里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ラッカセイの黄色い花

2020-09-14 | 日記

気仙沼市本吉町馬籠地区から西側の低い尾根を越えると、そこは一関市藤沢町大籠地区南
東部の沢の源流部で、小さな耕作放棄田が農道沿いに続いています。

山間の農道を集落方向へ下って行くと、沢沿いに小さな水田や耕作放棄地が交互に続き、
農小屋や民家が見えてくると畑が続くようになります。
少し下ると、丈の低いマメ類が植えられた畑が何枚かあって、黄色い花がポツポツと咲い
ています。これは・・たぶん落花生ですね。畑に植えられているのは初めて見ました。

                              二枚とも2020.9.10撮影

ラッカセイの花は朝咲いて自家受粉し、夕方には萎んでしまいます。
受粉後数日経つと、一本のつる状の子房柄(子房と花托との間の部分)が下方に伸びて、地中
に潜り込み、子房の部分が膨らんで地中に殻付きの実を付けます。

なぜ茎や枝に実を付けることなく、地中に実を付けるのでしょう ?
植物は果実を動物に食べさせて種を遠くへ散布したり、果実に翼を付けて風で散布させたり
しますが、ラッカセイは水の流れを利用する戦略を立てたのです。
ラッカセイは南アメリカのボリビア南部、アンデス山脈東麓の乾燥地帯が原産地です。
熱帯の乾燥地帯ですが、時々大雨が降って土が抉られるほどの濁流になり、土中のラッカセイ
の莢を遠くまで流してくれるというのです。ラッカセイの莢は殻が固く、中が空洞で軽いため、
水に浮かんで流れるのにちょうど良い形になっているのです。

ラッカセイの豆が地下にできる仕組みについては、JAグループ福岡が記事をアップしてい
るので、下のURLをクリックして参照願います。

http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/002/018.html

                              二枚とも2020.9.10撮影

マメ科ラッカセイ属の1年草で、原産地は南アメリカのボリビア。草丈は25~50cm。
我国へは江戸時代の宝永年間に中国経由で渡来した。本格的に栽培されるようになったの
は明治時代からで、現在では千葉県や茨城県を中心に、主に暖地で栽培されている。
春に種まきする。茎は基部から枝分れして、枝は地面をはって伸びる。
主茎は直立するが分枝より短い。
葉は互生し、4出複葉で、小葉は倒卵形で先端は小さく尖り、縁に白い毛がある。
葉質はやや厚く、濃緑色。小葉は夜に閉じる。
花期は7~8月、葉腋に直径15mmほどの黄色い蝶形の1日花を数個付ける。
花は自家受粉し、受粉後数日すると、 子房柄が伸びて子房の部分が地中に潜り込み、 長楕
円体の莢ができる。莢にはくびれがあって表面に網目模様があり、 中に2~3個の種子が
実る。砂地のような乾いた柔らかい土を好み、連作障害がある。



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