一関市花泉町日形地区北西部、丘陵上の集落道をゆるやかに上がって行くと、山側法面に
淡紫色のスミレが点々と咲いています。花色からタチツボスミレかと思ったのですが、よく
見ると、花の後方の距が上に長く伸びています。これはナガハシスミレですね。
その後もあちこちに咲いていて、そこが半日陰の法面であることから、日なたよりも半日陰
を好むスミレのようです。
二枚とも2020.4.24撮影
北海道~本州の日本海側(島根県以北)に分布するスミレですが、東北地方では太平洋側の丘
陵地にも自生しています。特に傾斜地の林縁や林道法面のような裸地に多い印象です。
別名にテングスミレがあり、それは長く伸びた距が天狗の鼻のように見えることによります。
距は長いだけでなく、さまざまな方向に曲がっているものが多いですね。また先端も膨らん
でいるものから、細くなっているものまで形状の変化もあるようです。
二枚とも2020.4.24撮影
スミレ科スミレ属の多年草で、北海道~本州の日本海側(島根県以北)に分布、東北地方では
太平洋側にも分布する。低山の乾き気味の林縁や、林道法面などに自生する。
根茎は木化して肥厚し、横走して分枝する。全草無毛で、草丈は15cmほど。
根生葉は円心形で長さ2~4cm、、先端は急に尖り、基部は深い心形。鋸歯は低い。
葉柄は長さ2~5cm。托葉は狭卵状長楕円形で長さ1cmほど、櫛の歯状に切れ込んでいる。
花期は4〜5月、花柄は根生、または茎上に腋生する。
花は紅紫色〜淡紫色で直径1.5cmほど、平たくつぶれたような形に咲く。側弁は無毛。
花の中心部には、不明瞭な絞りが入るものが多い。距は目立って長く、長さ1.5〜2.5cm。
果実は楕円体の蒴果。3片に裂開して種子を飛ばす。
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