋を彩りて わが市の花と知ればなおさら
                         夕庵さん
★港から夜の六甲見渡せば 市章と錨 煌々と灯る
                         みっちっちさん
★鎮魂と平和を祈るルミナリエ 神戸の街は光の回廊
                         夕庵さん
★折り鶴に平和を祈る日本の 心よ今し世界へ届け
                         みっちっちさん
★折り鶴を園児に教える婆ちゃんの お国なまりを懐かしく聞く
                         夕庵さん
★京訛り 懐かしく聞く冬の駅 たはむれに ああ おしゃべりせし日よ
                         みっちっちさん
★あの人はふるさと訛りを気にもせず 笑いに変える人気者なり
                         夕庵さん

☆暁光の狭庭に集ふ色鳥よ 我が家の米に恙なくあれ
                         みっちっちさん
★渡り鳥旅の疲れを休めるか湖(うみ)のさざなみゆりかごならむ 
                         夕庵さん
★夕暮れの伊根の舟屋の灯は揺れて さざなみ超へて小舟帰りぬ
                         みっちっちさん
★夕凪の磯釣船は一艘の墨絵となりて ぼうと動かず
                         夕庵さん
★あけぼのの山にたなびく薄雲のひかりはぼうと墨絵めきたり
                         みっちっちさん
★秋の夜の月は雲居に閉ざされて泪のあとは誰がのみぞ知る
                         夕庵さん
★我が頬の泪のあとは冬の月のみぞ知るやも 震へし我が身も
                         みっちっちさん


     「未だ陽だまりに咲く ブーゲンビリア」

☆トンネルのメタセコイヤを仰ぎ見る ゆれる狭間に冬の陽ひかる
                         夕庵さん
★廃線の残る真暗きトンネルを 抜けて もみじの山道ゆかむ
                         みっちっちさん
★廃線にトロッコ列車 秘湯へと紅葉ただ中 山狭いの里
                         夕庵さん
★もみぢ葉のひとひら舞ひて トロッコの 子らの笑顔の咲く嵐山
                         みっちっちさん
★記念にと拾いしもみじ葉 紅の押し花つくり栞にせんと
                         夕庵さん
★賀茂川の土手に四葉のクローバー 君と見つけて栞にしたり
                         みっちっちさん
★読みさしの本には旅の栞あり今夜は何処の旅人ならむ
                         夕庵さん
★遠き日の旅の夜風に栞さし 今手にとりて旅のあれこれ
                         みっちっちさん
★新緑と黄葉の季(とき)に訪れし上高地こそ旅の醍醐味
                         夕庵さん
★わくわくとするは短歌の醍醐味よ 返歌重ねる楽しさ覚へ
                         みっちっちさん
★機知のある返歌に釘づけわれもまた時間忘れて応える一首
                         夕庵さん
★ひようひようと藤井八冠 勝利せし その身に機知と情熱秘めて
                         みっちっちさん

☆滅びにもあらがひ燃ゆるもみじ葉よ 森の夕映え その身に集め
                         ポエット・M
★悴みにあらがひ燃ゆるもみじ葉は 母の胸なる子の手の温み
                         みっちっちさん
★母の胸 もみじに似たる手をそえて 眠る幼子なにを夢見る
                         ポエット・M

☆母の胸 もみじに似たる手をそえて 眠る幼子なにを夢見る
                         ポエット・M
★一枚の写真は母に抱かれて手にえくぼあるわたしの記憶
                         夕庵さん
★遥かなる母のみ胸にいだかれし 記憶さますや吾子(わこ)抱く妻に
                         ポエット・M
★はじめての大地踏みしむ吾子なるを映写機まわしし夫(つま)の記憶よ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「ツワブキの花」

【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
 皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
 その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
 場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
 その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
 残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
 そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・

★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
 いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
 頂きありがとうございます。
 短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
 よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
 喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
 その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
 歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
 fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
 そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
 方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
 これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
 お寄せ頂ければ嬉しい限りです。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (30)
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