松島町東部、丘陵地の狭間の農道を山手へ歩いて行くと、路肩や山裾の草地に何かの根生
葉が密生しています。しゃがみ込んで観察すると、イワニガナ(別名ジシバリ)の仲間のオ
オジシバリの根生葉のようです。ほとんど枯れた葉がないので、寒さに強いのでしょう。
この辺りでは斜面下の湿り気のある場所や、水路沿いにふつうに群生しています。
二枚とも2022.1.8撮影
オオジシバリが属するキク科ニガナ属の植物には、ニガナ、ノゲシ、オニタビラコなどの
種があり、その何れもが茎や葉を千切ると白い乳液が浸み出てきます。
この乳液の主な働きは素早く傷口の修復をすることで、それで細菌やカビの侵入を防ぐと
言われています。成分としてタンパク質、糖質、脂質、アルカロイド、テルペノイドなど
が含まれており、それらの副次的な作用で寒さに強いのではないでしょうか。
二枚とも2022.1.8撮影
キク科ニガナ属の多年草で、日本全土に分布する。草丈は20cmほど。
日当たりのよい水田の畦や水路沿い、農道沿いの湿った場所などに自生する。
茎は細く、浅い地中または地上を這って伸び、節から根を出して群生する。
茎や葉を切ると白く苦い乳液を出す。
葉は根生し、葉身は倒披針形~へら状楕円形で長さ6~20cm、 下部が羽状に切れ込むこ
とがある。質は薄く、基部が次第に狭まり葉柄に続く。
花期は4~5月、花茎は高さ20cmほどになり、2~3個の黄色い頭花をつける。
頭花の直径は2.5~3cm、すべて舌状花からなる。
総苞は長さ12mmほどで、内片が9~10個、外片は短く、内片の1/3長に満たない。
痩果は7~8mmと大きく、上半は嘴状にとがる。冠毛は白色。
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