里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

芝地のアリアケスミレ

2018-05-04 | 日記
散歩で町の公共施設の外周を回っていると、荒れ気味の芝地の片隅に、白い花を付け
たスミレが数株生えています。
かがみこんで観察すると、花弁に紫色の条線が入っていますし、花びらそのものが淡い
紫色のものもありますから、アリアケスミレでしょうね。
湿った草地などに生えると図鑑には書かれていましたが、この辺りの芝地はやや乾燥気味な
ようです。ただ、雑草が生えていますからそこそこ日差しが遮られ、そんなに湿り気が無く
ても、大丈夫なのかも知れませんね。




                             二枚とも2018.4.27撮影

アリアケスミレの花色ですが、花びらの色や条線の入り方には、個体や集団による変化が大き
いといわれています。白い花が多い印象がありますが、淡い紫色に近いものもあるようですし、
条線の紫色の濃淡や太さにも変異が多いようです。私の写真からも、それが見てとれます。

アリアケスミレの名の由来もそこにあるようで、花色の変化に富むさまを「有明の空」に例えた
ものと言われています。ちなみに有明とは「空に月が残ったままで夜が明ける、陰暦16日以後
の夜明け」のことで、次第に明けていく空の色の変わりゆくさまを表現しています。


                                 2018.4.27撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は10cmほど。
低地~山間の湿った休耕田や農道、集落周辺や河川敷などに自生し、日当たりを好む。
根茎は短く、少数の太くて長い根を生やす。
根出葉だけを出し、立ち上がる茎を持たない。葉は数個群がり立ち、水平に開くことが多い。
葉身は線状披針形で、長さ5.5~8cm。鈍頭で、基部は切形またはわずかに心形、縁には下方に
鈍鋸歯があり、上方は間遠な低い鋸歯となる。葉柄は葉身よりも短く、上部に短い翼がある。
托葉は披針形、下半は葉柄に合着する。
花期は4〜5月。花は白~淡紫色で直径2cmほど、唇弁と側弁に紫条が入る。側弁の基部には
毛が多く、柱頭はカマキリ型。距は長さ4mmほど、短くて太い。萼片は披針形。
花柄は長さ9~12cmで、葉よりも著しく高くなることはない。
果実期の葉は耳の出た長3角形で、その両縁はやや凹曲線を描く。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