登米市東和町、山裾を流れる小河川沿いの集落道を下っていると、道路法面にたくさんの
キク科植物の根生葉が群生しています。法面を少し下って観察すると、外来種のフランス
ギクの根生葉のように見えますが、確証はありません。
一帯を探すと一本だけ花茎が立っていて、意外にもその頭花中央の筒状花の部分だけが残
されています。これはフランスギクのものでしょうね。
二枚とも2021.12.23撮影
帰宅後、植物図鑑でフランスギクの根生葉の特徴を確認すると、根生葉はさじ形で有柄、
長さが6~9cm、鋸歯縁で越冬するとあります。
特徴も一致するので、フランスギクの根生葉で間違いないでしょう。
フランスギクはその名のようにヨーロッパ原産の帰化植物で、江戸時代末期に観賞用に持
ち込まれたようです。花壇などに植栽されますが、野に逸出して道路法面や土手、河川敷
などに広く野化しています。
二枚とも2021.12.23撮影
キク科フランスギク属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。草丈は30~80cm。
かっては庭や花壇に栽培されたが、現在では各地の道路端や土手などに野生化している。
根生葉はロゼット状に展開し、越冬する。葉は長倒卵形で長さ6~9cm、葉縁には円い
鋸歯がある。葉表は濃緑色で粗い毛が生え、やや光沢がある。
茎は基部近くでまばらに分枝し、稜があって無毛または粗い毛が生える。
茎葉は無柄で互生し、長楕円形~へら形で縁は粗い鋸歯があり、基部は茎を抱く。
花期は5~6月、茎の先に直径5cmほどの頭花を単生する。総苞は半球形、総苞片は披針
形~広線形で3~4列に並ぶ。中心部は緑色で辺縁部は膜質、その境は黒く縁取られる。
頭花は中心の黄色い筒状花と、周辺の白色の舌状花からなる。舌状花は白色で雌性、花冠
の先は浅い2~3歯がある。筒状花は黄色で両性、先は5裂する。
痩果は黒色で長さ2mmほど、10条の白いひれ状の隆起線がある。
冠毛は合着して皿形の突起となる。
仙台発・大人の情報誌りらく編集部の者ですが、ブログを大変興味深く拝見いたしました。弊誌の特集制作にご協力いただけませんでしょうか。メールフォームが見つからず、大変恐れ入りますがinfo@riraku-sendai.co.jpまでご連絡いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
ごめんなさいね。