里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ヒオウギ 倒卵形の果実

2020-09-29 | 日記

一関市花泉町永井地区北東部、丘陵上から集落道を北へ下って行くと、西側に一軒の民家
があって、その道路向い側の畑際に、3~4種類の園芸植物が植えられています。
その中の1種には、倒卵形の果実がたくさん付いています。
たぶん・・ヒオウギの果実ですね。以前、陸前高田の民家脇で花を見たことがあります。

                              二枚とも2020.9.17撮影

幅広の剣葉が根際から扇状に広がる様子が、檜扇のようだとして名付けられたようです。
檜扇とは檜の薄片を扇状に合わせた板扇で、宮中の儀式に使われていたとか。

ヒオウギの別名に「ぬばたま」があり、「烏羽玉」或いは「烏玉」の字が当てられることが
多いようです。これは果実の中の種子が直径5mmほどの球形で、光沢のある黒色が印象的
なことから、これが植物名そのものになったようです。
和歌では「黒、夜、髪」に掛かる枕詞とされ、万葉集や古今和歌集に収められた多くの和歌
で「ぬばたま」が枕詞として詠み込まれています。

                                  2020.9.17撮影

アヤメ科アヤメ属の多年草で、本州〜沖縄に分布し、草丈は60〜100cm。
山地や沿岸部の草地に自生し、日当りを好む。根茎は淡褐色で短く這う。
葉は互生して扇状に広がり、長さ30~60㎝、幅2~4cmの幅広の剣状葉、中脈は不明瞭、
先端は尖鋭形。葉の色は粉白色を帯びた緑色。
花期は8〜9月、高さ50~100cmの花茎を伸ばし、枝分かれした先端に直径4cmほどの
花を咲かせる。花は1日花で、朝咲いて夕方にはしぼむ。花は6弁花で花色は橙~橙赤色、
濃橙赤色の斑点がある。花柄は長さ1~4cm。大きめの外花被片と、やや小ささめの内花
被片が3個ずつある。花被片は倒卵形~楕円形で長さ2.5cm、先端は鈍形で、基部は楔形。
雄しべは3個で長さ1.8~2cm。花柱は花被片とほぼ同じ長さで、裂片が広がる。
果実は倒卵形の蒴果で長さ3cmほど、完熟すると果皮が裂開して種子が現れる。
種子は直径5mmほどの球形で、光沢のある黒色。



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