読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
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日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「さくらえび」

2007-09-01 17:54:08 | ノンフィクション・エッセイ
さっき読破した「さくらえび」(著:さくらももこ)。
ある方から「さくらももこ」の本が面白いと紹介してもらい、それがきっかけで手に取った一冊です。

-----内容-----
家族や日常のことだったら、その爆笑度並ぶものなし!
ももこが編集長として、取材・文章・漫画すべてを一人でやっちゃった、2000年記念の奇跡の面白雑誌『富士山』(全4号)からの選りすぐりに、'02年発行の5号から「植田さんの深まるくだらない願望」「必見!! おならレポート」(笑い死にご注意!)の2本、『富士山』未収録分7本も加えた、大満足のエッセイ集。
父ヒロシも息子も全開だよ!

-----感想-----
今まで「ちびまるこちゃん」はフィクションの漫画だと思っていたのですが、この本を読んだ限りそうでもないようです。
「ちびまるこちゃん」は「さくらももこ」の子供時代に経験したことを漫画にしたもので、「父ヒロシ」や「お母さん」も「さくらももこ」の両親をモデルにしているようです。
「さくらえび」の雰囲気はまさに「ちびまるこちゃん」という感じで、「父ヒロシ」の話し方などはテレビで見るあの話し方と同じで面白かったです
子供のころ「ちびまるこちゃん」をよく見ていたので、それぞれの登場人物の声の感じも覚えていて、読むときもその声の感じで読んでしまったり。。。
話の内容はくだらないことなのですが、そのくだらなさが笑いを誘いますね。
どの話も7~8ページの短編で、その中で特に面白かったのが下の5つです。
「父ヒロシインタビュー」
「植田さんのくだらない願望」
「植田さんの深まるくだらない願望」
「京都の出来事」
「必見!! おならレポート」

「父ヒロシインタビュー」が一番ウケたかもしれません。
テレビでのしゃべり方とまったく同じ感じでくだらないことをしゃべるので面白いです。
「植田さんの願望」というのは、キャバクラ嬢への妄想みたいなもので、これもかなりくだらなかった(笑)
「京都の出来事」は、京都の料理屋で座った席のとなりに偶然「みのもんた」がいたという話です。
「必見!! おならレポート」はまさにくだらない話です(笑)
あなたは、家族の前で平気でおならをしますか?がテーマで、それについて議論がかわされていました。


さくらもも子さんの本は今回初めて読みましたが、全体的に軽めの話が中心だったので読みやすかったです。
一人で『富士山』という雑誌を作ったり、四国の「しまなみ海道」をサイクリングしたりと、結構活動的な人なんだなと思いました。
高松のうどんが美味しいと紹介されていたので、機会があったらぜひ食べてみたいと思います。
そして今日は「もものかんづめ」を見つけて購入しました。
一番のお勧めはこの本だったので、読むのが楽しみです。
明日か明後日にはレビューが書けたらと思います。
それではまた

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「極め道」

2007-06-20 23:50:29 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは「極め道」(著:三浦しをん)です。
最近文庫化されたエッセイで、面白そうなので購入しました。
内容は、インターネットサイト「しをんのしおり」に連載されていたものをまとめ、加筆したものです。
読んでみると、改めて三浦しをんさんの表現力はすごいと思います。
何気ない日常も、しをん先生の手にかかればドラマチックに変身しますね
参考までに、一部をご紹介。
以下は、冒頭の「正直は美徳か?」で、しをん先生とガラの悪い男がすれちがったときの場面。

私たちは、ちょうど街頭の下ですれちがった。と、彼はおもむろにグラサンをずらし、私を一瞥して、
「ブス」
とのたまい、行き過ぎていった…
おい、ちょっと待てやコラァ。なめとんのかワレ。


しをん先生激怒!?
まあ、これは誰でも激怒しますね
通りすがりざまに暴言を吐くとは、とんでもない男がいたものです…。


以下は、しをん先生の酒豪ぶりがわかる文です。
「オゴりますよ、一緒に飲みましょう」と声をかけてきた哀れなよっぱらいサラリーマンたちの酒を、「あら、ありがとう」なんて言ってしこたま飲んで、ツブれる彼らを残して「終電だから」とサッサと帰ったわね。
フフフ、馬鹿な人たち。軽々しく女に酒をおごるもんじゃないわ。それに私たちは女じゃないの、牛なのよ。おいしい霜降りになるようにお酒を摂取してる最中の牛さんなのよ。

