四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)

2023年11月22日 05時24分14秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「小紫式部」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】神棚の真榊を購入したのですが、そのおまけに紙垂と紙が付いていて、
  その紙に「ほんのきもち」と記されていたことが、粋なはからいだと思い
  詠ませて頂きました。
☆真榊のおまけに附いた紙垂と紙 「ほんのきもち」と記されてあり
【詞書】薬の服用で相当状態はよくなったのですが。まだ、寝返りをしたとき等
  グルグル天井が回るので、次の二週、服用で完治するぞと思い詠ませて
  頂きました。
☆七日間服用するも完治せず あと二週にて完治をめざす
【詞書】大谷選手のMVP獲得は、「天は二物を与えず」なんて言葉は
  当てはまらないと思い詠ませて頂きました。
☆大谷のMVPで思うのは 天は努力で二物を与ふ
                          西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、「神棚の真榊」を購入した際に、そのおまけについていた紙垂に
 「ほんのきもち」と記されていたとのこと。その「粋」を詠んで頂きました。
 売り手の心遣いと、粋な計らい。それを粋と感じる作者、双方の心が通じ合った
 温かな歌と感じます。
 皆さんも、ご存知のように紙垂(しで)は、注連縄や玉串、御幣などにつけて
 垂らす、特殊な断ち方をして折った紙ですが、古事記の天の岩戸伝承のなかで
 既に書かれているとのこと。
 二首目の歌、未だ症状が続いている旨、お見舞い申し上げます。薬で治療可能と
 伺い、サロンの皆さんもホッとしていることと思います。「完治するぞ」との想い
 も大切ですが、くれぐれもご自愛ください。ただ、いつも前向きな作者の姿勢には
 私達も励まされる思いです。
 三首目の歌、この歌は、彼を知り、誇りに思うすべての人の、共通の想いでも
 ありますね。下の句の助詞を「努力に二物も与ふ」と少し変えて、「三物」以上
 への含みを持たせてみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★大谷のMVPで思うのは 天は努力に二物も与ふ

【詞書】23年10月23日から11月2日まで軽井沢の紅葉を撮影しました。
  名所ごとに紅葉を題材に詠みましたのでご指導願います。
 註)軽井沢プリンスホテルの紅葉
☆趣きはもみじ盆栽紅葉で 赤や黄色の芸術アート
 註)タリアセン(塩沢湖レイクランド)の紅葉
☆秋深し紅燃ゆる塩沢は 文豪愛す文化の香り
 註)八ケ岳倶楽部の紅葉」
☆八ケ岳豊かな自然散歩には 落葉松の木々秋のざわめき
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 京都同様に、軽井沢、八ヶ岳山麓も紅葉の名所には事欠きませんね。そんな
 スポットから、今回も厳選し、それぞれの紅葉を詠んで頂きました。
 二首目の歌、タリアセンの湖畔にある「睡鳩荘」は、軽井沢別荘建築史の中でも
 最上質のもので、昭和6年(1931)にアメリカ人ヴォーリズの設計により建てられた
 歴史的価値ある建造物とのことですね。この建物の所有者でもあった父から
 譲り受けた、フランス文学者、朝吹登美子はこの別荘を愛し毎夏この別荘を
 で過ごしたようですね。
 自然と調和し長い歴史の中で、軽井沢の良き伝統を守り伝えてきた文学者の
 魂と志。これらを「文豪愛す文化の香り」の句で簡潔に表現された歌は見事です。
 文豪を旧朝吹山荘の所有者、朝吹登美子に置き換えて詠んでみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★湖畔には もみじに埋まる睡鳩荘 魂 燃えいるや 朝吹登美子の

