読書日和

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「毛利元就 第二十回 隠し女」

2019-02-02 22:20:27 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第二十回 隠し女」です。

-----内容&感想-----
「結婚6年目、元就は恋をしました」というナレーションで物語が始まります
村上水軍の女神と呼ばれる加芽(かめ)が元就を追って因島(いんのしま)から郡山城下(こおりやまじょうか)に出てきます。
意気揚々と加芽のところに出掛けようとする元就に正室の美伊(みい)がどこに行くのかと聞き、元就が領内の田畑を見に行くと言うと「え?昨日も、一昨日も見て参りましたのでは?」と突っ込まれているのが面白かったです。

元就が出掛けた後美伊は侍女の藤野のところに行き、元就の様子が変だから探ってくれと頼みます。
藤野はやっと美伊が嫁ぎ先の情報を吉川家に送る気になったと思い喜びますが、元就の浮気相手のことを探ってくれという頼みだと知りがっかりします。
しかし「私にどこか悪いところがあったかのう。知らず知らずのうちに、殿に寂しい思いをさせておったのやも知れぬ…」と落ち込む美伊を見て引き受けます。
藤野は元就がどこに行っているかを調べ加芽とこっそり会っている現場を見ます。

藤野から元就が女と会っているのを聞き美伊はショックを受けます。
藤野は女に会ったほうが良いと言い、「孫氏はこう言うておりまする。敵を知り、己を知れば、百戦危うからずと。美伊様、敵を知れば、勝ったようなものにござりまする」と言います。
美伊の口癖の「勝ったようなもの」を藤野が言っていたのが印象的でした。

大内義興(よしおき)は安芸の国(広島県)の国人衆の制圧に乗り出し、尼子方に寝返った天野領米山城(こめやまじょう)を包囲します。
天野家当主の天野興定(おきさだ)は密かに敵国である大内方の毛利に使者を送り、大内との和睦を図ってほしいと願い出ます。
郡山城で評定(ひょうじょう)が開かれ、尼子方の天野など放っておけば良いという声が大半の中、元就は筆頭重臣の志道(しじ)広良にただちに間に入って和睦を図るように言います。
元就は「天野がそう願うてくること、察しがついておった」と言い、戦わずして天野に恩を売ることができるという狙いがあり智将ぶりが分かる場面でした。
一方元就の祖父の福原広俊は認知症の症状が出始め、元就と重臣達は心配します。

美伊は加芽が滞在している家を訪ねて話をし、城に来て側室になるように言います。
元就にこそこそ城を抜け出して密会されるよりもそれなら正室として貫禄を示せます。
しかし加芽は側室になるのを断り、「共に暮らせば、男と女子は必ず飽きまする」と言い元就と共に暮らしている美伊を絶句させます。

郡山城に戻った美伊は激怒しながら杉、杉の侍女の久(ひさ)、藤野に話を聞いてもらいます。
杉が「落ち着きなされ。殿には今、狐が憑いておるだけじゃ」と言うと、久が「いや、亀が憑いておると思いまするが」と突っ込んでいたのが面白かったです。
そして杉は自身が加芽に会って別れ話をまとめて来ると言います。

野田次郎が加芽を心配してやって来て一緒に因島に帰ろうと言いますが加芽は断ります。
そこに元就がやって来て次郎が嫌悪の表情を見せ険悪な雰囲気になります。
次郎は「元就に言うておく。大内であれ尼子であれ、これからは水軍を味方に付けた者が絶対に勝つ。されど水軍は元就の味方には断じて付かない。村上水軍は誇り高き海の武将じゃ!覚えておけ」と言います。
そこに今度は杉がやって来て加芽と話をします。
加芽が今回はお方様(美伊)に余計な心配をかけて心苦しく思っていると言い、元就は美伊が加芽に会いに来たことを知ります。
加芽が他の女子が磨いた男を奪うのは下品な仕業でそこまで成り下がりたくはないと言うと、杉は人の夫を好きになったというだけで十分下品だと言います。
しかし加芽が「好きな気持ちは止められませぬ」と言うと杉は「それはそうじゃ」と言い感心してしまいます。
そして加芽は元就にここで元就とだけ向かい合っていれば十分なので何も心配はいらないと言います。
元就は加芽が大事だと言いますが、しかし美伊も大切だと言い、次郎が「元就!両方大切などということがあるのか!」と掴み掛かっていました。

元就と杉が郡山城に戻り門の前に来た時、元就が「わしには入る勇気がない。美伊に何と言えばよいのじゃ」と言っていたのがかなり面白かったです。
杉も同じ思いで、別れ話をまとめてくると言ったのにこれではと気まずくなっていました。

