知人から庭のミスミソウが咲いたと聞いたのが一週間前、そろそろ山でも咲き始め
たのでは ? と奥羽山系の「ミスミソウの谷」へ行ってきました。
ミスミソウはかなり希少な種で、そのうえ園芸的な人気のある植物のため、自生地の
特定に繋がるような記述は控えざるを得ません。
一帯は標高200~300mの低山ながら、険しい地形のため林道や登山道はありません。
山越えでその谷間に下ると、斜面のあちこちで白いツボミが綻びかけていました。
二枚とも2016.3.26撮影
自生地は岩山下部の急斜面で、風化した岩屑や砂礫のザレ場になっていて、
撮影すべく斜面を横断していくと、足元の砂礫がズルズルと崩れていきます。
岩は脆い安山岩質で、地震や大雨のたびに小崩落が繰り返されているようです。
そんな不安定な場所なので、小さな笹や岩スゲ以外の植物は育ちにくく、常に
岩屑や砂礫がむき出しになっています。
それゆえ微小なミスミソウの種が、地に播かれた後も草木に埋没することなく、
発芽して生育できるのでしょう。
この自生地では撮影時は多くがツボミでしたから、花の盛期は一週間後でしょうね。
殆どが白花で、淡紅色の花は二割程度でしょうか。
日本海側の新潟県や石川県のオオミスミソウ自生地では、青紫色や斑入りの
花などもあってバラエティを楽しめるようですが、ここでは二色だけのようです。
二枚とも2016.3.26撮影
ミスミソウ属にはミスミソウのほかに、オオミスミソウとスハマソウがあり、地方ごとに
棲み分けされていて、それに従えば宮城県内にはスハマソウが分布していることになる。
しかし葉の形を見ると、ミスミソウに近いように思われる。或いは中間型の可能性もある。
以上のことから、ここではミスミソウとして特徴等を記述したい。
キンポウゲ科ミスミソウ属の常緑多年草で、本州太平洋側~四国に分布する。
半日陰で水捌けの良い林床や崖などに自生し、草丈は5~10cm。
葉は根生し、長い葉柄がある。葉身は浅く3つに裂け、それぞれの先端が鈍く尖るので
ミスミソウと呼ばれる。葉の色は濃緑色だが、緑白色の斑が入る場合もある。
花期は3~4月、花は白~淡紅色で直径1~1.5cm、長さ10~15cmの花柄の先に
1輪だけ付く。花弁に見えるのは萼片で、花弁はない。
萼片は卵状披針形で6~10個付き、中央に多数の雌しべ、その周辺に多数の雄しべ
が付き、葯の色は白~淡紅色。花後にできる果実はそう果。
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