里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ケンポナシの花 貴重な蜜源

2017-03-06 | 日記
一関市藤沢町黄海地区と、同花泉町永井地区の丘陵地を歩くと、山腹や沢沿いに
ケンポナシの木が点在しています。
他の地域ではケンポナシの木を見たことが無いのに、この辺りでだけ見かけるのは、
他地域より分布密度が高いからでしょう。
幾つかのネット記事によれば、低山や丘陵の急斜面や沢沿いを好んで自生するとあり、
両地域にはそのような地形が随処にみられることから、多く自生しているのでしょう。




                             二枚とも2016.7.8撮影

ケンポナシは枝先に散房花序を出し、淡緑色の小花を多数付けます。
大きな木になると樹高が10~15mになり、全体では数え切れないほどの花が咲き
ますから、これにミツバチが群がって盛んに蜜を集めるそうです。
この花から採れた蜂蜜が肝炎や二日酔いに良いということで、大いに珍重されるとか。
その分お値段も張り、500gで2000円以上もするようです。
ケンポナシの果実 (正確には果柄) も肝機能向上や二日酔いに効果があるとされ
ますから、同様の薬効があるんですね。


                                 2016.7.8撮影

クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉広葉樹で、樹高15~20mの高木。
北海道~九州に分布し、丘陵地の斜面や、山地の沢沿いに自生するが、個体数は少ない。
樹皮は暗灰色~灰褐色で若いうちは滑らかだが、成木になると縦に浅く裂けて剥がれる。
一見シナノキの樹皮に似る。小枝は紫褐色で皮目がある。
葉は互生し、枝を挟んで右右、左左、右右というように2枚ずつ交互に並び、これを
コクサギ型葉序と呼ぶ。葉身は広卵形で長さ8~15cm、先端は尖る。質はやや薄く、
縁に低い鋸歯があるが、大きく波うつ場合もある。基部から分岐する3本の葉脈が目立つ。
花期は6~7月で、枝先と枝上部の葉腋から集散花序を出し、淡緑色の小花を多数付ける。
花の直径は1cmほどで、雄しべが5本、雌しべが1本、花弁が5枚ある。
果実は球形の核果で直径5~7mm、果肉はほとんど無く、代わりに茶褐色の果柄が
肥厚する。果実は晩秋に熟して黒色になり、果柄は梨の香りがして食べられる。


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