里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

タラノキ 無数の黒い実

2018-10-24 | 日記
岩手県一関市花泉町永井地区の南東部、付け替えられた幅広の集落道を歩いてい
ると、谷斜面に生えたタラノキに数え切れないほどの黒い実が生っているのを見つけ
ました。大きな房状に生っていて、主軸の長さは40cmほどもありそうです。
低い位置にある房を観察すると、黒く熟しているように見えますが、まだ野鳥が啄ば
んでいませんから、完熟していないのかも知れませんね。

黒い実は人の目には地味に見えますが、これを餌とする野鳥には目立つ色なんだとか。
黒色や黒紫色の果実は紫外線を反射していますが、その波長を人は感じとることができ
ません。ところが野鳥はこれを感知できますから、彼らにとっては黒い果実は目立つ色
で探しやすいのだそうです。




                             二枚とも2018.10.19撮影

タラノキは日当たりのよい山野の伐採跡地や、道路工事後の法面、土砂崩れ跡などで、逸早く
芽を出して生長する先駆樹種の1つです。それは種子が土中で長い年月を休眠状態で生き続け、
伐採や道路工事などで、明るい環境になると芽生えるためです。

休眠状態にあった土中の種子は、誰がどのように播いたのでしょう。
野鳥の研究者などによると、タラノキの実を食べるのはメジロ、キジバト、コガラ、ツグミ、
ハシブトガラスなどですが、特にメジロが好んで食べるようです。これらの鳥は実を丸呑み
しますが、種子を吐き出したりはしません。林縁や林内を飛び回るうちに糞を排泄するので、
それに含まれる種子を広く播き散らすことになるのです。




                             二枚とも2018.10.19撮影

タラノキは2016年の8月に観察して、記事をアップしています。
属性や特徴については、下の青字をクリックして参照願います。
タラノキ 胃腸の良薬



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