加美町宮崎旭地区西部、沢に並行する林道を上がって行くと、湿った斜面下にたくさんの
青紫色の花を付けた植物が帯状に群生しています。林道をさらに上がって行くと、似たよ
うな小群生地が、斜面下の林道端に点々と続いています。花がシソ科のそれらしく見えま
すし、葉の先が亀の尾状に伸びていますから、たぶんカメバヒキオコシでしょう。
二枚とも2020.10.9撮影
野草図鑑で確認すると、花や葉の形からカメバヒキオコシで間違いないでしょう。
カメバヒキオコシには丈夫な地下茎があって、これを四方に伸ばして増えるので、林道沿
いのあちこちに群生しているものと思われます。湿り気のある半日陰に多いですね。
仲間のヒキオコシやヤマジソよりも花が大きく、長い花穂にたくさんの花を付けるので、
見て楽しめる野草です。名の由来は、ヒキオコシの仲間で、葉の先端の長い裂片が亀の尾
を思わせることから付けられたようです。
二枚とも2020.10.9撮影
シソ科ヤマハッカ属の多年草で、本州の東北南部~中部に分布し、草丈は60~90cm。
山地の湿り気のある林縁や林道沿いなどに自生する。
木質化した地下茎があって、これを四方に伸ばして増える。
茎は4稜形で下向きの短毛が生える。
葉は対生し、葉身は広卵形~卵形で長さ5~10cm、葉先は3裂し、中央が尾状に伸びる。
葉縁には鋭い鋸歯があり、葉柄は長く翼がある。
花期は8~10月、茎頂と上部の葉腋から長い花穂を出し、下から順に青紫色の唇形花を多数
咲かせる。花柄や萼には開出毛が密生する。花冠は長さ1cmほどで上唇は反り返り、先は4
浅裂する。下唇は舟形で、雄しべは4個、うち2個が長い。萼は5裂、3角形で先は尖る。
花が終わると萼片が紫色の花のように残る。
果実は4分果で、萼に包まれる。種子は球形で直径1mmほど。
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