今日は早起きの日。あいかわらず眠いのですが、午前4時ごろ目が覚めて眠れなくなってしまったので、まだ日が昇っていない真っ暗な中を登校。時間に余裕があるなら歩いて行けばいいのですが、やはりまだその精神的な余裕はござりませぬ。登校後、TAの仕事、読書、年表作成、教育史学会投稿論文、と一日を過ごしました。
私の教育史学会投稿論文の題目は「大日本教育会および帝国教育会に対する文部省諮問」で、両会に対する文部省諮問を中心に論じる研究です。そこで、文部省諮問をやって何の意味があるぞや?という問題が発生します。一応、平原春好『日本教育行政研究序説』(東京大学出版会、1979年(初版1970年))を読んで、諮問は教育行政事務の質向上と教育行政への民衆参加という意味があることは勉強して、これまで論文を書いていました。しかし、最後の結論を書く際に、「事務の質向上はなんとなくわかるけど、教育行政への民衆参加ってどういう意味があるんだ?」と疑問に思いました。普通に考えて、行政の民主主義化みたいな感じの意味かな、と思いましたが、ちょっと調べてみようと思い、行政学の教科書である西尾勝『行政学』(有斐閣、新版2001年(初版1993年))をひもといてみました。西尾著によると、行政への民衆参加については、日本国憲法前文にある「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という文言から、「したがって、国民の側は、官僚制組織に多くを期待するのであればあるほど、これを統制する方法に工夫をこらさなければならない。」というのです。つまり、国民がみずからの福利を享受する目的の下、行政の官僚制組織をより多く利用するため、国民が行政を統制する方法に工夫しなくてはならない、という思想のもとに行政への民衆参加の必要性が考えられているのです。
もちろん、これはそのまま戦前にもちこむことはできません。大日本帝国憲法は、「朕国家ノ隆昌ト臣民ノ慶福トヲ以テ中心ノ欣栄トシ」として国民(臣民)の幸福を国家が考えてはいるみたいですが、国民が幸福を求める権利は認められていなかったようです。つまり、戦前の文部省諮問と戦後の文部省諮問とは同じものではないのです。この考察が、二日前の記事で三つ挙げたうちの一つをもう少し深く正確につっつく、ヒントを与えてくれました。
とりあえず、本日三時間くらいかけて修正完了。あとは誤字修正して、先生や先輩に見てもらって、問題なければ投稿できるかな。でも、月末に学会発表があるので、発表を最優先にして、ぼちぼち直していきます。
私の教育史学会投稿論文の題目は「大日本教育会および帝国教育会に対する文部省諮問」で、両会に対する文部省諮問を中心に論じる研究です。そこで、文部省諮問をやって何の意味があるぞや?という問題が発生します。一応、平原春好『日本教育行政研究序説』(東京大学出版会、1979年(初版1970年))を読んで、諮問は教育行政事務の質向上と教育行政への民衆参加という意味があることは勉強して、これまで論文を書いていました。しかし、最後の結論を書く際に、「事務の質向上はなんとなくわかるけど、教育行政への民衆参加ってどういう意味があるんだ?」と疑問に思いました。普通に考えて、行政の民主主義化みたいな感じの意味かな、と思いましたが、ちょっと調べてみようと思い、行政学の教科書である西尾勝『行政学』(有斐閣、新版2001年(初版1993年))をひもといてみました。西尾著によると、行政への民衆参加については、日本国憲法前文にある「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という文言から、「したがって、国民の側は、官僚制組織に多くを期待するのであればあるほど、これを統制する方法に工夫をこらさなければならない。」というのです。つまり、国民がみずからの福利を享受する目的の下、行政の官僚制組織をより多く利用するため、国民が行政を統制する方法に工夫しなくてはならない、という思想のもとに行政への民衆参加の必要性が考えられているのです。
もちろん、これはそのまま戦前にもちこむことはできません。大日本帝国憲法は、「朕国家ノ隆昌ト臣民ノ慶福トヲ以テ中心ノ欣栄トシ」として国民(臣民)の幸福を国家が考えてはいるみたいですが、国民が幸福を求める権利は認められていなかったようです。つまり、戦前の文部省諮問と戦後の文部省諮問とは同じものではないのです。この考察が、二日前の記事で三つ挙げたうちの一つをもう少し深く正確につっつく、ヒントを与えてくれました。
とりあえず、本日三時間くらいかけて修正完了。あとは誤字修正して、先生や先輩に見てもらって、問題なければ投稿できるかな。でも、月末に学会発表があるので、発表を最優先にして、ぼちぼち直していきます。