【詞書】私の父が亡くなったのは7年前の冬の夜です。寒い冬が来ると、
  可愛いがってくれた優しい父を思い出します。
☆父逝きし寒夜(かんや)の月を見上ぐれば 凍へんばかりに我が身震へし
☆亡き父の温き胡座に包まれて 可愛ひがられし 我 今もなほ
☆父と子の影重なりし肩車 夕焼けよ その 懐かしき歌よ
                          みっちっちさん
【解説】
 三首の歌、いずれも可愛がって頂いたお父様との思い出と、「寒夜の月」に
 結びつけられた哀しい別れを、しみじみと詠って頂きました。
 いずれも、静かで深い情趣を湛えた良い歌ですが、三首目のリフレーンが
 良いですね。
 「肩車」は、父と子の親密さや楽しさを表し、「夕焼けよ」という句は、一種の
 呼びかけとなっていますが、夕焼けに対する感嘆や慕情が伝わってきます。
 「その 懐かしき歌よ」という句は二人で聞いていた歌、あるいは作者ご自身が
 歌った「夕焼け小焼け」かもしれません。この歌では、何の歌なのか、という
 具体的な表現はされていませが、それがかえって私達の想像力をかきたてます。
 また、「その」という言葉は、父と子にとって特別な歌であったことを示して
 いるとも察しられます。
 このように、この歌は父と子の幸せなひとときを描きながら、同時にその儚さや、
 今は亡きお父様への追慕を感じさせる味わいのある作品と考えます。

     「白いさざんか」

【詞書】暑かった秋も短く冬は一気にやって来たようです。そのような一日を
  詠んでみました。
☆秋去りて冬の気配の濃くなる日 優しき小花のパジャマを縫いぬ
☆一輪の白いさざんか坪庭の 葉陰に咲きぬ立冬の朝
☆水曜日「短歌空間」に身をおきて歌詠むことはわが活力に
                          夕庵さん
【解説】
 炎暑の夏から、一気に冬となる、目まぐるしい気象の変化について行けない
 ものも感じますが、晩秋の何気ない一日を三首の歌で味わい深く詠んで
 頂きました。
 二首目の歌は、一見すると素直に白い山茶花を詠んでいるように感じますが、
 実は作者の今の心情を暗示しているとも感じますが・・・。
 例えば、一輪の白い花は、作者ご自身の清らかな心情を象徴しているとも
 感じられますし、坪庭の葉陰に咲くという表現では、喧騒から離れて静かに
 生きたいとの願いも読み取れます。
 これらから、この歌は、立冬の庭に咲く白い山茶花を通して、作者の願いや、
 祈りを表わしており、冬の寒さや孤独さに耐える人々にとって、心に寄り添う
 一首だとも考えます。
 三首目は、このサロンに集う皆さんの共通の想いと考えますし、そのような
 活力を高める「広場」を目指したいと思います。

【詞書】松島の瑞巌寺にて
☆地藏には紅葉を飾れ

    わたつみに
    沈みしひとを
 お救いねがうと
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一人で宮城の歌枕を訪ね、松島の瑞巌寺に行って来ました。あちらこちらに、
 東日本大震災の津波の傷跡が有りました。
 松島は、島々が防波堤の役割をして、大津波にはならなかったが、陸前、
 陸中は多くの人々が海中に没しました。
 多賀城市の末の松山は、でも波が越えなかったと
 古今和歌集の歌枕となり、当時の都人にも驚きで伝説となりました。
 東日本大震災でもその伝説は生きたが、津波は多くの地点で被害の
 傷跡を残しました。
 地藏菩薩は、六道に生きる衆生をお救いになる。地蔵に、お救いを
 祈念するしかないとその時思いました。
 本歌は、西行の
   佛にはさくらの花をたてまつれわがのちの世を人とぶらはば
 です。この仏を西行と解する訳も見掛けますが、亡くなった人を仏とするのは、
 法然の浄土宗もかなり経ってからで、西行時代には無かった概念。
 下二句の字余りで、3週間も悩んでいましたが、四句を解消しました。
 テーマが余りに重かったからです。
【解説】
 西行法師の歌を「本歌」として詠まれたと、歌の説明をして頂きましたが、
 本歌
以上に深い想いを湛えている歌と考えます。
 地藏は冥界の救済者として知られておりますが、紅葉を地藏に飾ることで、
 あの大震災の津波で、わたつみに沈み冥界に落ちた人々の御魂の救済を祈り、
 供養を願うという重い内容を静かに詠っています。
 この歌は定型に従っていますが、その中で「お救いねがうと」という句を最後に
 持ってきています。これは、歌の結びとして「字余り」がむしろ活き、強い
 印象を残すとともに、作者の
切なる願いを表す、深い祈りの歌となっていると
 考えます。本歌取りの成功例として学ばせて
頂きました。
 なお、ここで触れられた多賀城市では、平安時代の貞観11年5月26日
 (869年7月13日)、三陸沖を震源とする推定マグニチュード8.3の貞観地震が
 発生しました。この地震による津波が襲い、城下だけでも1,000人を
超える
 人々が溺死したと記録にあります。

