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ベリーロール その2

ベリーロールにもさまざまなフォームがある。
理想的な踏み切りとされたのが
「ソビエト式踏み切り」というもので、
踏み切りの瞬間、膝をまっすぐに伸ばして踏み切る。
振り上げ足のパワーを最大限に活かして、
空中に体を引き上げる。
このスタイルの完成形が
東京オリンピックで優勝(2m18)したソ連(当時)の
ワレリー・ブルメル選手である。
このフォームで2m28を跳んだ。
今から言えば世界的には普通の記録だろうが、
当時としては見上げるような大記録である(当時の日本記録が2m10)。
このスタイルはどうしても足の動きが中心になって
上体はようやく付いていく形になり、
バーと平行な感じで跳ぶ選手が多かったが、
ブルメルはその驚異的な身体能力で(背筋が270kg、握力は100kgあったという)、
上体をきっちりとかぶせて、
まるでジャガーが獲物にとびかかるように跳躍した。
全体として、「自分の体を自分で空中に放り投げる」という感じだった。
もう2度とあんなダイナミックなフォームは見られないのだな。
ちょっと淋しい気がする。
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