里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

サワオトギリ 沼倉の林道

2017-03-04 | 日記

栗駒沼倉地区の三迫川沿いから、南西の山地に上がっていく林道があって、
これを辿るとなだらかな杉林の中を行くようになります。
杉は適宜間伐されているようで、林内も比較的明るく、林道沿いや林床には
各種野草が茂っています。一帯には広く赤土の層が広がっていて、水はけが
良くないのか、林道際や林床の随処にジュクジュクと水が染み出しています。
そんな林道際に咲いていたのが、サワオトギリの黄色い花です。




                             二枚とも2016.7.16撮影

よく見るオトギリソウに比べると全体が華奢で、花や葉も小振りです。
オトギリソウは古来有名な薬草であり、主な薬効成分はタンニンです。
また同時に毒性もあって、葉にある腺点の正体は黒紫色素のヒペリシンという成分で、
光作用性物質とのこと。放牧されている牛が食べ太陽光に当たると、皮膚炎になり
脱毛するといわれています。サワオトギリにも作用の強弱はあるにしても、同様の
薬効や毒性があると思われます。


                                 2016.7.16撮影

オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草で、北海道~九州に分布する。
山間の水田や耕作放棄地、水路沿いや湿地周辺などの湿ったところに自生する。 
茎は根際で多数分枝し、やや倒れ気味に斜上し、高さ5~40cm。
茎の上部でもよく分枝する。葉は対生し、葉身は楕円形で長さ2~4cm、短い柄がある。
明点を散布し、葉縁には黒腺があり、先端は円頭または鈍頭。
花期は7~9月で、茎の先や枝先に、直径1cmほどの黄色い花を咲かせる。
花弁と萼片に明線、ふちに黒点がある。萼は鈍頭で長さ3.5~5.5mm。
雄しべは少なく、葯は小さい。花柱は1.3~2mm、子房より著しく短い。
果実は蒴果、広卵形で長さ5~8mm、熟すと3裂し、種子は雨滴などで散布される。
種子は長楕円体、長さ0.7mmほどで茶褐色。



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