 この時期、京都平安京でも、疫病が続き、不穏な状況となり、死者の怨霊などを
 払い鎮めるため御霊会などの儀式が行われました。これが、現在の
祇園祭の
 起源と言われています。

     「地蔵にもみじを

【詞書】過日電車で神戸に参りましたが、朝はラッシュの混雑、帰途は下校の
  学生で混雑していました。が、帰途の混雑の中で大学生と思しき青年に
  席を譲ってもらって、同じ大学生の東京の孫のことを思い出して詠いました。
☆思ひやりあふれる青年つと立ちて席ゆずりくれしときの嬉しさ
☆わたしにも優しき大学生の孫ゐること思ひださせてくれる
☆東京の大学生の孫もまた人に親切する人であれ
                          suisenさん
【解説】
 ラッシュ時、神戸へ往復され、その混雑の中で、大学生に席を譲って頂いたとの
 こと。その模様を詠まれた三首の歌は、親切な大学生と、ご自分の
お孫さんの
 姿が重なり、この世代への共感と、評価、さらに希望をも表現されて
います。
 今の若者たちのもつ思いやりや、優しさへの感謝も滲む良い歌と思います。

 殺伐としたニュースが溢れる世情の中で、このような「優しさ」に触れると
 ホッと
します。

 歌は、社会の片すみで日々行われる、このようなさりげない善意を拾い上げて盛る
 大切な器でもあると考えます。このような分野こそ、大いに詠って参りましょう。
 特に一首目、「席ゆずりくれしときの嬉しさ」は、素直に想いが表現され、
 ほのぼのとした良い歌と思います。

【詞書】少~し口が開きかけのサザンカ(元は白く先は少し濃いめのピンクの花びらで、
  名前が未だに判りません。「朝倉」でないのだけは確かなんですが)の花に頭を
  突っ込むようにしたり、花のそばにとまって枝をしならせたりとてもかわいいです。
☆まだ咲かぬ山茶花の蕾のぞき込み
         二羽のメジロは枝を行き交う
【詞書】ヒヨドリが来るんですよ。ヒヨそのもの様子は、目元の赤いところとか可愛
  いんですが、サザンカが咲き出すとメジロたちが蜜を吸いに来ていたりするのを
  「どけどけどけっ!」って感じで蹴散らすように来るんですよ。
  「あ~あ、来よった」とか言いつつ、毎年その攻防を見るともなく見て楽しんでます。
  ヒヨドリよ、すぐそばに南天の実が赤くなってるで~、とか思うんですがヒヨドリ
  もたまには甘いもんの方がええねん、的な感じなんでしょうか?
☆山茶花の蕾の膨らみ見届けて
        ヒヨドリ一羽 睨みきかせて
                          ちがやねこさん
【解説】
 蕾の膨らむ山茶花を訪れる、メジロとヒヨドリの様子を正確に写生し、ちょっぴり
 ユーモアを交えて詠って頂き、彼らの生態が良く分かる歌となっていると考えます。
 ここにも星の観察で鍛えた眼が活きていますね。
 なお、メジロやヒヨドリは蜜を求めて椿や、山茶花にやってきますが、彼らは蜜を
 吸っているわけではないようですね。舌を使って、蜜をのどの奥まで運んでいる
 ようです。くちばしを花粉で黄色に染めているヒヨドリは、蜜を求めつつ受粉に
 貢献しているとのこと。鳥が受粉を媒介する花を鳥媒花と呼び、日本の鳥媒花
 では、ツバキや山茶花が代表的だと、ものの本から学びました。
 一首目は、二羽のメジロが枝を行き交う様子は、初冬の静けさと対比されるもの
 ですが、同時に「蕾のぞき込み」に、メジロの可愛らしさと生命力が感じられます。
 二首目の歌、花の蜜をめぐってヒヨドリとメジロのバトルは見ていても微笑ましい
 ですね。最も彼らにとっては死活問題かもしれませんが、いずれにしろ良い学びに
 なりました。

