(全演目終了後の挨拶にて。左から小林佑太郎さん(トランペット)、岡崎清香さん(ピアノ)、木村瑠菜さん(ヴァイオリン)。写真はネットより。以下同じ)
2020年12月3日、広島県広島市のJMSアステールプラザ大ホールで行われた広島プロミシングコンサートを聴きました。
このコンサートは「有望な若い音楽家のための演奏会(Concert for Promising Young Musicians)」から広島プロミシングコンサートという名前になっていて、毎年6月に開催される「広島市新人演奏会」の優秀演奏者が出演し、広島交響楽団と共演して行われます。
2020年は新型コロナウイルスの脅威で春先からしばらくの間、ほとんどの観客有りのコンサートが中止になり、9ヶ月ぶりに会場に足を運ぶことが出来たコンサートになりました。
広島市にゆかりのある若手演奏家が主役で、9ヶ月前、「エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会」で演奏を聴いて非常に上手かった岡崎清香(さやか)さんという方が出演されると知り、ぜひ聴きに行きたいと思い足を運びました
(広島プロミシングコンサート2020のチラシ。ドラマチックな雰囲気で良いなと思いました)
演奏プログラムは次のとおりです。
指揮 :鈴木織衛
管弦楽:広島交響楽団
1. 岡崎清香(エリザベト音楽大学出身)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
2. 小林佑太郎(東京音楽大学出身)
トマジ:トランペット協奏曲
3. 木村瑠菜(東京藝術大学出身)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
1.ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
広島で生まれ育った私にとって、広島交響楽団の皆様との共演は幼い頃からの大きな夢でした。
このような機会をいただけたことに感謝し、心を込めて演奏致します。
(岡崎清香さん演奏の様子。)
一楽章
力強く少しもの悲しいオーケストラの演奏で始まります。
やがてピアノも入り、響きが美しかったです。
ピアノの美しくゆったりなメロディをオーケストラが支えます。
ピアノがポロロロローと軽やかに速く演奏する場面が何度もあり、とても上手かったです
ピアノの速く力強い演奏の後、オーケストラの演奏が大爆発して迫力が凄かったです。
今度はピアノがとても速く軽やかな演奏をしてオーケストラが支え、ピアノの演奏が終わると再びオーケストラ大爆発となります。
ピアノの演奏はとても速く軽やかなのに、一つ一つの音もしっかりしていて、速さだけではない「上手さ」を強く感じました。
ピアノがタタタタタター、オーケストラがそれに呼応するという演奏を繰り返す場面がワクワクしてとても良かったです。
二楽章
ゆったりとしたミステリアスな雰囲気のオーケストラで始まります。
ピアノも入り、ゆったりとしてとても優しいメロディになりました。
ポロロロローと速くなりつつ、ゆったりもし、優しさの目立つ音色で凄く良いなと思いました。
ピアノがキラキラキラと華麗に輝いているような演奏もありました。
最後はとてもゆったりと終わりました。
三楽章
ピアノの速い演奏で始まり、オーケストラも速い演奏で呼応します。
ピアノもオーケストラもとても速い演奏が続いて行きました。
管楽器の「パパパパッパパー」を合図に、ピアノがスパートします。
凄いスピードで、さらに軽やかで、音が綺麗で超人的に上手かったです。
曲との相性が良く、岡崎清香さんの持っているものが最大限発揮されていたように思います。
「曲と一体化している」といった印象も持ち、私にとって忘れられない名演奏となりました。
ぜひまたオーケストラと共演してショパンのピアノ協奏曲第2番を演奏してほしいなと思いました
2. トマジ:トランペット協奏曲
この歴史ある演奏会に出演させていただけますことを大変嬉しく思っております。
今こうして音楽が出来ることへの喜びと、感謝の思いを持って演奏させて頂きます。
(小林佑太郎さん演奏の様子。)
一楽章
トランペットソリスト(ソロ演奏者)の躍動感のある演奏で始まり、雄大さもありました。
オーケストラは少しミステリアスに演奏します。
オーケストラが凄く伸びやかで綺麗な演奏をする場面があり、かなり良かったです。
ソリストの「パパパッパッパッパー」という演奏をオーケストラがコミカルに支えて呼応します。
ソリストの独奏になり、伸びやかで力強さもあり良かったです。
二楽章
ハープのゆったりとしたミステリアスな演奏で始まります。
ソリストも同じ雰囲気の演奏で入って行きました。
今度はオーケストラがとても伸びやかに、ミステリアスに演奏します。
ソリストもミステリアスに続き、冒頭からミステリアスな演奏が続いたのが印象的でした。
オーケストラが雄大な演奏をする場面になり、ソリストも雄大な演奏で入り、両方合わさってかなり良かったです。
三楽章
オーケストラのとてもリズミカルで速い演奏で始まり、ソリストも同じ雰囲気で入ります。
とてもリズミカルで楽しそうな音色で、聴いていてワクワクしました。
最後はバンッ!と弾けるように終わりました。
3. ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
この度は、地元広島の皆様の前で演奏する機会をいただき、大変光栄に思います。
広島交響楽団の方々、会場の皆様と一緒に素晴らしい音楽を共有できるよう、心を込めて演奏いたします。
(木村瑠菜さん演奏の様子。)
木村瑠菜さんも、まだ記事にはしていませんが2019年2月20日の「新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第47回広島」でシベリウスのヴァイオリン協奏曲の演奏を聴いたことがあります。
