四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

河口湖、箱根仙石原へ

2019年11月09日 14時05分14秒 | お出かけ
月初めの連休明け、近くに住む次男夫婦から「河口湖の紅葉を見ながら、ほうとうを食べに行かないか」
との誘いがあり、細君と相談し一泊二日の予定で行って参りました。

宿は台風の風評被害で観光客も減っているとのことで、多少でも力になれればとのことから箱根エリアを
選び、箱根仙石原プリンスホテルに予約しました。
朝7:30分に出発し、我が家の車で運転は自称プロの次男に委ねました。横横道路から、東名高速を経由し
中央道から河口湖についたのは11:00少し前でした。
途中、東名高速に入る手前で自動車事故があり一時間近くの渋滞があった割にはほぼ予定通りに着いた
ことになります。



かつて現役の時代、河口湖には会社の保養所があったことから、長いこと子供たちも含めて、年に3~4回は
二泊三日で滞在したことがありました。富士山の雄姿と共に子供たちにとってもなじみの場所で、ほうとうも
行けば必ず味わったもので、記憶に刻まれた味と思っています。
なじみの「ほうとう不動」は健在で、建物の外観も当時のままで、懐かしさがこみ上げてきました。思えば
4年ほど前に細君と、このほうとうを食べに来た時以来で、次男にとっては20年ぶりとのこと。





11:00開店とのことで、既に何人かは開店待ちの状態でしたが即入店できました。
私たちが入店し、注文し終わる頃にはお店のテーブルがほぼ埋まり、この店の人気のほどを改めて知ることに
なりました。メニューは「不動ほうとう」一種類でしたが、サイドメニューとして「馬刺し」「煮込み」
「お新香」等が用意されていました。
味はかつて味わい、記憶にしっかり刻まれている「カボチャほうとう」の懐かしい味でした。カボチャ、シメジ、
白菜、ゴボウ、ニンジン等々の野菜が盛り沢山で、肉厚でねじれたほうとうと絡み合い仄かな甘さの中に、
しっかり味付けされた深い味わいは「本当に美味しい」の一語でした。



ほうとうをしっかり味わったのち、河口湖畔にあるハーブ館を見学し、お土産を買い求めた後、次男と久しぶりに
バッティングセンターでバッティングに挑戦しました。30球のうち7割程度は前に飛びましたが、芯による会心の
当たりは5、6球という状態でした。年に二回ほど老骨に鞭打って、地域の試合に参加している割には体力の衰えを
実感することになりました。





河口湖周辺の紅葉はすでに始まっていましたが、車窓からの紅葉見物にとどめて、一路箱根仙石原に向かいました。
ホテルにチェックインしたのち、ホテルの近くにある「仙石原すすき草原」に行ってみました。
ここは「かながわの景勝50選」「かながわの花100選」にも選ばれた景勝地で、この季節、黄金色に波打つ草原から
金時山などの外輪山と湿原が調和した風景を見ることが出来ます。草原の中央にまっすぐ伸びた散策路の長さは、
約700メートルほどですが、台風による土佐流のためか約150メートル程で通行禁止となっていました。
あかね空を背景に黄金に染まるススキの草原は詩情にあふれ、まさに絶景でした。





ホテルに戻り夕食まで時間もあったことから、大浴場に向かいました。大浴場はシンプルなしつらえですが、
ゆったりとくつろげる露天風呂と、内風呂でした。ただし最近のこの種のホテルはサウナが併設されているのですが、
ここには残念ながらありませんでした。
ホテルの部屋は52㎡と広々としており、バルコニーからは目の前に広がるゴルフ場と、雄大な箱根外輪山が
眺められ満点の眺望でした。また施設自体は多少使用感はありますが気品が保たれており、レトロ感もあり素敵でした。









