里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオバキスミレ 宮崎の群生地

2020-04-18 | 日記

加美町宮崎地区西部、林道を上がって行くと、山側法面の何箇所かに、黄色い花を付けた
植物が群れ咲いています。黄花のスミレなので、オオバキスミレですね。
主に日本海側の山地に分布する種ですが、宮城県内でも、雪の多い奥羽山系の山には自生
すると聞いてはいました。ただ、今まで花期に合わせて踏査できなかったため、自ら観察
するのは今回が初めてです。
この種は根茎を横に這わせて増えるタイプなので、群生する傾向があるようです。

                              二枚とも2020.4.16撮影

この辺りの表層地質は火山灰由来の凝灰岩からなっていて、比較的軟らかく透水性がある
ようで、林道法面の岩盤からも水が浸み出しています。
やや湿った場所を好むオオバキスミレですが、急な岩盤からなる法面ながら、あちこちに
散りばめたかのように黄色い花を咲かせています。透水性のある岩盤ゆえのことでしょう。

さらに行くと、林道の路肩にかなりの株数で群生しています。
この路肩には、凝灰岩が風化した土が、腐葉土と混ざって厚く積もっていますから、水持ち
が良いのでしょうね。路肩を覆いつくすかのように、群れ咲いていました。
まさに花の盛りに訪れたようです。

                              二枚とも2020.4.16撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、北海道~京都以北の本州の、日本海側に分布する。
低山~亜高山帯の林床や林縁のやや湿ったところに自生し、しばしば群落を形成する。
根茎は横に這って分岐し、その先に新株が出る。
地上茎は直立し、色は紫褐色。草丈は15~30cm。
上部に心形の葉を3〜4個付け、上部の葉ほど小さくなり、葉柄も短い。
葉の先端は尾状に尖り、縁の鋸歯は明瞭。葉の質はやわらか目で、葉脈は窪む。
葉表にはやや光沢がある。
花期は4~6月で、葉腋から長さ3~7cmの花柄を出して、1~3個の黄花を付ける。
花の直径は1.5~2cmで、唇弁と側弁に紫褐色の条線が入る。距は短く半球形。
果実はさく果で、熟すと下部が裂開して種子を散布する。



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