里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アマチャヅルの青い実

2019-10-07 | 日記
一関市藤沢町藤沢地区南部、小河川沿いの集落道を南に上がって行くと、道路と川の間に狭い
杉林があって、その日陰になった林際のつる植物に、房状の青い実が生っています。
林内に下りて観察すると、葉が鳥足状複葉ですからアマチャヅルでしょう。

杉林内を這っているアマチャヅルはよく見ますが、実が生っているのを見るのは初めてです。
つる植物の場合、低く這っている株は花も実も付けないことが多いのです。
このアマチャヅルは、絡む低木を得たことで実を付けるようになったのでしょう。




                             二枚とも2019.10.2撮影

アマチャヅルは中国にも分布していて、南部の福建省あたりでは七葉胆と呼ばれ、気管支炎、
肝炎、消化性潰瘍などの民間治療薬として利用されてきたようです。
我国では薬草としての利用はなかったようですが、昭和50年代にアマチャヅルの甘味成分に
関する研究が進められる中で、朝鮮人参と同様の有効成分サポニンが70種類以上も含まれる
ことが明らかになり、これを受けてアマチャヅル茶が人気となりました。

アマチャヅルは慢性気管支炎や胃・十二指腸潰瘍の治療に用いられるほか、関節リュウマチ、
低血圧、動脈硬化、肝臓障害、糖尿病、前立腺肥大、花粉アレルギーなど多くの症状に効果が
あると言われています。


                                 2019.10.2撮影

ウリ科アマチャヅル属のつる性多年草で、日本全土に分布する。雌雄異種。
山野の林内や林縁の、半日陰~日陰に自生し、やや湿り気を好む。
地下茎を横に伸ばし、先が膨れて越冬芽をつくる。
茎は細目のつる性で中空、巻きひげで他物に絡み付く。
葉は互生し、小葉は3~7個の鳥足状複葉で長い葉柄がある。葉表に太い毛を散生、葉縁や
葉裏の脈上にも毛を散生する。葉先は尖るものと尖らないものがある。
花期は8-10月、葉腋の円錐花序に小さな花を疎らに付ける。花は黄緑色で直径4~5mm。
花冠は5裂して平開し、先端は細長く糸状に尖る。萼も5裂する。雄花は雄しべ5個。
雌花は雌しべが1個あり、花柱は深く3裂し、先がさらに2裂する。
果実は直径6~8mmの球形の液果、ふつう種子が3個入り、黒緑色に熟す。
種子は長さ3mm、表面に突起がある。



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