里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミズオトギリの新芽か

2020-03-18 | 日記

栗原市金成普賢堂地区北西部、山間に数枚の田んぼがあって、昨秋の稲株が残っています
から今も耕されているのでしょう。その畦の脇に湧水が溜まったような小湿地があって、
何かの新芽が20本ほど伸び始めています。
葉が対生していて、葉身の形がオトギリソウに似ていることから、その仲間のミズオトギ
リという種と思われます。この植物は浅い水辺などに生える抽水植物ですから。

                              二枚とも2020.3.12撮影

観察すると、線上に連なるかのように生えています。
これは地下に細長い根茎があって、そこから新芽が生えてくるためと思われます。
また貧栄養の水辺を好むためか、関東や近畿以西ではかなりの希少種のようで、多くの都
府県が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定しています。

「白老ヨコスト湿原 ミズオトギリより」

                                  2020.3.12撮影

オトギリソウ科ミズオトギリ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は30~70cm。
低地~山地の池沼や湿地、耕作放棄田などに自生し、抽水状態で見られることが多い。
紅紫色の細長い根茎があって、よく分枝して広がり群生する傾向がある。
茎は円柱形で、分枝せずに直立する。基部は赤紫色を帯びることが多い。
葉は無柄で対生する。葉身は長楕円形~披針状長楕円形で長さ3~7cm、全縁で円頭、
基部は丸い。網状脈が目立ち、明点が散在する。
花期は8~9月、花序は葉腋に付き、直径1cmほどの淡紅色の花を1~3個付ける。
花は1日花で、午後2時頃から咲く。花弁は狭倒卵形、雄しべは9個で、葯の先端に小さな
突起があり、基部で3個づつ合着。雌しべの花柱は3個、離生し、互いに相寄り直立する。
萼は卵状楕円形で5個、赤褐色を帯び、長さ3~4mm。
果実は楕円状球形の蒴果、長さ1cmほどで鋭頭。熟すと3裂する。
種子は楕円形で、長さ1mmほど。

 



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