里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミツバアケビ 雌花と雄花

2021-04-18 | 日記

一関市花泉町永井地区東部、丘陵上の林道を西へ歩いて行くと、林縁の木にミツバアケビ
が絡んでいて、すでに新葉が開いています。よく見ると葉柄の付根から総状花序を下げて、
暗紫色の雌花・雄花を咲かせています。
花序の基部近くには大きな雌花が1~2個、先端側には多数の小さな雄花が付きます。

東北地方に自生するアケビには、アケビ(ゴヨウアケビ)とミツバアケビの二種があり、私
が歩くエリアではミツバアケビが圧倒的に多く、これが7~8割を占めている印象です。
アケビの花は淡紫色~乳白色と目立ちますが、この日は一株も出合えませんでした。

                              二枚とも2021.4.15撮影

アケビやミツバアケビは、生薬名を木通(もくつう)という薬木です。
秋に木質化したつるを採取し、皮を剥き細かく刻んで乾燥させたもので、日本薬局方収載
医薬品です。煎じて服用すると利尿効果があることから、腎臓炎、尿道炎、膀胱炎などの
むくみに用いられます。煎汁はできものの洗浄に、外用薬としても利用されます。
薬効成分はアケボシド、ヘデラゲニン、カリウム塩など。

                              二枚とも2021.4.15撮影

アケビ科アケビ属の落葉つる性木本で、北海道〜九州に分布する。
山野の林縁や、林道沿いなどにふつうに生える。雌雄同株で雌雄異花。
樹皮は灰黒褐色。円形の皮目がある。つるは右巻き。
葉は互生し、3出複葉で、葉柄は2〜14cm。小葉は卵形で長さ2〜6cm。先端は少しへこ
み、基部は丸い。縁には大きな波状の鋸歯がある。
花期は4〜5月。葉腋から総状花序が斜めに垂れ下がり、暗紫色の花を付ける。花には花弁
はなく、花弁状の萼片が3個ある。花序の基部側に大型の雌花が1〜3個付く。
雌花は直径1.5cm、花柄は長さ2〜4cm、円柱形の雌しべが3〜6個ある。
先端には雄花が10数個付く。雄花は直径4〜5mm、花柄は長さ3mmほど、雄しべは6個。
果実は液果。長さ10cmほどの長楕円体で、10月に熟す。熟すと紫色を帯び、裂開する。
種子は不定形の黒褐色で、長さ4〜5mm。
果肉や厚い果皮を食用にし、つるは編み組み細工に用いられる。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