☆滅びにも あらがい燃ゆるもみじ葉よ 森の夕映えその身に集め
                         ポエット・M
【解説】
 秋の訪れが遅いと言われる関東のこの地でも、少し標高の高い丘陵地帯の
 もみじ葉はくれないに染まり始めています。いち早く葉を落とした冬木立も
 連なる森の中で、その滅びへ向かう木々の移ろいにあがらうように、紅に染まる
 もみじ葉の様子を詠んでみました。
 あたかも、森を包む夕映えの茜色をその身に集めて、燃えるようにも見える
 そんなもみじ葉の生命力と、孤高さが表現できればと思いました。


     「森のもみじ葉」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(17)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
4.「短歌の章」 秋拾遺(9)

   室生時雨木の葉濡らして過ぎしかば
           僧一人鐘楼に登り行きたり
            
   女人また参ずることを許されて
           室生寺の一山の間華やぐ

   わくら葉は風にまろびて 逝く人に
           秋の陽赤く輝りわたるなり


     「咲き初める 皇帝ダリア」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (17)
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)

2023年11月22日 05時08分26秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋明菊」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆秋深し紅燃ゆる塩沢は 文豪愛する文化の香り
                         浅間山明鏡止水さん
★文豪の旧居は奈良の高畑に「暗夜行路」を編みしサロンは
                         夕庵さん

☆誰を待つ、 ポツンとひとつ 椅子一つ 木洩れ陽ひかる 枯葉舞う道
                         クロママさん
【詞書】山口美由紀さん著の「フィーメンニンは謳う」というマンガがあります。
  ある日主人公の
少女が道で、少年が椅子を作っているところに出会います。
  その後、少女は椅子にすわって物語が展開してゆくんですが、
この
  ファンタジー作品の導入部の大事なシーンだし、好きなシーンなので
印象に
  残っているんです。クロママさんが見られた椅子も、かつて誰かが
景色を
  みてもらおうと置いたものだったりして…。と思い、このマンガのこの
シーンを
  連想したので作った歌です。

★「花を見て」と 椅子を置きたる少年が
        出て来るマンガを思い出したり
                         ちがやねこさん

☆真榊のおまけに付いた紙垂と紙「ほんのきもち」と記されてあり
                         西BOOさん
★のし袋に「ほんのきもち」とひらがなで 100円ショップにやさし日本語
                         夕庵さん
★100均に売っていると頼まれて 商品見ると220円
                         西BOOさん
★ダイソーは楽しい迷路買うことを忘れ便利な品に目移り
                         夕庵さん
★多種類の便利グッズが100円で 国の豊かさ実感すなり
                         西BOOさん
★飢餓に泣く子らの映像見るにつけ 飽食の日本 TVの堕落
                         夕庵さん
★イスラエル病院爆破 地獄絵図 せめて子どもを殺すの止めよ
                         西BOOさん
★国連よ 今こそ義務を果たすとき 血にさまよえる民を救えよ
                         夕庵さん

☆七日間服用するも完治せずあと二週間にて完治をめざす
                         西BOOさん
★予定表一週間後の紅葉を旧友(とも)と会うべくはやる心は
                         夕庵さん

☆父逝きし寒夜の月を見上ぐれば 凍へんばかりに我が身震へし
                         みっちっちさん
★幾たびぞ月を見上げて願いしは この身の脱皮を夢見た日々よ
                         夕庵さん
【詞書】卓球の試合に負けた日を詠みました
★月光に試合の負けを慰めむ 明日には脱皮せし我を見よ
                         みっちっちさん
★駆けよりて涙の勝利に酔うときも明日には受けて立つ身とならむ
                         夕庵さん
★本物の実力持てば必勝ぞ 明日を目指して努力の日々ぞ
                         みっちっちさん
★贋物を鋭きまなこで透視する 古き器の弘法市に
                         夕庵さん
★冬空へ背をまつすぐに少女騎手 前を見据へる鋭きまなこ
                         みっちっちさん
★背の丸き友の背ぽんと叩きやる 互いの姿鏡に映して
                         夕庵さん
★仲良しの夫(つま)を亡くせし友の背のちさく震へて涙を誘ふ
                         みっちっちさん
★もの言わぬ動物の目の愛しさよ限りある命ともに生きむと
                         夕庵さん
★もの言へぬ病人らをも追ひ込みてガザの病院いかになるやも
                         みっちっちさん
★亡き人は布団の下に紙切れの「すまぬ」の一言残して逝きしと
                         夕庵さん
★亡き母は眠り続けてふと起きて 吾の顔じっと見つめて逝きぬ
                         みっちっちさん
★一時間違えて起きてまだまだとラジオのスイッチ入れて二度寝を
                         夕庵さん

