里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カラスノゴマ 名残の花

2020-10-08 | 日記

登米市東和町錦織の嵯峨立地区北西部、小河川の中流部にロックフィルダムが築かれてい
て、かなり大きな貯水池になっています。

ダムサイトから車道を下流側へ下って行くと、道路の山側法面の草叢に、黄色い花が点々
と咲いています。急な法面を登って花を観察すると、直径1.5cmほどの黄色い五弁花ですが、
多くはすでに結実していますから、名残の花という印象です。
初めて見る花ですね、周辺には牧草地や牛舎があるので、帰化植物でしょうか ?
道路法面の幅5m X 高さ2mの範囲に群生しています。

                              二枚とも2020.10.1撮影

帰化植物でも野草図鑑に載っていることが多いので、季節を考慮して探すことにしました。
「秋の野草」という植物図鑑の全ページを見ましたが、似た植物は収載されていません。

次は「野草図鑑7 さくらそうの巻」を見てみましょう。この図鑑には4~5弁花が多く
収載されていますから、写真の黄色い5弁花が載っているかも知れません。
初めからページをめくっていくと、黄色い5弁花が載っていて「カラスノゴマ」とあります。
草姿や葉の形が私の写真の植物とそっくりですから、これでしょうね。
カラスノゴマは在来種で、分布域が関東以西となっているのが気掛かりですが、最近はそれ
を宮城~岩手県でよく見つけているので、あまり気にしなくてよいのかも知れません。

                              二枚とも2020.10.1撮影

アオイ科カラスノゴマ属の1年草で、東北南部〜九州に分布し、草丈は30~90cm。
道端や空地、耕作地周辺や林縁などに自生する。
茎は円くて直立し、分枝して高さ30~90cmになる。茎や葉、萼に星状毛が密生する。
葉は互生し、葉身は卵形で長さ2~7cm、先端はやや尖り、基部は円形または切形。
縁には鈍い鋸歯がある。葉柄は長さ1〜2cm。
花期は8〜9月、葉腋に直径1.5cmほどの黄色い花を1個ずつ下向きに付ける。
花弁は倒卵形で5個、萼片は線状披針形で反り返る。雄しべ10~15個、その間に雄しべ
より長い仮雄しべが5個あって、花外に突き出る。雌しべは1個で子房は3室。
果実は蒴果。細長い円柱形で長さ3~4cm、すこし湾曲し星状毛がある。熟すと3片に
割れて多数の種子を出す。種子は卵形で長さ2.5mmほど、横に隆起線がある。 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