三十三年前、オーダーメイドで作ってもらった登山靴がある。
この靴はgoroという靴屋の製品だ。
夏靴と冬靴の二種類持っていて、これは冬靴。
最近ではほとんど履かなくなってしまったが、元日だけは間違いなく履く。
三十四年間、それを続けてきた。
長野市にある飯縄山の元旦登山。
この飯縄山は標高1917.4m。
長野オリンピックのモーグルで金メダルを取ったことを記念して、スキー場には里谷多英コースがある。
この飯縄山に僕は三十四年間、基本的に元旦に登り続けてきた。
自宅から見える山の左側部分の双耳峰が飯縄山。右側のスキー場が見える側が霊仙寺山。
僕はこのたおやかな稜線が好きだ。
この山に登るために、登山靴の手入れをした。
今では、ゴアテックスのとても軽い登山靴が出回っていて、革製の登山靴を履いている人は珍しい。
僕も無雪期はほとんどトレランシューズだ。
だけど、やっぱりこの革製の登山靴には限りない愛着がある。
あと何回履けるだろうか。
この靴と僕は信頼し合ったパートナーだ。
安心感と、友に歩んだ思い出がある。
飯縄山の少し左には、純白の白馬三山が朝日の中で輝いている。
寒い冬の朝、引き締まった空気の中で、こんな景色を眺めるのが好きだ。
庭のトトロも雪を被って喜んでいる。
その下には鳥のレストランがあって、毎日いろいろな鳥たちが訪れる。
これも冬の楽しみの一つ。