かなり重厚感のある演奏をして上手かったのを覚えています。
一楽章
ゆったりとしたオーケストラの演奏で始まり、雄大さがありました。
しばらくオーケストラの演奏が続き、明るく力強くなったり、ゆったりとしたり、迫力と速さが出たりしました。
やがてヴァイオリンソリストも入り、オーケストラと呼応しながら演奏して行きました。
ソリストがとてもゆったりとした優しい響きの演奏をして目立ちます。
さらに「切れ」のあるスパッとした演奏やとてもドラマチックな力強い演奏もしていて、上手いなと思いました
伸びやかで優雅な演奏もしていて美しさを感じました。
ソリストが目立ってからオーケストラだけになる場面が何度かあり、オーケストラに切り替わった時の迫力が凄かったです。
二楽章
オーケストラのゆったりとした演奏で始まります。
オーボエのゆったりと安らぐ音色がとても目立っていました。
ソリストも入り、とても高く綺麗な音をゆったりと演奏していました。
オーケストラとソリスト全体でゆったりと綺麗な音色になりました。
三楽章
全体でとても明るく派手な演奏で始まり、迫力もありました。
良い音色になり、ワクワクして気持ちが盛り上がりました。
ソリストがとても速く躍動する演奏をし、オーケストラが大迫力の演奏で支えていました。
広島プロミシングコンサート2020、久しぶりに会場で聴いたコンサートがこのコンサートで良かったと思いました。
3人とも素晴らしい演奏をされていて、とても満足感がありました。
音楽大学を卒業したばかりの若い演奏家さんにとって、広島交響楽団との共演は貴重な経験だと思います。
この経験を機にぜひ益々飛躍して欲しいと思い、またどこかで演奏を聴ける日が楽しみになりました
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演奏者プロフィール 2020年12月時点
岡崎清香 エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科鍵盤楽器専攻卒業
5歳より母の手ほどきでピアノを始める。
2014年 第24回日本クラシック音楽コンクール全国大会 第3位。
2016年、2017年 ショパン国際ピアノコンクール in Asia 第17回高校生部門、第18回大学・一般部門共にアジア大会 銀賞受賞。
エリザベト音楽大学に学費全額免除特別奨学生として入学。
第26回コジマ・ムジカ・コレギアにてオーケストラと共演。
第41回ピティナピアノコンペティション連弾上級全国決勝大会 金賞受賞。
ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学にてブダペスト国際マスタークラス受講。
2018年 ポーランドシレジアフィルハーモニー管弦楽団と共演。
2019年 ドイツシュトゥットガルト音楽演劇大学に1年間の交換留学。
2020年 エリザベト音楽大学卒業演奏会に出演。
現在、シュトゥットガルト音楽演劇大学修士課程在学中。
これまでにピアノを、重野美樹、赤松林太郎、横山幸雄、垣内敦、Peter Nagy(ペーテル・ナジ)の各氏に、鍵盤和声を川岡優子氏に師事。
小林佑太郎 東京音楽大学音楽学部音楽学科器楽専攻卒業
2013年 第30回中国ユース音楽コンクール奨励賞。
2016年 第65回広島音楽高等学校卒業演奏会出演。
広島音楽高等学校卒業、卒業時に本願寺賞受賞。
2017年、2018年 東京音楽大学ソロ・室内楽定期演奏会室内楽部門出演。
2019年 P.ピリエン氏、E.オービエ氏のマスタークラス受講。
2020年 東京音楽大学卒業、同大学管打楽器部会主催卒業演奏会に選出。
現在、東京音楽大学大学院音楽研究科科目等履修生。
これまでにトランペットを、松崎祐一、白石実、津堅直弘、栃本浩規、A.アンリ、高橋敦、辻本憲一の各氏に師事。
また室内楽を津堅直弘、A.アンリ、冨成裕一の各氏に師事。
木村瑠菜 東京藝術大学音楽学部器楽科弦楽専攻卒業
広島出身。3歳よりヴァイオリンを始める。
2015年 第20回KOBE国際音楽コンクール優秀賞、第16回大阪国際音楽コンクール アブニール賞。
2016年 第37回草津夏季国際アカデミー 音楽監督賞。
2017年 ヒロシマ平和創造基金奨学生。
2018年 第20回さくらぴあ新人コンクール さくらぴあ大賞(第1位)
2019年 第1回杉並公会堂ベヒシュタイン室内楽コンクール第2位、第8回デザインK音楽コンクール優秀賞、第3回Kグランプリコンクール第3位(1位なし)
小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトⅩⅤⅡ参加。
第20回、第24回コジマ・ムジカ・コレギアにてオーケストラと共演。
第47回新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ広島にオーディションで選抜され、広島交響楽団と共演する。
在学中より、プロオーケストラへの客演、室内楽演奏会、音楽フェスティバル、CMなど多方面で活動中。
現在、アムステルダム音楽院修士課程に在学し、IIya Grubert(イリヤ・グルーバー)氏に師事している。
これまでにヴァイオリンを小島秀夫、野口千代光、小栗まち絵、沼田園子の各氏に師事。
室内楽を川崎和憲、林俊昭、松原勝也、青柳晋、菊地知也、植村太郎、大友肇の各氏に師事。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学卒業。
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