南三陸町西部、山地の狭間の農道を上がり詰めると、そこにはかつて鉱山があったようで、
斜面下や沢に砕石状のズリ石が散乱しています。
他にも、かつての飯場か事務所跡と思しき平坦地が、何か所かあります。
農道を上がり詰めてから南側の斜面を登って行くと、雑木林の中に一本の常緑針葉樹が聳
えています。少し登って確認すると、ヒノキの仲間のようです。
二枚とも2024.2.4撮影
帰宅後に樹木図鑑をめくると、ヒノキの仲間にはヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロなど
があり、それぞれの特徴が記述されています。
ネズコは葉序の先の単葉がもっと幅広なので、写真の葉とは違います。
アスナロは葉序の先の単葉が幅広で、かつ鋸の歯のように両側にはみ出していますから、
これとは違いますね。そうすると、写真の葉はヒノキかサワラということになります。
今回、葉裏の写真を撮らなかったので、ヒノキとサワラの違いが判りにくくなってしまい
ました。ヒノキは小枝に付く側枝が湾曲したり、長さがまちまちだったりしますが、サワ
ラは小枝に付く側枝が乱れずに整然としています。
私の写真の葉には側枝の湾曲や長さの不揃いがあるので、ヒノキと思われます。
ヒノキの分布域を見ると福島県以南となっていますが、この辺りにはけっこう植林されて
いて、そこから逸出したのではないでしょうか。
二枚とも2024.2.4撮影
ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹で、樹高30mの高木。雌雄同株。
福島県以南の本州~九州に分布し、山地の乾き気味の尾根や斜面などに生えるが、植林され
ることが多い。幹は赤褐色、樹皮は薄く縦に裂けて長い裂片となって剥れげ落ちる。
葉は十字対生し、側枝は互生して水平につき、鱗片状の葉に包まれ、先端は鈍頭。
表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色。2つ折りの葉と菱形の小さな葉が交互に並ぶ。
葉裏にはY字形に見える白色の気孔帯がある。
花期は3月中旬~4月、雌花は直径3~5mmの球形、雄花は長さ3mmほどの惰円体。
果実は熟すと直径1cmほど、赤褐色になり、果鱗が開いて種子を落とす。
種子は2~4個ずつ果鱗の間に入り、光沢のある褐色で、長さ3mmほどの卵状惰円形、翼が
あり、中央にこぶ状の突起が1~2個ある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます