里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キクイモ 荒れた牧草地

2017-10-08 | 日記

気仙沼市本吉町の馬籠地区北西部、丘陵の麓の荒れた牧草地に、黄色い花が
群れ咲いています。草丈がありますからキクイモでしょう。
ただ、多くの株が倒れ伏していて、茎の先端だけをもたげて花を咲かせていますから、
9月中旬の台風18号で倒されたのでしょうね。

名の由来は、キクに似た花が咲き、地下に芋状の塊茎があることによります。
北アメリカ原産の帰化植物で、江戸末期頃に我が国へ入ってきたようです。
非常に繁殖力が強いため、在来種に対し競合・駆逐のおそれがあるとして、現在
では、環境省から要注意外来生物に指定されています。




                        二枚とも2017.9.30撮影

キクイモには「天然のインシュリン」といわれる「イヌリン」という成分を豊富に
含んでいることから、最近では美容や健康面から注目を集めています。
このイヌリンは水溶性食物繊維です。体内に入ると水分を含んでドロドロの状態に
なり、腸で余分な糖質・脂質の吸収を抑えてくれます。
これにより、血糖値の上昇を抑える効果が期待できるようです。

キクイモは健康食材でありながら、しかも美味しいといいます。
生のキクイモは、シャキシャキ感がありサラダに合いますし、生産地では天ぷらや
きんぴらにして食べているようです。主な生産地は東北地方や九州。


                            2017.9.30撮影

キク科ヒマワリ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
耕作地周辺や道端、河川敷などで野生化していて、草丈は1.5~3m。
根茎があり、成長すると塊茎をつくる。塊茎は瘤状で大きいものは長さ7.5~10cm
10数%のイヌリン(多糖類)を含み、アルコールの原料となる。
茎や葉に荒い毛を密生しざらつく。茎は直立し、茎葉は茎の下部では対生、上部で
は互生する。葉身は披針形~卵形で長さ10~23cm、基部付近から3脈がある。
葉の先端は尖り、基部は葉柄に流れて狭い翼となる。縁は全縁~鋸歯縁。
花期は8~10月、上部の枝先に黄色の頭花を1個ずつ付ける。頭花は直径6〜8cmで、
内側には筒状花が多数集り、まわりには10〜20個の鮮黄色の舌状花が1列に並ぶ。
総苞は半球形で、総苞片はふつう3列に並び、上半部はそり返る。
果実は痩果だが、できにくい。



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