お釈迦様が王位を捨てて出家した故事にならい王冠をかぶりお顔をタナカや口紅で整えたあどけない顔の男の子は、王子の衣装を着け、町に出て乗馬して行進し、その後断髪、剃髪したのち、先輩の僧侶から袈裟を着せてもらい、上位の僧から戒律を受け、修行僧になります。
子供が僧侶として修行する期間は早い子で3日、普通は3か月間くらいとのこと、たまにそのまま僧侶になりきる人もいるそうです。ともあれお釈迦様の教えと僧侶の修行を理解してもらおうと息子を僧院に送ることは親としては結婚式より大切と考える人が多いと聞き驚きました。
主役はすぐそれと分かる着飾った男の子でした。親は自分の息子を僧侶にさせることが人生最大の功徳を積むことになるので、息子の意思と関係なく得度させます。仏教徒であれば20歳以前に必ず僧侶になりますので、自分の身の回りのことができる三から五才でできるだけ早く得度させます。
ある程度裕福なお宅では、得度の儀式は一族郎党が集って大々的に行う習わしです。一般の家庭でも結婚したら子供ができる前から得度式のためのたくわえをします。お金がないお宅でも近隣の家々がお金を集めて大きな式を挙げるようにするそうです。