里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イワトラノオ 繊細な葉

2017-03-19 | 日記

気仙沼市本吉町馬籠地区から田束山五合目あたりまで、沢沿いに林道が上がって
いて、見上げる斜面には所々に頁岩の大岩が屹立しています。
沢沿いにあることや、杉林内で日陰になっていることから、色々な羊歯植物が
着生しているので、大岩を見つけるたびに岩登りの真似事をすることになります。
イワイタチシダやホソバナライシダが多いですが、稀にイワトラノオが着生しています。




                             二枚とも2016.1.8撮影

イワトラノオはとても小さな羊歯で、葉の長さは5~6cm、作りも繊細ですね。
岩壁に着生する羊歯ですが、単独で着生しているのは見たことがありません。
まるでコケから生えるかのように、葉を束生させている場合が殆どで、コケ同様に
日陰で湿気の多い環境を好むようです。
岩質にも好みがあるようで、石灰岩や石灰分を含んだ礫岩が多く分布する、登米市の
北上川東側の山地でよく見かけます。


                                 2016.1.8撮影

チャセンシダ科チャセンシダ属の常緑羊歯植物で、日本全土に分布する。
ただ、北日本や南九州ではごく稀で、岩手県~宮崎県が主分布域。
湿った石灰岩等の岩壁にコケとともに着生し、日陰を好む。
根茎は短く斜上し、3~10個の葉を束生する。
葉身は長楕円形で、基部の羽片は中間より小さめ。
二回羽状複葉で長さ5~10cm、羽軸の表面には溝がある。
葉は黄緑色~鮮緑色で、質は薄く柔らかい。
羽片には短い柄があり、葉裏のソーラスは1~4個付き、苞膜は黄白色。
東京都や神奈川県・埼玉県、日本海側の諸県では絶滅危惧種に指定されている。



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