食事は、朝夕の二食付きにしましたが、レストランからの自然の眺めもゆったりとして見ごたえがありました。
料理も和洋双方を揃えたビュッフェスタイルで、それぞれの食材の味を大切にした丁寧な味付けが感じられ、
とても美味しく頂きました。また、今回は結婚記念日と予約の際、事前にお伝えしておきましたが、
何人かのスタッフさんから声をかけて頂き、写真部所属といわれるスタッフさんに記念撮影までやっていただき
感動ものでした。また、スタッフの皆さんの笑顔と随所に行き届いた丁寧な接客に触れ心癒されました。
なお、ベッドもシモンズが使われ寝心地も満足度大で、ギフトショップのアパレルグッズの充実ぶり、喫煙所の
清潔さ等々、旅の品質を高めてくれました。





ホテルをチェックインしたのち、次男夫婦は訪れたことがないという「箱根ガラスの森美術館」に向かいました。
私たちは箱根に来るたびにこの美術館と、成川美術館は結構訪れていますが四季折々の景観と共に企画展も魅力が
あり行ってみることにしました。

この美術館には、ヨーロッパの中世貴族が熱狂したヴェネチアングラスの名品約100点が展示されていますが、
庭園は紅葉にはまだ早く、少し黄葉が見える程度でした。
ヨーロッパ貴族の別荘を模した欧風庭園の広がる館内では、世界のガラス小物アンティークを販売するショップや、
イタリア人歌手によるカンツォーネの生演奏を行うカフェレストランで、お食事や喫茶が出来ます。

庭園の木の橋を渡ったところに建つ「ヴェネチアン・グラス美術館」には、アドリア海の王女と謳われた往時の
ヴェネチアン・グラスが展示されています。ガラス職人が心血を注いだ卓越した技と、贅を尽くした美の
極みともいえるレースグラスをはじめ、多くの作品を見ることが出来ます。まさに繊細優美な輝きに
心奪われる思いです。



また、庭園からヴェネチアン・グラス美術館エントランスへ続く橋にかけられた、高さ約9m、全長約10mの
クリスタル・ガラスのアーチ「光の回廊」は、約16万粒のクリスタル・ガラスが箱根を渡る風にゆれ、
様々な表情を見せてくれます。この季節、太陽光と風向きの関係で、一段と眩い輝きを放つようです。



水車が重厚で独特の景観を見せる「箱根ガラスの森 アチェロ」では、自然の美味しい贈り物、
カナダ産メープルとジャム、そして深い味わいのチョコレートを試食し、お土産を買い求めました。



今回の企画展は「アドリア海の新しい風、芸術と技の結晶」と銘打って、ピカソ・シャガールたちの
ヴェネチアン グラス彫刻展を催していました。

20世紀中頃、ガラスの美しさに魅せられたエジディオ・コスタンティーニの思いに賛同したパブロ・ピカソや、
マルク・シャガールといった芸術家たちの独創的なデザインを、千年の歴史を誇るヴェネチアン・グラスの
巨匠たちの卓越した技で「ガラス彫刻」に結実させたと言われています。





箱根路は台風被害で所々で通行禁止がありましたので、帰路は御殿場経由の東名高速を選びました。
御殿場ではアウトレットに立ち寄り、次男夫婦が是非見たいというスーツ、靴、バック、カジュアル
衣料等のお店を見て回りました。



広大なショップの品ぞろいと、ブランド品の値引きに興味を
魅かれつつ時のたつのも忘れるほどでした。結構歩き回ったため疲れも出たため帰路につきました。
内容の濃い美味しく思いで深い旅となりました。




箱根仙石原のススキ、およびほうとう等に寄せて、短歌を詠んでみました。




☆箱根なる仙石原の山すそを黄金に染めてススキ燃え立つ
☆すすき穂は仙石原に燃え立つや 黄金の焔 山を覆いて
☆夕映えに穂を染め光る群れススキ 滅びしものの矜持忍ばせ
☆夕映えにススキ千里と山埋めて 滅びに向かうざわめきも無し
☆かくれんぼ「もういいよ~」を言わぬまま ススキの原に眠りし過去も
☆夕あかね 空に連なるススキ原 「もういいよ~」と そっとつぶやく
☆山梨の舌になじみしほうとうを 吾子らと共に懐かしみおり

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