里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

キササゲの花 中国原産

2017-03-07 | 日記
町の中心街から北東に向かい、丘陵の裾を巻くように散歩していると、道路脇の
小高木に、黄色っぽい花が房状に咲いているのを見つけました。
大きな葉はキササゲのような ? たしか・・花は梅雨時に咲くような記述を見た記憶が
ありますから、キササゲでしょうね。

帰宅後に樹木図鑑で照合すると、キササゲで間違いないようです。
秋の細長い果実は何度も見ていますが、こんな黄色い花が咲くんですね。




                             二枚とも2016.6.29撮影

キササゲの原産地は中国南部で、中国名は梓(し)です。
日本で言う梓(あずさ)は全く別の木で、カバノキ科のミズメにこの字を当てています。

梓は材が軽く柔らかい上に狂いや割れも生じにくく、切削も容易で腐りにくいことから、
建築のほか、さまざまな器具や楽器にも用いられました。
書籍の木版印刷に用いる版木としても優れていたため、梓は版木を意味することになり、
さらには製版印刷そのものを指すに至ったようです。
今日の日本でも、本を出版することを「上梓」と言うのは、それに由来するのでしょう。


                                 2016.6.29撮影

ノウゼンカズラ科キササゲ属の落葉広葉樹で、樹高5-15mの高木。
中国南部原産で、奈良時代の頃に渡来した帰化植物。今では日本全土に分布する。
古くから植栽されたため山野に逸出し、日当たりのよい川岸などに野生化している。
樹皮は灰褐色で円形の皮目が多く、成木では縦に浅く裂ける。
葉は対生し、葉身はやや三角形状の広卵形で、長さ10~25cm、幅7~20cm、
浅く3~5裂し、先端は短く尖り、縁に鋸歯はない。
基部は心形で、葉柄の長さは5~20cm。
花期は6~7月で、枝先に長さ10~25cmの円錐花序をだし、黄白色の花を多数つける。
花冠は長さ2~3cmの漏斗形、上部は5裂しやや唇形、内側には濃紫色の斑点がある。
雄しべは5個、花柱(雌しべ)は雄しべと同長で、柱頭は2裂する。
果実は蒴果で、長さ30~40cm、幅5mmほどの線形、果序の軸から垂れ下がる。
果実は落葉後も長く枝に残る。
種子は長さ8~10mmの扁平な長楕円形、両端に長い毛が密生し、風で散布される。



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