里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カラスビシャク 道路法面

2017-08-14 | 日記

東松島市上下堤地区の、丘陵地の麓の集落道を歩いていると、畑との間の法面に
気になる三つ葉が群生しています。
子供の頃に畑の草むしりを手伝わされましたが、その際にむしったカラスビシャクの
ように思われます。最近は畑周りを散歩しても、ほとんど見かけなくなりましたから、
久しぶりで懐かしいですね。機械で深耕するせいか、除草剤を撒くせいか、耕作地周辺
では絶えてしまったのかと思っていました。


                                 2017.8.11撮影

付近を捜すと何本か花茎が立ち上がっていて、先の方にはサトイモ科特有の仏炎苞も付
いています。仏炎苞の開いたところから、上に長く伸びているのは付属体ですね。

地下に直径1cmほどの白い球茎があり、夏以降にこれを掘り採り、外皮を除いて乾燥したもの
が生薬の半夏(ハンゲ)となります。すぐれた鎮吐剤で、吐き気を鎮める作用のほかに、のどが
はれて痛むときにも用いられます。
有効成分はアミノ酸類、アルカロイドのコリン、シトステロールの配糖体、エフェドリンなど。


                                 2017.8.11撮影

サトイモ科ハンゲ属の多年草で、日本全土に分布し、草丈は20~40cm。
半日陰から日なたの、道ばたや土手、畑や果樹園などに自生する。
地下の球茎は直径1~2cm、有毒だが生薬として用いられる。
球茎から長さ15~20cmの葉柄を伸ばし、先に3小葉(2~5個)を付ける。
小葉は長楕円形で長さ3~10cm、基部は楔形で、先端は尖鋭形。葉柄の途中と小葉基部には
球芽(むかご)を付け、これと果実の両方で増える。
花期は5~8月、葉よりも高い位置に花茎を伸ばし、茎頂には仏炎苞に包まれた肉穂花序を付ける。
花序の上部に雄花、下部に雌花が付き、花軸の上方は細長い付属体になる。
付属体は、基部付近が黒く、仏炎苞の開いたところから上に長く伸び出て、全体の高さは30cmほど。
花後の果実は液果で、花軸に密に付く。



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