松島町手樽地区東部の、崖下の細い農道を歩いていると、大岩の陰に何かの
緑葉が茂っています。崖下の岩礫に上って確認すると、小さなロゼット葉ではなく、
やわらかそうな茎を伸ばして、羽状の葉が茂っています。
初めはミヤマキケマンかと思いましたが、よく見ると羽状に裂けた小葉の先端が丸みを
帯びているので、別種でしょう。
今までお目にかかったことはありませんが、「キケマン」かも知れませんね。
二枚とも2017.12.31撮影
ミヤマキケマンの小葉は深く裂けて、裂片の先端が尖り気味となっています。
私の写真の植物は、前述したように裂片の先端が丸みを帯びていますから、キケマンと思われます。
キケマンの分布域を確認すると、関東以西となっているのが気がかりです。
ただ、この自生地は松島湾岸から1kmほどの地点で、内陸に比べればかなり温暖ですから、
自生している可能性も否定できません。
〈北信州の道草図鑑 ミヤマキケマンより〉
2017.12.31撮影
ケシ科キケマン属の二年草で、関東地方以西の本州~沖縄に分布し、草丈は40~60cm。
やや湿った草地や畦道、海岸近くの窪地などに自生する。
有毒植物で、茎や葉を傷つけると黄色の液体が出て、悪臭を放つ。
全体に無毛。茎は根もとから枝分かれし、太めで柔らかい。花の頃は赤色を帯びる。
葉は厚く緑白色~淡緑色。2~3回羽状複葉で長さ20cmほど。春先は葉が展開しきらず閉じ気味。
花期は3~6月で、茎上部の葉脇から総状花序を出し、長さ2cmほどの黄花を多数つける。
先の方は唇形となり、花の先端部は紅紫色を呈する。
柱頭は二又で、中央に明瞭な1対の乳頭状突起がある。
果実は蒴果で長さ3〜4cm、 幅5mmほど、数珠状にわずかにくびれ、種子が2列に入る。
種子は黒色、表面に細かい円柱状の突起があり、膜状の大きな種沈がある。
全草にプロトピン、サンギナリン、ビククリンなどのアルカロイド系の有毒成分を含み、誤食
すると嘔吐、眠気、呼吸麻痺、心臓麻痺などの症状を呈する。
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