「牛なのよ」発言はウケました。
しをん先生に酒をおごるのは無謀な行為なのですね(笑)
今までしをん先生は、おしとやかなイメージがあったのですが、「極め道」を読んだら意外とハジケた人のような気がしてきました


最後に、かつてしをん先生が就職活動で格闘した?K談社関係の話をご紹介。
K談社との格闘については、こちらを参照。
「もし万が一、K談社から原稿依頼がくるようになったらどうするの?」という質問に対して、しをん先生は次のように自分を分析しています。

そんなにビッグになることはまずないので、それは捕らぬ狸の皮算用というもの。

ところが…。
2007年現在、しをん先生はかなりビッグになってます
昨年は直木賞を受賞しましたし。
今一番勢いのある作家かも知れません。
もしK談社から原稿依頼が来たら、しをん先生がどうするのか気になりますね。
「おい、ちょっと待てやコラァ。なめとんのかワレ」と言って返り討ちにしたりして(笑)

というわけで、しをん先生の本はこれからも読んでいきたいと思います。
直木賞受賞作「まほろ駅前多田便利軒」もいつか読みたいですね。
それではまた。

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「しをんのしおり」

2007-06-13 21:08:26 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは、「しをんのしおり」(著:三浦しをん)です。
三浦しをんさんの本は、「ロマンス小説の七日間」で初めて読みました。
独特な作品世界を持っていて、その面白さに自然と引き込まれていきました。
三浦しをんさんはエッセイも連載しているらしく、「しをんのしおり」はその連載をまとめたものです。
内容はつぎのようになっています。


~まえがきという名の推薦文~

1章 そぞろ歩くは春の宵

2章 水を求めて夏の旅

3章 幻に遊ぶ秋の空

4章 さみしく轟く冬の風

~あとがきという名の言い訳~

番外編 愛を愛とも知らないままに


「まえがきという名の推薦文」はなかなかウケました。
自分の本の推薦をするとは、さすがしをんさん。
ギャグ的な紹介の仕方なので自然と読んでみたくなります。紹介文の一部をご紹介。

「本書は、混迷深まる現代日本の政局を赤裸々に描き出したばかりでなく、若い読者諸氏の精神鍛錬の一助ともなるべき内容を擁し、さらには若くない読者諸氏の縁側のお供としても最適な呑気さをも兼ね備えた好著である。」

ほんとかよ、と突っ込みたくなりますね(笑)
実際に読んでみると、混迷深まる現代日本の政局を赤裸々に描いた場面はなかったような


1章、2章、3章、4章は、どれもしをんさんの日常が描かれています。
どうやらしをんさんは横浜近郊に住んでいるようです。
私も横浜近郊なので、「横浜の地下街」や「クイーンズスクエア」などのキーワードが出てくると「あの場所か」と思ったりします。
フラッと家を出てそのまま大阪に行ったりと、結構大胆な行動をするしをんさん。
気に入ったワンピースを手に入れるために、東京中のコム・デ・ギャルソンに電話したこともあるみたいです(笑)


ギャグ中心の本作だが、良い言葉もありました。
「人の想像力を刺激する魅力。それが、いわゆる”華がある”ということではないかと思うのだ」

「華がある」という言葉を使うことはあっても、その意味を説明するのは意外と難しい気がします。
「華がある」は「華がある」としか言いようがない、みたいなことになりそうです(笑)
三浦しをんさんはその意味について触れていたので、参考になりました。


4章の最後に「次元五右衛門チェックシート」というのが登場します。
三浦しをんさんと友人が作ったもので、好みのタイプを判別するためのものだそうです。
ルパン三世の、次元が好きな人と五右衛門が好きな人では、スッパリと好みのタイプが分かれるとのこと。
何となく試してみたいチェックシートですね


