里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

センブリ 戸倉の山道

2017-02-05 | 日記

南三陸町戸倉地区南西部、山道を上って行くと、白い小さな花が点々と咲いています。
花の直径は1.5cmほどで、きりっとした花弁と、くっきり入った条線が幾何学的な美しさ
を見せています。センブリですね、リンドウ科センブリ属の二年草で、有名な薬草です。
植物図鑑によると「日当たりの良い草原に自生」とありますが、あまり日当たりを
好むようには見えません。それよりも、林道法面とか土取り場跡などの、土が露出
しているような場所の、半日陰を好むようです。




                            二枚とも2016.10.25撮影

センブリは日本薬局方に収載されている正真正銘の薬草で、胃弱・消化不良
食欲不振などに効用があります。
花の時期に全草を採取して、陰干し乾燥します。
これを二三本煎じて飲むわけですが、例えようも無いほどの強烈な苦さです。
口をゆすいでも、ご飯を口に含んでも抜けないほど苦いのです。
千度振り出しても苦いことから、センブリと呼ばれるようになったと言われています。

センブリは日本薬局方に収載されていますから、医薬品の扱いになります。
観光地の土産物店や、産直市などで売られていたりしますが、乾燥品は医薬品と
見なされるので、許可無く販売すると薬事法違反になります。


                                2016.10.25撮影

リンドウ科センブリ属の二年草で、北海道~九州に分布し、草丈は10~20cm。
草地や林道沿いの、土壌が露出しているところに自生し、やや湿気のある半日陰を好む。
茎は直立し4稜形、紫色~淡紫色を帯び、盛んに分枝する。葉は対生し、線形で長さ
1.5~3.5cm、中央脈はへこみ、縁は多少外側に反る。葉柄はなく、葉表は濃緑色。
分枝した枝先や上部の葉腋から花柄を出して、先端に花を1個ずつ付ける。
花柄の長さは0.5~1.5cm、花冠は5裂し、裂片は長さ10~15mm、表面が白色で紫色
の条線がある。花冠の基部に緑色の蜜腺が2個ずつある。
萼は5深裂し、萼片は長さ4.5~8.5mmの線形、鋭頭で果時にも残る。
雄しべは5個、雌しべ1個。
果実は蒴果で、長さ12~16mmの紡錘形。熟すと、先が3~4mm裂開し、風に揺られて
少しずつ種子をばら撒く。種子は暗褐色で丸く、直径は0.5mmほど。



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