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うたのイラスト(野崎小唄)

これは古い歌。
東海林(しょうじ)太郎という、歌謡曲草創期の大歌手が歌った。
彼はクラシック畑の出身で、歌謡曲への転身については、
ずいぶんと偏見的な見方とも闘わなければならなかったらしい。
この歌は、大阪の野崎神社への「野崎参り」の風景を歌ったもの。
屋形船に始まり、菜の花の盛り、日傘に蝶、
そして近松門左衛門の浄瑠璃にもなった「お染久松」の悲劇も盛り込んで、
たいそう絵画的な、粋な仕上がりになっている。
この曲は、やはり切れ味のよい、邦楽の伴奏で歌っているのが良い。
昔レコードで聴いたのが、記憶としては一番良かった。
彼はこのほか、「赤城の子守唄」「国境の町」「上海の街角で」「麦と兵隊」
などというヒット曲も持っている。
歌謡史に興味のある方は、聴いてみてもよいかもしれない。
イラストは、屋形船の舳先の方で、日傘をさしている想定で。

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