非常に読みやすく、楽しい本でした。
この本のタイトルは本来は「人生劇場」になるはずだった、とあとがきにありました。
ある人物の圧力で「しをんのしおり」にさせられたらしいです(笑)
でも、この前文庫本のコーナーを見ていたとき、「人生激場」というエッセイがありました。
一文字だけ違いますね。
気になっているので、今度はそれも読んでみたいです。
それではまた。

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「上村愛子 smile」山石 やすこ のご紹介

2007-03-11 19:22:43 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは「上村愛子 smile」です。
上村愛子さんは長野オリンピックで初めて見ました。
髪にビーズを付けたりしているのがテレビで紹介されたりしていました。
この当時はまだモーグルという競技はそれほど有名ではありませんでした。
当時僕は13才で、18才の上村さんをカッコいいお姉さんと思ったものです。
愛嬌があり、人を惹きつける華を持った人だと思います。
その上村さんのトリノオリンピックまでの道のりを綴ったのが「上村愛子 smile!」です。
上村さんは長野オリンピックは7位、ソルトレイクシティオリンピックは6位でした。
みなさんも、上村さんが長野からソルトレイクまでの間に圧倒的に力を付けたのはご存知だと思います。
テレビのニュースでも、上村さんがワールドカップで表彰台に上がったという話が聞かれるようになりました。
ソルトレイクのときもメダル候補に上がっていました。
長野で金メダルを取った里谷多英より実力が上と見られるようになっていたのです。
しかしソルトレイクではまさかの6位に終わりました。
この本は、そのときの心のうちなどが書かれています。
写真付きで、ソルトレイクの湖に行ったときの様子が紹介されたりもしています。


話の中心はこのソルトレイクが終わってからトリノまでの道のりです。
普段テレビでしか上村さんを見たことがないので知りませんでしたが、トリノまでの道のりは険しかったようです。
上村さんがトリノで見せた必殺技、コークスクリュー720は、会得するまでにかなり苦労したとあります。
僕たちはテレビで上村さんのコークスクリュー720が決まるのを見て大はしゃぎでしたが、やっている本人は血の滲むような努力を重ねているのです。
夏場にプールを使ってコークスクリュー720の練習をしていたのはこの本で初めて知りました。
また、本の1ページ目に、2005年ワールドカップ・ボス大会で優勝したときの写真が載っています。
上村さんはとても誇らしげで、長きスランプから脱出した喜びが伝わってきました。


また、上村さんはいじめに遭っていたそうです。
スキー板を隠されたり、無視されたり、かなりひどいいじめだったとあります。
普段愛くるしい笑顔を見せている姿からは想像がつきませんが、つらい過去があったのだなと思います。


トリノオリンピックの結果は5位でした。
メダルを取れなかったとはいえ、上村さんは本番でもコークスクリュー720を決め、持てる力を出し切ったと思います。
上村さんはバンクーバーオリンピックにも出場すると言っていました。
それを聞いて安心しました。
一日でも長く、モーグルで活躍する上村さんを見ていたいです。
今度こそ、メダルを手にすることが出来ると信じています。

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「ブッシュ妄言録」のご紹介

2007-03-10 14:46:42 | ノンフィクション・エッセイ
今回ご紹介するのは、「ブッシュ妄言録」です。
この本はとにかく面白いです。
アメリカ合衆国大統領ジョージ・ブッシュの妄言の数々をまとめています。
大統領とは思えないような軽い発言に爆笑すること請け合いです。
こんな人が大統領をやっていて大丈夫なのかと心配になりました。
この本によると、ブッシュはテキサス出身の陽気な男のようです。
とにかく自分と家族のことが大事で、後はどうでも良いようなことを言っていました。
アメリカではブッシュの発言は「ブッシズム」と呼ばれ笑いのネタになっているようです。
日本でも朝のテレビ番組で、ブッシュの発言を取り上げることがありました。
ライス国務長官がいないと何もできない男、それがブッシュの素顔だとか…。
ギャグを交えた笑える解説が読んでいて飽きません。
あまり政治には興味ないけどブッシュのことを知りたいと思う人におススメの一冊です。
ぜひ読んでみてください。