元就が美伊の部屋に行くと美伊は荷物をまとめていて、息子の千代寿丸と娘の可愛(えの)を連れて吉川の里に帰ると言い元就は慌てます。
美伊が「あの女子のどこがお好きで、近寄られました?」と聞くと、元就は「いやそのなあ、なんじゃ、こう、いつも湯漬けばかりでは飽きて、ついその、生きのよい魚が食べとう…」と言い、この言い訳が酷過ぎて美伊はますます機嫌を悪くします
「はっ!美伊は、湯漬けじゃと」と怒りながら言っていました。

元就は一晩悩み、加芽のところに行って側室になってくれないかと頼みます。
加芽は「加芽は縛られるのが嫌いじゃ。されど、殿がそこまで言うてくれたこと、嬉しゅうござる」と言いしばらく考えることにします。

大内と天野の争いを仲裁した元就は天野と軍事同盟を結び大内方に引き込みます。
戦わずして敵を味方に引き込むという元就の狙いが見事に当たりました。
大内家重臣の陶興房(すえおきふさ)がやって来て元就に大内からの褒美として刀を渡し、「元就殿、大した武将になられたものじゃ」と笑顔を見せながら満足気に言います。

加芽の返事を聞く日が来て元就が家に行くと既に加芽の姿はありませんでした。
そして美伊に加芽に振られたことを言い「このとおりじゃ。許してくれ」と謝ります。
美伊は「此度(こたび)だけは、笑い話に致しまする」と言います。
しかし元就の足をつねりながら「男と子供は、痛い目に遭うて初めてやってはならぬことが分かります」と言っていてやはりまだ怒っているなと思いました
それでもやっと元就と美伊に仲の良い雰囲気が戻って良かったです。

三年が過ぎ、大内の安芸攻略が大詰めを迎えていた頃、突然前線に出ていた元就達を呼び出した義興は厳島を引き上げて山口に帰国すると言います。
元就が与し、興房が動いてくれて、芸備の国人衆のあらかたは大内方に戻って来たと言い、元就に「安芸のこと、後は頼む」と言います。
久しぶりに郡山城に戻った元就ですが安芸平定を夢見ていた義興の突然の心変わりが気がかりでした。



(大内義興。画像はネットより)

山口の義興の館では義興が声をかけて正室の綾の方、義隆と三人で梅見をします。
綾が「おかしな御屋形様。今まで三人で梅見をしようなどと仰られたことはござりませぬのに」と楽しそうに言うと、義興は微笑みながら「わしは三人で梅見がしとうて、厳島から帰国致したのかも知れんのう」と言います。
そして「辺りは墨絵のごとく冬枯れじゃというのに、真っ先に咲くのが梅の花じゃ。何やら、大内の家に似ておる。強く、美しく香りがあって、当家は末代までかくありたいものじゃ」ととても印象的なことを言います。

その夜、義興が急死します。
綾は「帰国致したのも、梅見も、死を感じられたゆえであったやも知れぬ」と言っていて、虫が知らせて死ぬ前に三人で過ごしたかったのかも知れないです。

義興の亡骸の前に並ぶ義隆、綾、重臣の陶興房、重臣の内藤興盛の元に興房の息子の隆房が現れます。
義隆が「父上は、大内は梅のごとくありたいと、望まれた」と言うと隆房は「御屋形様がまことに望まれたは、天下!御屋形様!陶隆房、義隆殿をお助けし、必ずや天下を取りまする!」と言います。
興房は義隆に息子は猪武者だが好きなように使ってやってくれと言います。

西日本最大の守護大名、大内義興死去の知らせはたちまち西国全土を駆け抜け、出雲の月山富田城(がっさんとだじょう)では尼子経久(つねひさ)と孫の詮久(あきひさ)が話をします。
経久は今こそ大内の攻め時と見ていて、詮久も今は毛利を討つ絶好の機会なのでただちに戦略を考えると言います。
郡山城では元就が「御屋形様を亡くした今、当家は後ろ盾を失った。尼子の標的にされるのは目に見えておる」と危機感を募らせていました。


今回は元就の浮気の言い訳の酷さと義興の死が印象的でした。
美伊とは仲直りできましたが義興の死によって再び戦の気配がしてきました。
大内、尼子の二大勢力の全面対決の戦になれば必ず毛利は巻き込まれます。
危うさのある義隆が率いる大内のもとで元就がどう尼子と戦いながら毛利家を守っていくのか注目しています。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神
第十九回 夫の恋


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