一関市室根町の津谷川地区東部、山中の細道を上っていると、傍らの落葉樹林内に
白い小さなツボミを付けた植物を見つけました。林内に入って確認すると、ギンランの
ように見えますが、葉が長いですから・・・ササバギンランでしょうか。
ところで、先にツボミと記述しましが、キンラン属では殆どの花が半開する程度ですから、
写真の花もツボミではなく、すでに花として咲いているものと思われます。
地図で確認すると、このあたりの標高は550mほど。さらに周辺を探すと、他にも4~5株
見つかりましたが、まだツボミが付き始めたばかりで、この株のようになるには一週間以上
かかりそうです。木漏れ日が当る場所の株だけ、早めに咲いたものと思われます。
二枚とも2018.5.26撮影
キンラン属のキンラン、ギンラン、ササバギンランなどは、山から採取してきても、決して
育つことがないと言われています。
ラン科植物はラン菌根と呼ばれる独特の菌根を形成し、殆どのものは多かれ少なかれ菌根から
栄養分を得ているため、生育には菌根が欠かせない。
菌根菌の多くは腐生菌であり、落葉や倒木などを栄養源にして生活している。
ところがキンランやギンランと共生する菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成し、
共生している菌であることが最近明らかにされた。
外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、栄養を樹木に依存しているため、 共生相手である特定種の
生きた樹木がなければ、生存することができない。
因ってキンランは、間接的に樹木から栄養を摂取しているとも言える。
理論上は菌根性樹木・菌根菌・キンランの、三者共生系がなければ栽培できない。
2018.5.26撮影
ラン科キンラン属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は20~50cm。
丘陵地~山地の落葉樹林内に自生するが、よく似たギンランよりも深山に多い傾向がある。
春に茎を直立させ、茎頂に白色の小さな花を数個付ける。葉は6~8枚が互生し、葉身は卵状
披針形で、長さ5~15cm、先端は尖り、基部は茎を抱く。 葉質はかたく、葉脈が著しく浮き
出る。裏面及び縁には白色の短毛のような突起がある。
花期は5~6月、茎頂に花序を出し、白色の花を上向きに数個付ける。苞葉は長い線形で、
花序より上に突出る。花は半開で、外側のガク(外花被片)は広披針形、内側のガク(内花被片)
は少し小形。唇弁の先端は3裂し、中裂片は心形、中央内面に淡黄褐色の隆起線がある。
唇弁の下の矩は短く、わずかに外側のガクの間に現れているが角張っている。
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