     「咲き初める 山茶花」

☆亡き父の温き胡座に包まれて可愛ひがられし 我今もなほ
                         みっちっちさん
★ほっこりと胡座にまるく位置占めてしばしの夢にまどろむ子犬
                         夕庵さん
★その場所は誰(た)にもやらぬと幼き日 父の胡座に眠りし我よ
                         みっちっちさん
★少女らは胡座をかいて車座にすらりと伸びた素足眩しき
                         夕庵さん
★大地蹴り子ら冬空へ倒立す 天へ届けと足まつすぐに
                         みっちっちさん
★街頭に反戦のうた繰り返し 天に届けと声はりあげて
                         夕庵さん
★冬空にジョンレノンの歌 響きたる 平和を祈るイマジンの歌
                         みっちっちさん
★難病に倒れし君の「愛は勝つ」と叫びの声は永久に響きけり
                         夕庵さん
★カラオケで「愛は勝つ」を熱唱せし君の笑顔は今も忘れず
                         みっちっちさん
★デュエットの君は今でも変わらない素敵な紳士ね そっと肩組む
                         夕庵さん
【詞書】朝ドラ「らんまん」であいみょんが歌った「愛の花」毎朝楽しみでした。
★万太郎夫婦の愛の花の歌 ほつこりと観し朝のひととき
                         みっちっちさん
★名も知らぬ花いち輪を手折りきて話しかけたり朝のひととき
                         夕庵さん
★夕闇の四条通りに肩触れし 気になる君よ 名も知らぬのに
                         みっちっちさん
★碁盤目の京都の地図は上ル下ル 方向音痴はそれでも解せぬ
                         夕庵さん
★地図見れば 京都の右側 左京区で 左は右京区 不思議なるかな
                         みっちっちさん

☆冬空へ背をまっすぐに少女騎手 前を見据える鋭きまなこ
                         みっちっちさん
★背の丸き友の背ぽんと叩きやる 互いの姿鏡に映して
                         夕庵さん

☆母の名の消えかかりたる木製の 物差し今も裁縫箱に
                         みっちっちさん
★木製の玩具は在りぬ兄弟の 手垢が残す成長のあと
                         夕庵さん
★ふるさとの家の柱に弟と 背丈はかりし跡そのままに
                         みっちっちさん
★鳩時計律儀に時刻(とき)は知らせどもきみも老いたか籠もりがちなる
                         夕庵さん
★このところ籠りがちなる近隣の友と笑顔を交はすゴミの日
                         みっちっちさん
★明晰なカラスはゴミの日鳴き立てて仲間を連れて偵察にくる
                         夕庵さん
★カラスらはテニスコートにゲーム観て我ミスすれば仲間と笑ふ
                         みっちっちさん
★「人」の文字飲み込んだ後の発表はミスなく終わりほっと息つく
                         夕庵さん
★後ろから靴音響く冬夜道 家近づかばほつと息つく
                         みっちっちさん
★靴音で 家族とわかる愛犬の 聴覚人の4倍なりし
                         夕庵さん

☆秋去りて冬の気配の濃くなる日 優しき小花のパジャマを縫いぬ
                         夕庵さん
★夜なべして瑠璃色セーター編みくれし 亡き母の背の丸きを偲ぶ
                         みっちっちさん
★夜なべせし母の姿の尊けれ 指ぬきいまは吾の手に添いぬ
                         夕庵さん
★母の名の消へかかりたる木製の物差し 今も裁縫箱に
                         みっちっちさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「秋蝶とキバナコスモス」

【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
 皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
 その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
 場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
 その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
 残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
 そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・

★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
 いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
 頂きありがとうございます。
 短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
 よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
 喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
 その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
 歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
 fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
 そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
 方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
 これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
 お寄せ頂ければ嬉しい限りです。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
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 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (37)
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