里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イヌホウズキ 白花と黒い実

2018-10-22 | 日記

岩手県一関市花泉町永井地区の南東部、細い集落道を歩いていると、牧草地脇に草むら
があって、白い小さな花が幾つも咲いています。
歩み寄って確認するとイヌホウズキの花です。イヌホウズキは道端や空地などでよく見る
植物ですが、多くは既に黒い実を付けていますから、この草むらの株だけ花の咲くのが
遅れているみたいですね。たぶん一度刈り払われたのでしょう。
そこから再度茎や枝を伸ばしたため、花が咲くのが遅くなったものと推測されます。




                             二枚とも2018.10.19撮影

牧草地から南へ向かうと、丘陵地の中段にある農家の私道脇には、たくさんの実を付けた
イヌホウズキが茂っていました。こちらの株は実だけで、既に花は終わっていました。

イヌホウズキは、中国南部あたりから入ってきた史前帰化植物といわれていますが、近年は
これとは別に、数種類のイヌホウズキの仲間が入り込んでいるようです。
代表的な二種を下に記します。

オオイヌホウズキは南アメリカ原産。
茎に小さなトゲがあり、花はやや大きめで横向きに咲く。
果実にも違いがあって、表面にやや光沢がある。

アメリカイヌホウズキは北アメリカ原産。
花は淡紫色で、横~上向きに咲く。
果実表面にやや光沢がある。




                             二枚とも2018.10.19撮影

ナス科ナス属の一年草で、日本全土にごく普通に分布している。
世界的に見ても温帯から熱帯まで、広い範囲に分布していると言う。
草丈は60cmほど、多くの枝を分けて乱雑に茂る。
花は8~10月にかけて、直径8mmほどの白花を次々と咲かす。
10~11月にかけて、直径7mmほどの液果は黒く熟し、中には1.5mmほどの種が
10~20個入っている。
全草にソラニンやサポニンを含み有毒。誤って摂取すると、めまい・嘔吐・下痢などの
症状が現れる。摂取量が多ければ、痙攣や昏睡状態に陥ると言う。
薬草としての利用法もあると言うが、素人は控えた方が無難であろう。



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