里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ネジバナ 芝生に群生

2017-03-06 | 日記
我家の芝生の一角に、たくさんのネジバナが咲き始めました。
農道に生えていたものを数株移植したのですが、よほど我家の芝生が快適なのか、
どんどん増えてしまい、今では草むしりの対象になってしまいました。
けっこう逞しい野草で、むしっても何本もの太い根が残っているため、翌年も花を咲か
せます。ただ、花茎が低くなり、花も小振りになりますが、それで丁度良いくらいです。
大切にしすぎると、花茎の高さが40cmほどにもなり、風で倒されてしまいますから。

雑草が多いのはこの時までで、撮影後にきれいに草むしりしました。
ネジバナも一緒に (^^;




                             二枚とも2016.7.14撮影

ネジバナは別名を「モジズリ」と言います。
現在の福島市辺りの、信夫郡(しのぶぐん)で作られていた染物「信夫捩摺り」の
よじれた模様と花のつき方が似ているところから、そう呼ばれるようになったとのこと。
文知摺または捩摺りと表記したようですが、染色法は紋様のある石に絹をあてがい、
その上から忍草の葉や茎を擦りつけて染色したと言われています。
これにちなんで名付けられたのが文知摺石で、福島市山口の安洞院境内にあります。

中納言 源融 (みなもとのとおる) が陸奥国按察使として赴任していたが、ある時信夫郡
で道に迷い、村長の家に泊まった。そこで娘の虎女を見初めて相思相愛の関係となった。
しかし都に戻るよう命を受けた融は再会を約してその地を去った。
残された虎女は融に一目会いたい一心で、観音堂に願を掛け、文知摺石を麦草で磨き
続ける。そして満願の日、ついに磨き込まれた文知摺石に融の姿を一瞬見いだしたの
である。だが、そこで精根尽き果てた虎女は病の床に就き、そのまま亡くなってしまう。
その死の直前に、都の融から一首の歌が届く。
それが古今和歌集に収められている。

「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに 乱れんと思う 我ならなくに」


                                 2016.7.14撮影

ラン科ネジバナ属の多年草で、日本全土に分布している。
日当たりの良い原野や道端、芝地などに自生し、草丈は10~40cm。
地下には多肉質の太い根が10~15cm伸びている。
葉は濃緑色で根元に集まって付き、広線形で長さ5~20㎝。先端は尖る。
葉は厚みがあってやわらかい。茎には披針形の鱗片葉が何枚か付く。
花期は6~7月で、根生葉の中心から花茎を直立させ、螺旋形に花を付ける。
巻きは左巻き、右巻き、途中でねじれ方が変わるものなどがある。
花は内花被片3個、外花被片3個からなり、唇弁が白色、側弁は淡紅紫色。
花の基部に1個の苞がある。花茎や花弁には腺毛がある。
種子はごく微小で、風で株の周囲に飛散する。


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