宮戸島の里浜集落から西へ向うと、林道法面には点々と羊歯が生えています。
観察すると、ほとんどがイワイタチシダとミヤマベニシダですね。
さてさて、同じ種が続くので油断していたようです。
通り過ぎてから「おや、今の葉はツヤがあったような ?」ちょっと戻って観察すると、
葉表にツヤがあり、ソーラスの形が表に浮き出ています。
明らかに前の二種とは違う種ですね。
法面は北西向きで、常緑樹に囲まれているため、ほぼ日陰になっています。
二枚とも2015.12.29撮影
帰宅後に、羊歯植物図鑑と写真を見比べると、ミヤマイタチシダに似ていますが、
中軸や羽軸の色が違いますね。
さらに図鑑と写真を見比べていると、ベニシダの仲間に似ているようです。
ただ、この種は仲間が多く、8種類ほども図鑑に収録されていますから、さらに絞り
込まねばなりません。細かく裂片の形を見比べ、最終的に「ベニシダ」と同定しました。
名の由来は、若葉のころに葉が紅紫色をしていることや、葉裏のソーラス(胞子嚢群)
が赤みを帯びていることに因みます。
二枚とも2015.12.29撮影
オシダ科オシダ属の常緑性羊歯植物で、本州~九州に分布する。
丘陵~山地の林床や林縁、路傍などに自生し、草丈は30~70cm。
根茎は短く、斜上、やや塊状となり、葉を叢生する。
葉柄は長さ15~30cmで緑褐色、線状披針形で褐色~黒褐色の鱗片がやや密に
付くが、上部のものほど小さく落ちやすい。
葉身は2回羽状複葉で長楕円形、長さ20~50cm、先は急に細くなることが多い。
葉質は紙質で、やや光沢のある緑色。中軸や羽軸には袋状の鱗片がやや密に付く。
羽片は15~20対付き、長さ10~20cmの披針形、先が尾状に伸びる。羽片は中軸に
対して直交してつき、長三角状披針形、先はやや尾状に伸びる。
最下羽片の下側第一小羽片は小さく無柄、辺縁は浅~深裂する。小羽片は羽軸に
直交に近い角度で付き、披針形で浅~中裂する。
ソーラスは中肋寄りに付き、苞膜は紅紫色を帯びる。
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