里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

マメガキ 岩山に野生化

2017-03-23 | 日記
朝はお茶やコーヒーをいただいてから出発しますから、一時間もしないうちに小用を
催します。街場ならコンビニなどを探すところですが、山沿いを走行しているときは、
空地や横道に車を入れて用を足します。
すっきりして何気なく上を見上げると、サクランボくらいの大きさの、何かの実が
たくさん生っています。夏に観察したマメガキのようです。
昨年までは全く知らなかった樹木なのに、今年はこれで三例目です。
怪我の功名などと言われますが、私の場合は「小用の得」と言ったところでしょうか。
撮影したのは登米市東和町北部の、北上川近くの岩山直下。




                            二枚とも2015.10.22撮影

原産地は西アジアから中国、朝鮮半島で、古い時代に中国から渡来したとされます。
中国の遼寧省も原産地域に含まれていますから、かなり耐寒性があるようです。
それ故、かつては信越から東北地方にかけて栽培されていて、未熟の果実から柿渋
をとり、防水・防腐目的で傘・渋紙などに塗布していたようです。
その頃は何でも自給自足が原則でしたから、普通の柿が育たないような寒い
東北地方でも栽培されていたのでしょうね。

私が見つけていないだけで、旧家の屋敷周りや裏山にはマメガキが野生化
しているのかも知れません。
今年見つけたのは登米市登米町日根牛地区の野生化した木と、一関市花泉町
永井地区の民家の屋敷周りで、こちらは植えられた若木でした。
霜が降りる頃に完熟して黒紫色になり、甘みが増すようですから、その頃に再訪し
試食したいものです。黄褐色のうちはまだ渋い、と解説されていました。


                                2015.10.22撮影

カキノキ科カキノキ属の落葉広葉樹、樹高10mの高木で雌雄異株。
原産地は西アジアから中国、朝鮮半島で、日本へは古い時代に渡来したとされる。
この木の未熟果実から柿渋をとり、それを塗布することで水を通さなくなるため、ゴムや
ビニールのない時代には雨合羽や水を防ぐ渋紙として重宝され、各地に植栽された。
樹皮は暗褐色で、不規則に浅く割ける。
葉は互生し、葉身は楕円形~長楕円形で長さ6~14cm、幅4~6cm、先端は細く尖る。
質は厚い方で、葉表は濃緑色でやや光沢があり、縁に鋸歯はない。
葉柄の長さは1cmほど。
花期は6~7月、花は長さ0.5cmほどの鐘形で雄花は紅紫色、先端は4裂して反り返る。
雌花の色は雄花に比べて少し色合いが淡い.
果実は液果で、直径1~2cmの球形、秋には徐々に黄色~黄褐色に熟し、完熟すると
黒紫色になり、甘く美味しい。


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