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10月5日(日) 雨。
天王寺公園にある大阪市立美術館へ行った。
http://osaka-art.info-museum.net/
9月9日(火)から10月19日(日)まで
特別展「没後80年記念 佐伯祐三展 」、
特集展示「大阪市立近代美術館コレクション」が開催されている。
http://osaka-art.info-museum.net/special020/special_saeki.html
http://osaka-art.info-museum.net/standing09/sta_spe_saeki_top.html
大阪生まれの洋画家佐伯祐三が30歳で亡くなって今年で80年だそうだ。
パリの街並に広告文字が踊るように描かれた風景画でよく知られている。
というか「佐伯祐三」と聞いて僕が思い浮かべるのはそんな絵だ。
今回新たに見つかった「カフェ・タバ」(1927年)も
絵の中に広告文字が踊るような筆致で描かれている。
全体的に明るく感じるのは保存状態が良かったからだろうが、
沈んだトーンの作品群の中で一際輝いて見えた。
同時開催の「大阪市立近代美術館コレクション」には
モディリアーニの「髪をほどいた横たわる裸婦」(1917年)が含まれている。
モディリアーニの最初の個展は展示されてる絵画が
猥褻すぎるという理由で中止となった。その個展に展示されていたのが
「髪をほどいた横たわる裸婦」であったのではないかとされている。
8月に姫路市立美術館で開催された「アメデオ・モディリアーニ展」にも
展示されていたが、この「髪をほどいた横たわる裸婦」は
大阪市立近代美術館のために大阪市が16億円で購入したもの。
実は「没後80年記念 佐伯祐三展 」を見に来たのは
この絵を見るためというのがもうひとつの目的であった。
「大阪市立近代美術館コレクション」には他にも
マリー・ローランサンの「プリンセス達」(1928年)、
ジャン=ミッシェル・バスキアの無題の作品(1984年)などがあった。
佐伯祐三の作品もコレクションの一部である。
現在のところ、大阪市立近代美術館はまだ建設されていない。
建設予定地から蔵屋敷跡が発掘されたことと、
大阪市が財政難に陥り建設費が捻出できなくなったためだ。
しかし昨年事業を見直した上で、5年ぶりに事業が再開されたという。
それにしても映画『アキレスと亀』を観た直後ということもあり、
絵画の評価について考えた一日でもあった。