石巻市北上町、林道から分かれて杉林沿いの荒れた作業道を下って行くと、林縁にリョウ
メンシダが群生しています。よく見ると、リョウメンシダの間に光沢のある葉を展開した
羊歯が散生しています。小羽片の形や、密生する鱗片などからイノデの仲間と思われます
が、具体的な種までは判りません。
各部位の写真を多めに撮って持ち帰り、羊歯図鑑と見比べてみましょう。
なお、杉の枯れた葉や小枝が散り積もっていたので、これらを除いてから撮影しました。
二枚とも2022.1.16撮影
オシダ科イノデ属には10種ほどの仲間があって、葉表の光沢の有無、葉柄の鱗片の色や形、
小羽片裏のソーラスの位置などで区別することができます。
写真の羊歯は葉表に光沢があり、葉柄の鱗片が淡褐色~栗色で細いことからアスカイノデ
かアイアスカイノデの何れかということになります。ただアスカイノデの鱗片は、もっと
細いような気がするので、アイアスカイノデの可能性が高いですね。
ソーラスの位置を見ると、小羽片の葉縁近くに付いているのでアイアスカイノデと同定し
ました。因みにアスカイノデのソーラスは、葉縁と小羽軸の中間に付いています。
二枚とも2022.1.16撮影
オシダ科イノデ属の常緑性羊歯植物で、本州の岩手県以南~九州に分布する。
丘陵~低山の林縁や林床に自生、宮城県内では杉林に多い。草丈は40~100cm。
根茎は塊状、葉を放射状に斜上又は直立する。
葉柄は葉身よりやや短く、基部には栗色~暗褐色で狭披針形の鱗片が密生する。
上部に行くに従い鱗片の幅は狭まり、最上部では毛状となる。
葉身は狭披針形。2回羽状複葉でやや細長く、先はしだいに狭くなり尾状に伸びる。
葉の表面は光沢のある深緑色で、質は硬めの草質。
小羽片は全縁または浅裂的で、先端にのぎ状突起がある。
ソーラス(胞子嚢群)は小羽片の辺縁寄りにつき、耳の下側には優先的につく。
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