登米市東和町米川地区東部、国道を気仙沼方向へ走行していると、傍の二股川の土手に背
高な植物が茂っていて、黄褐色の長い花穂を伸ばしています。
ブタクサかオオブタクサでしょうね。脇道に車を停めてから、土手まで行って観察すると、
葉がクワの葉のように切れ込んでいますから、オオブタクサと思われます。
数日前から鼻水が垂れてきて、しょっちゅう鼻をかむようになったのは、この花穂から飛
散する花粉のせいでしょう。秋の花粉症のアレルゲンとして知られています。
二枚とも2020.9.10撮影
オオブタクサやブタクサの花は風媒花ですから、雄花の花粉は昆虫ではなく風で運ばれる
わけですが、雌花の受粉率を上げるために多量の花粉を飛ばすことになり、それがアレル
ゲンとなって花粉症を惹き起こします。昨今は、温暖化により花粉の飛散量がさらに多く
なったり、飛散期間が長くなるなどの問題も生じているようです。
オオブタクサは北アメリカ原産の帰化植物で、我国では1952年に静岡県や千葉県で侵入が
確認され、現在ではほぼ日本全土に分布を広げているようです。
宮城県内でも、河川敷や空地、道路法面などに群生しているのをよく見かけます。
近年増加が著しいようで、外来生物法で「要注意外来生物」に指定されています。
二枚とも2020.9.10撮影
キク科ブタクサ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。草丈は1~3m。
現在では日本全土に分布。河川敷や空地、道路法面などに生えて、しばしば群生する。
茎は太く直立し、上部で枝を分け、全体に粗い毛があってざらつく。
葉は対生し、葉身は長さ20〜30cmで掌状に3〜5裂し、裂片の先は尖る。
縁には不規則な細鋸歯があり、両面とも硬い短毛があってざらつく。葉の基部は切形~楔形。
葉柄は長さ3~7cm。
花期は8~9月、雌雄同株で、枝先に細長い総状花序を出し、 合着して笠形になった淡緑色
の雄頭花を多数下向きにつける。多量の花粉を飛ばすので花粉症のアレルゲンとなる。
雄頭花の下に2枚の苞に包まれた雌頭花をつける。
果実は総苞が硬化した偽果。釣鐘形で角があり長さ5~10mm、とても硬く土中で20年間も発
芽能力を保つとされる。
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