登米市東和町、山裾の畑の奥の方に、白い大きな花がたくさん咲いています。
畦道を入って行くと、直径10cmほどもある傘型花序ですからセリ科の植物でしょう。
セリ科の農作物としてよく知られているのはニンジンですね。
土手などに生えている帰化植物のノラニンジンの花によく似ていますから、ニンジンの
花で間違いないでしょう。
二枚とも2022.7.11撮影
ニンジンの原産地はアフガニスタンで、そこから東西に伝わって栽培種の東洋系と西洋系
に分かれました。東洋系は濃橙色で細長いニンジン、中国で品種改良されたものです。
煮崩れしずらいので煮物に適しています。
西洋系はトルコやオランダで品種改良され、淡い橙色で太くて短く、味は甘味が強く癖が
少ないニンジンで、カレーやサラダに利用されます。
現在国内で栽培されている品種は、殆どが西洋系です。
ニンジンの種まきの時期は年2回あって、3~4月に種まきする「春まき」と、7~8月
に種まきする「夏まき」があります。春まきは発芽率が低いことから、夏まきが中心です。
夏まきの収穫期は秋~冬で、収穫しないと翌夏にとう立ちして花が咲きます。私の写真の
花がそれですね。セリのような小花が集合した大きな傘型花序(複散形花序)を付け、平均的
な大きさの花序には、4,000個もの小花が付いているそうです。
二枚とも2022.7.11撮影
セリ科ニンジン属の1~2年草で原産地はアフガニスタン。各地で野菜として栽培される。
根は肥大した紡錘形の直根で、淡橙~濃橙色。草丈は50~150cm。
茎は直立し上部で分枝、白っぽい剛毛が生える。
根生葉は2〜3回奇数羽状複葉、長い葉柄がある。茎葉は互生し、長い葉柄があって小葉
は細かく深裂して、鋸歯がある。
花期は7~8月、茎頂や枝先に複散形花序を出し、白色の5弁花を多数咲かせる。
花の直径は3~5mm。花は雄性期⇒雌性期へ移行する雄性先熟花。雄しべは花粉を出して
落ちると、子房の色が淡紅色になって雌性期に移行する。
花が終わり果実ができると、花序全体が内側に丸くすぼまる。
果実は2分果で長さ5mm、稜に沿って長い棘がある。
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