里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オシダ ガレ場に自生

2017-03-19 | 日記
南三陸町南部の、水戸辺川沿いの林道を遡って羊歯を探しましたが、既に記事
にした羊歯ばかりで、新たな出合いがありません。
「今日はダメかな ? 」と帰りかけたとき、岩壁の下で大きな羊歯群を見つけました。
岩壁の下は、崩れ落ちた岩屑が積み重なって、ガレ場になっています。
羊歯の葉長は1mほどあり、これが放射状に開いていますから、直径は2mにもなります。
他の植物が茂っていないガレ場でなければ、葉を広く展開できないでしょうね。

対岸の林道脇にもガレ場があって、こちらは作業道を開削した際の岩屑が、杉林内の
斜面を覆っていて、ここにもたくさんの大形羊歯が群生していました。




                             二枚とも2016.1.3撮影

草姿からイノデの仲間と思ったのですが、裂片の形が変っていて合致する種が
ありません。裂片の特徴とは葉脈部分が窪むことと、縁が裏側に軽く巻いていること。
それと、羽片先端側の裂片が多少鎌状に曲がることですね。
一度イノデ類から離れ、オシダ属に遡って似た種を探してみました。

前述の特徴を頭に入れて、図鑑のオシダ属の羊歯を探すと、特徴が合致する
羊歯がありました。属の名そのままに「オシダ」ですね。




                             二枚とも2016.1.3撮影

オシダ科オシダ属の夏緑性羊歯植物で、北海道~本州と四国の剣山に分布する。
温帯林のやや湿った林床、谷筋のガレ場などに自生し、草丈は70~150cm。
根茎は太く短く、直立して塊状となり、葉を放射状に束生する。
葉柄は長さ10~25cmで、鱗片をやや密に付ける。鱗片は長卵形~線形、先端は尾状
に長く伸び、色は褐色で膜質。中軸にも密に付き、上のものほど小さい。
葉身は倒披針形で長さ50~120㎝、2回羽状深裂~全裂、下部の羽片は次第に短くなる。
羽片は狭披針形、幅1.5~2.5cm、基部は広いくさび形~切形で無柄、鋭尖頭。
羽状に深裂~全裂し、羽軸の表面に細い鱗片がある。
裂片は狭長楕円形で幅3~5mm、多少鎌状に曲がり、鈍頭~円頭、鈍鋸歯縁。
葉脈は表面で窪み、縁は裏側に軽く巻いている。葉質は軟らかい革質で濃緑色。
ソーラスは上部の羽片にだけ付き、裂片の中肋寄りに並ぶ。


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