里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アワコガネギク 外来種かも 

2017-03-23 | 日記
登米市から南三陸町へ向うべく、国道を東へ走行していると、山手の道路際に
黄色い花がたくさん咲いています。草姿がセイタカアワダチソウとは違いますから、
アワコガネギクが咲き始めたのでしょう。
朝の澄んだ空気の元、朝日を浴びた黄花が鮮やかに群れ咲いています。

今まで日本の野菊として親しんでいたのですが、ある疑念が湧いてきました。
この花の別名はキクタニギクと言い、京都東山の菊谷にたくさん自生しているので
そう名付けられたのですが、その菊谷では絶えてしまったそうです。
隣の岩手県でも準絶滅危惧種に指定されています。
なぜ ? 道路際にたくさん咲いているでしょうに。




                            二枚とも2015.10.17撮影

実は、道路法面などに咲いているアワコガネギクは、外来種と疑われているのです。
それは道路工事の際に、法面緑化のために何種類かの植物の種子を吹き付けている
のですが、その90%ほどが韓国・中国産種子であるため、いま咲いているアワコガネギク
の多くが、外来種なのではないかという疑惑なのです。
国道や県道沿いに咲いているのが外来種で、山奥の林道沿いに咲いているのが在来種
と定義できれば話は早いのですが、多くの車が行き交う昨今、そんないい加減な
線引きができるはずもありません。
私が撮った写真も、外来種かも知れないのです。遺伝子レベルでしか在来・外来の
違いが判らないとすれば、素人が見分けることはできません。
こういう状況を遺伝子汚染と言うようです。


                                2015.10.17撮影

キク科キク属の多年草で、主に本州の太平洋側の近畿~岩手県に分布する。
丘陵~山地の日当たりの良い草地、崖、道路法面などに自生する。
キクタニギクとかアブラギクの別名もあるが、黄色の花が泡のように集まって咲くので、
泡黄金菊の名が一般的になった。
根茎は短く、茎は直立して叢生、草丈は60~120cm、秋には斜面の谷側に傾倒する。
葉は有柄で互生し、葉身は長卵形で長さ5~7cm、羽状に3~5深裂し、先端は尖る。
葉質はやや薄く、両面に細毛があって光沢がない。
花期は10~11月で、茎の上部で多く分枝し、先端部に5~15花が笠形に密集して咲く。
頭花は直径1.5cmほど、中心の筒状花だけでなく、これを取り巻く舌状花も黄色。
総苞片は3~4列、外片は線形~狭長楕円形となる。
果実は痩果で、冠毛はない。


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